かぜをひいた赤ちゃんにこんな心くばりを
看 病 の 原 則 は
赤ちゃんが熱でつらそうだけれど、どうしてあげたらいいかとお母さんは迷ったりすると思います。そんな時、自分がかぜをひいた時のことを思い出してください。 たとえば、寒けがした時には蒲団を多くかけて気分が良い場合もあるでしょうし、水枕が気持よい場合もあるでしょう。大人でも赤ちゃんでも、看護の基本は病人の気分が良くなるようにしてあげることです。せっかくの水枕も赤ちゃんには気持のいいことではないかもしれません。反応を観察して、不快そうならやめましょう。赤ちゃんが感じていることをわかってあげるのも、大事なことです。
水 枕 や 氷枕 は ?
これも基本的には必要ありません。水枕をしてみて気持がよさそうなら、それでいいでしょう。お母さんの赤ちゃんを思う気持が伝わるかもしれません。
でも、赤ちゃんは慣れないことを嫌がる場合が多いし、水枕をしたから熱が下がる、ということもありませんから、無理にする必要はありません。使うときは、水枕は肩まで冷やさないよう、気をつけてください。
どうしても熱を下げる必要があるときには、冷蔵庫の氷やケーキの箱に入っていた保冷剤をビニール袋に入れ、水が漏れないようにして、タオルでくるみ体に触れたときにひやっと感じないようにして、くびの両側、脇の下、そけい部の、さわったらドキドキ感じる部位を冷やすようにするといいです。これらの部位には、太い血管があり、血液が流れています。そこを冷やすと、流れている血液が少しずつ温度が下がり、冷たい血液が体中を流れ、体温を冷やすというわけです。
保 温 や 安 静 は ?
かぜの治療で大事なのは『保温』『安静』『栄養』といいます。 しかし赤ちゃんの場合には、あてはまるとは限りません。いつもより厚着をさせて暖めたり、じっと寝かせておかなくてはいけないとか、力がつくようにいろいろな物を食べさせなければなどと固く考えないでください。熱があっても元気に遊んでいるなら、それを抑えつけることはないのです。
着 る も の や 蒲 団 は ?
熱があるとき、体を暖めて汗をかかせると早く熱がひくと思いがちです。漢方薬にはそういう考えで作られているものもありますが、いつもそれがいいとは限りません。 熱はウィルスや細菌と闘っている証拠で、闘いが終りに近づかなければ下りません。暖めすぎると、かえって暑くてつらいことが多いでしょう。 ですから着るものも、かけるものも、ふだんと同じでかまいません。
室温、湿度、換気は
着せるもの、かけるものと同じく、室温はいつもと同じでいいのです。湿度はいつもより気を配ってあげてください。乾いた空気の中では咳もでやすくなります。また、冬にかぜをひくとどうしても窓を閉めきりになりがちですが、きれいな空気と入れ換えないと、汚れた空気は喉のためによくありません。
お ふ ろ は ?
かぜにかかり始めの時は、これからどんなふうに症状が進むかわからないので、入るのをお休みしたほうが無難です。 ただ、下痢をしているような時は、おしりだけはきれいにしてあげましょう。2日ほど様子をみて鼻水や軽い咳ていどで元気があれば、おふろに入ってもよろしいです。日本では発熱すると入浴を止める習慣がありますが、入浴がかぜに悪い影響があるというハッキリした証拠はないです。外国では制限されていないようです。
な る べ く そ ば に い て
誰でも病気の時には心細くなるものです。赤ちゃんも同じことですから、できればそばにいてあげてください。家事をしてしているお母さんの姿が見える所に寝かせて、時々、声をかけてあげましょう。