百 日 咳
百日咳
しばらく影をひそめていた病気ですが、3種混合ワクチンの一時的中止とその後もワクチンの接種率が低いためか、時々小さな流行が見られます。
おもに乳幼児がかかる病気ですが、母体からの免疫がないため、新生児でも感染しやすく、月齢が小さいほど重症になりやすいので注意が必要です。名前のとおり、しつこい咳が2〜3ヵ月もつづき、気管支炎や肺炎をおこすもあります。
かかりはじめ
発病する頃は熱のないかぜと同じような症状なので、普通のかぜと区別がつきません。しかし、咳、鼻水、鼻つまりといった普通のかぜと同じ様な症状の時期を過ぎると、咳だけがますます激しくなっていくのが特徴です。熱はほとんど無く、あっても始めだけでそう高くなることはありません。
いちばんひどいとき
頑固な咳が止らず、夜中に1〜2時間毎に顔を真っ赤にして、発作的にせき込むようになります。そのため、夜眠れなくなることもしばしばです。そのうちにますます咳がひどくなり息つぎなしに咳き込みます。そして呼吸が苦しくなり、咳と咳の合間に息を吸い込む時にヒューッという、百日咳特有の症状が出てきます。これをレプリーゼと言っています。
この頃がいちばんひどいときで、乳児の場合には呼吸が出来なくなることもあるので、注意が要ります。けいれんを起こすこともあります。
合併症を起こしやすいのもこの頃で、熱が出たら肺炎などの併発を疑ってみなければなりません。この最盛期が2〜3週間ほどつづきますが、全快するまでにはまだかなりの日数を要します。
もう治る頃
コンコンコン、ヒューという咳がおさまってくれば回復期に向います。しかし、全快までには、まだ1ヵ月近い期間がかかるでしょう。普通、発病してから全快するまでに1ヵ月から3ヵ月ぐらいかかります。お薬は3週間くらい飲まなければなりません。
手当のポイントは
*根気よく薬をのますこと
*湿度を高くして咳を楽に
*ほかの子とは別の部屋に
*食事は消化の良いものを少しずつ
*吐きやすいものは与えないこと
隔離期間は
患者のくしゃみ、咳、鼻水などから感染しますが、その期間は始めから4週間といわれています。特に始めの1〜2週間がいちばん伝染しやすい時期ですので他の子供たちと接触しないようにしてください。