おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)


 伝 染 病 で す
  おたふくかぜはウイルスが原因で耳下腺がはれる病気です。耳下腺は唾液を出す働きがあるのですが、おたふくかぜの時、耳下腺だけではなくて顎の下にある顎下腺もはれてくることがあります。病気がうつっても全く症状らしい症状が現われない場合もありますがこの場合は不顕性感染と呼び、おたふくかぜの時はかかった人の30%が不顕性感染となります。しかしこの場合も免疫はちゃんと出来ています。

 兄 弟 に は
  おたふくかぜは少しうつりにくい病気なので兄弟でもうつらないことがあります。また前に述べたように不顕性感染が多いのでうつっていても症状が出ないことも多いのです。また6カ月以下の赤ちゃんにはうつりません。いずれにしても次の子供が悪くなるのは16〜18日後になります。

 症 状 は
  うつってから16〜18日後に発病します。耳下腺や顎下腺が腫れて、熱が出たり、頭が痛かったり、食欲がなくなることもあります。腫れた部分は少し痛みがありますが5日間くらいで腫れはひきます。あまり腫れ具合がひどいと腫れがひくのに10日間ほどかかることもあります。耳下腺の片側だけ腫れる人は25%くらいで両側が腫れる人は75%です。

 大 人 は
  案外うつりにくい病気なので成人してからおたふくかぜにかかる人も結構います。10才過ぎてからおたふくかぜにかかった場合、特に男性は大変です。
  約20%の人が睾丸炎.や副睾丸炎をおこすからです。しかし幸い睾丸炎はたいてい、片側だけですので、睾丸炎の後遺症としての不妊はあまり心配要りません。でも10才をすぎて、まだかかってない人はぜひワクチンを接種しておきましょう。

 食 事 は ?
  口を開けたり、物を咬んだりすると、耳下腺が痛いので、食事は咬まなくてもすむものを与えてください。また酸味の強い物はだめです。プリンとか、アイスクリ−ムとか、うどん、そうめんなどがよろしいでしょう。

 合 併 症 は
  心配なのは聴力障害と睾丸炎と脳炎です。
  聴力障害の頻度はいろいろいわれてますが、千名に一人くらいというのが一般的です。いったんかかると治りませんので、注意が必要です。耳元で指をこすり指紋のすれる音が聞こえるかどうかで判断がつきます。おかしいと思ったらすぐ耳鼻科の先生に相談して下さい。ぜひワクチンをしておきましょう。
  睾丸炎は既に述べましたが、脳炎も時々あります。脳炎の症状は、熱が高く吐き気があり頭痛も強く訴え、意識がもうろうとします。嘔吐やけいれんも起こります。後遺症もひどいですから、大変です。
  よく似た病気におたふくかぜの髄膜炎があります。これは後遺症も残さず、治りやすい病気ですから心配はありません。初期には髄膜炎か、脳炎かわかりにくいですから、医師の診察を必ず受けて下さい。

 入 浴、 学 校、 保 育 所 は 
  耳下腺の腫れが峠を越えて、熱もなければお風呂に入って下さい。学校や保育所は規則により耳下腺の腫れがひくまでお休みしなければなりませんと、なっていましたが、近年ウイルスの伝搬が、発症後5日間くらいできわめて減ることが分かりました。したがって5日間休めばよいということになりました。 

    開口部発赤(口の中に赤い斑点がみられます)