「私は生来の楽観主義者である。なぜなら、人間の馬鹿さ加減にも限界があると思っているからです」
これは、ソマリア派遣イタリア軍司令官 ロイ将軍の言葉である。

 ほんとうに人間の馬鹿さ加減には限界があるのだろうか? いや、あって欲しい。
いつになったら、その限界が来るのだろうか。

 今を生きる私たちは、今をリアルに見つめる目を持たなければならない。
 多くの歴史家が後年になっていろいろ語るだろうが、私たちは現実を見ているのだ。
 たとえその馬鹿さ加減に呆れようと、ブラウン管の向こうの、はるか中東のことと現実感を薄れさせてはいけない。
 そこには確実に大量の血と涙が流れるのである。

 ブッシュ演説を聞いてみよう。

1、 イラクの平和的武装解除は失敗した。
     ――失敗したから武力で武装解除をするしか選択肢はないのか?

2、 米国は武力行使の権限を保持している。
     ――権限とはなんなのか?

3、 フセイン・イラク大統領が48時間以内に亡命しなければ攻撃を開始する。
     ――明らかな宣戦布告声明である。

4、 平和的解決の手段は尽くした。
     ――今までの高圧的な態度が、平和的解決の手段だったのだろうか?

5、 国連安保理は責任を全うせず。
     ――拒否権を発動されるのを避けるために、決議案を取り下げたのは
        国連安保理の責任を全うしてるというのか?

6、 米国民は戦争の代償を理解している。
     ――はるか遠い中東の地で圧倒的な武力を持って行われる戦争による代償は
        米国民のそれよりも、祖国を焼かれるものの方がはるかに大きいではないか。


これは世界のリーダーを自認する国の大統領の演説とはとても思えない。

私はイラクを支持しない、同様にアメリカも支持しない。

「ブッシュ演説に反感」

2003 3 18