突 発 性 発 疹


 は じ め て の 高 熱
  赤ちゃんが生れてはじめて高い熱を出し、熱のわりに赤ちゃんはけろっとしているといった場合、小児科医はまずこの突発性発疹を考えます。一般的に言うと3日ほど熱が出てそのあと全身に発疹が出るだけのたちの良い病気です。小さい子や大きな子はあまりなくて、生後6カ月くらいから1才までの赤ちゃんに多い病気で原因はHHV-6 型というウィルスです。

 症  状  は  ?
  ある日、突然熱が出ます。いきなり39℃も熱があがるので、どのお母さんも大急ぎで診察室に飛び込んで来ます。『先生、肺炎になりませんか、頭がおかしくなりませんか?』と、聴診器をあてるまえから大騒ぎです。しかしこの病気の特徴は
    @ 生後第1回目の熱のことが多い
    A 生後6カ月〜12カ月の間にもっとも多い
    B 熱は39℃をこえる
    C 熱以外には殆ど症状がない、せきや鼻水は少ない
    D 熱のわりに元気で、物を見たり遊んだりする
    E 熱が高いわりに食欲は落ちない
 ということがあげられます。そこでこのような条件が揃うと、たいして重い病気ではないようだなということから、突発性発疹であろうと推定することが多いです。

 高 熱 が 続 き ま す
  39℃前後の熱が大体72時間続くので、親はもとよりまわりの応援団も大騒ぎ。毎日『肺炎にならないか?、頭はだいじょうぶか?』と大変心配します。『とにかく二日半から三日我慢してください。3日後に熱が下がってブツブツが出るかもしれません。』といっておくのですがお母さんがたも『本当かな。あの先生、大丈夫かな?』と半信半疑でしょう。 

 ところが2日半から3日経つと  
  急に熱も下がり、全身にブツブツがあらわれやっと信用してもらえるわけです。赤ちゃんの方は熱が下がったあと1〜2日は少し機嫌が悪いこともありますが、これも日が経てば、すっきりして元気いっぱいになります。少し下痢をすることもありますが食事の注意をしていればよくなるでしょう。

発疹が熱の下がる前からでる子もいるし、熱が下がってから丸一日あるいは一日半くらい経ってようやくでる子もいます。
  ブツブツは3〜4日で消えます。お風呂は熱が下がったら入ってかまいません。

 お  薬  は
  突発性発疹には特効薬はありません。はじめから突発性発疹とわかれば単に熱冷ましだけ飲んでいればよいわけですが、もしも違う病気だと困るので念のために風邪薬をだすことがあります。全身のブツブツには何もつける必要はありません。あまりかゆみもないようですが、赤ちゃんの機嫌が悪いこともかなりあります。

 最 後 に 少 し
  以上で一件落着といったところです。子供というものは病気をしたりして親をハラハラさせてこそ、かわいくなるものです。3日間、本当にご苦労さまでした。