我が青春のフローレンス METELLO  (劇場)

 監督:マウロ・ボロニーニ キャスト:マッシモ・ラニエリ  オッタビア・ピッコロ


 いきなりマイナーな古い映画を取り上げる。
 実はずっと気になっている女優がいて、ふとまた思い出したからだ。
 私が十代だったころ、どこで手に入れたかは覚えていないが、この映画の劇場ポスターを部屋に貼っていた。
 少し、より目で庶民顔のオッタビア・ピッコロがどうも気になっていた。好きで見とれるというような感情ではない。そのころ好きだった女優はキャンディス・バーゲンだ。私はどうもこの手のクールビューティが好きなようで、イングリット・バーグマンやグレース・ケリーはいうまでもなく大好きだ。
 だが、オッタビア・ピッコロはその系列の女優ではないが不思議と惹かれるものがあった。そのポスターを見ていると哀愁を感じて、少し胸が熱くなったものだ。

 映画は、アナーキストで牢獄を出たり入ったりしている父を持つレンガ工の青年と、同じくアナーキストを父に持つ娘とが恋愛し結婚する。この青年もしだいに社会主義者の道を歩みはじめて労働争議の中に身をおく。そんな青年だが、隣の家の裕福な人妻と不倫をする。フローレンスの町をバックに情感たっぷりと物語りは進んでゆく。音楽はエンリオ・モリコーネで哀調に満ちている。
  
 十代の頃に見たので、細かなところまでは覚えていないが、社会派の硬派映画(当時『告白』や『Z』という硬い映画もよく見た)でもなくやはり青春映画なのだろう。
 今見るとどういう感想を持つのか興味があるので見てみたいが、レンタルビデオでもなさそうだ。

 ところで話をオッタビア・ピッコロに戻すが、なぜ彼女に惹かれるのか。儚さ、けな気さというだけではない魅力がある。知的で洗練された美しさのクールビューティとは一味違う。いつかテレビで見た『キューポラのある町』の吉永小百合のイメージが近いかもしれない。
 いや、それとも違うものがある。
 また見てみたい女優のナンバーワンだ。

                                            2003年11月25日