老夫婦が、仲良く公園の陽だまりのベンチで腰掛けるという光景にお目にかからないわけ

 

いろいろな方々に、表記のような質問をおかつ婆ちゃんにぶつけていただきました。

いろいろなお考えの方がおられましたので、出来るだけ多くの回答を以下に記します。

若いころから、夫婦単位で行動する機会があまりないと思う。
外出がおっくう、恥ずかしい、ゆとりがない、環境に恵まれていない。
日本の場合、親子の絆が強く、子供が成長しても進学、就職、結婚、出産と、親が子供と縁の切れる時がなく、外国のように、成人すれば独立し、親の役目が一段落するという節目がないから。
また、老後の保障が不安なため、しっかり貯金がないといけないと思い、定年以後も再就職することが目標となり、のんびり過ごすという意識が持てないからだと思う。
外国とは違い、日本の長い過去からの生活習慣により、特に男性の意識の中に男女が一緒に行動することは女々しいという感覚がある。
近くに大きな公園がないからだ。
日本人の意識の中に、利益追求があり、公園で、のんびり過ごすということは、時間を無駄に使うことだと考えてしまうのであろう。
これは、日本人の精神的なゆとりのなさが原因と思われる。
日本人の人生観が、働くことを善、遊ぶことを悪という過去の風潮が精神に染み付いており、年老いても、あくせく働くことに満足感を味わい、悠悠と穏やかな生活を送ることなど、まったくなじめない考え方を持っていると思う。
ハワイを旅行したとき、あちらの方は、老夫婦でも新婚さんのように手をつなぎ海岸 を散歩する光景に何度となく出くわしました。
島国根性というか、男性が表現力豊かにするのが恥ずかしいのか?
長年連れ添った夫婦なのですから、素直に気持ちを表せたらと思います。
今の若い人達が高齢に達すればきっと、外国のように仲良い老夫婦になると思いま す。
今のお年寄りは、男尊女卑で育ってきたので、素直に気持ちを表現することは出来ないと思います。
最近、マーケットなどでは、仲良く買い物をする夫婦を見かけるようになったと思います。
公園で、仲良くひなたぼっこをするという外国の光景は、日本では、マーケットなのかもしれません。
日本の公園は、形にとらわれたものが多く、例えば、砂場、ブランコそして、形ばかりのベンチ。
これでは、高齢者はもちろん、若い人達も公園でゆっくりとくつろぐ雰囲気にはなれない。
今の老人は、若いころから、二人で話し合って、一緒に行動したりすることもなく、夫の考えに、妻は内心不満でも従う場合が多く、それが、急に仲良くなるということはあまり考えられない。
この世代の方々の考え方は変えようがない。
若いときから余暇を楽しむという習慣がないからではないか、のんびりと生きることが何か、悪いことという気がして、ゆっくりのんびりすることには居心地が悪いのだろう。
いわゆる団塊の世代以上の人間は、全くの会社人間で、家事や育児、子供の教育すべて、妻が一人でこなしてきました。
その結果、子供が成人すると、夫ひとりが、家族からはみ出してしまうという状態で、いわゆる粗大ゴミ、濡れ落ち葉という存在になってしまい、こういう生活を送った夫婦は、老後、仲良くということにはならないだろう。
でも、最近の若い人達は、男性も家事をこなすし、二人で仲良く遊ぶ習慣がついているので、老後も外国人のように仲むつまじい雰囲気で、過ごせると思う。
何かと毎日の生活に追われ、目先のことが気になり、ゆったりとした気分を忘れているのだろう。
勤勉が尊いと教えられて、ゆっくり自分や夫婦のことを考えることが怠け者という考え方に縛られているから、老後もそのままの感覚で過ごしてしまう。
夫婦が仲良くということは知っていても、そのために何をすればよいのか分からない人が多いからだろう。
日本人は、夫婦中心ではなく、子供や孫中心に家族が構成されている。
だから、外国とは考え方が全く違う。

  

 

 

  その他にもいろいろなご意見を伺いましたが、ざっと、以上のような回答でした。

今までの右肩上がりの経済下では、仕事より家族を優先する男性は、何か社会の落伍者(オチこぼれ)のような、風潮があり、家族よりも会社・仕事を優先する人が勝利者の資格を持つという考え方が主流であったと思われます。

そして、昨今の会社リストラなどで、真っ先に候補者に上げられている中高年は、実は、その目標としてきた対象が、現在の高齢者と呼ばれる方々です。
  
会社人間として生き、今まで価値があると信じてきたことが、否定され、家族からもうとんじられる状況は決して健全だとはいえないと思います。

いろいろな方々から意見を伺っていますと、問題の根本にあるのは、日本人の長所である、勤勉性が、夫婦という面から見れば、逆に短所として、作用しているのかも知れません。

つまり、夫婦間の絆をはぐくむよりも、生活の維持という経済的な面を優先するあまり、夫婦の心の触れあいがおろそかになってしまっているのかもしれません。

  今、もう一度、ゆっくり人生を見つめなおすことが必要なのかもしれません。

 

  

 

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