家の建て直し・・・

 2000年の終わりになる頃、家の建て直しを決めたと言う話しが来ました。多少なりとも相談に 乗っている一方何故建て直しをしなくては成らないか強い疑問を持った。しかし、その時には、すでに 建て直しの契約も決まっており解体されることは決定事項になっていました。そこで移築する検討を 始めました。移築は出来なかったものの業者が解体して部材を活用してくれるとの話しに成ったのだと 思っていました。どう行き違いがあったのか道路の狭さなどから費用がかさみすぎると言うことで 解体の意志はないと言うことでした。業者による解体まで1カ月を切っていしまた。
 急遽私個人の力で木槌・釘抜きと金槌と言う道具のみで解体できる範囲の物だけでも解体する 事にしました。



解体作業をやってみて

 作業を開始したのは、2001年の最高気温に近い気温を記録した日でした。屋根瓦を 剥がすのに極度の疲労もあったし隣近所との関係やその他諸々の事情から実質的に作業が出来たのは、 せいぜい10日もありませんでした。そしてその中で実際にやってみた結果として言えそうなことは、 通常の木造2階建て程度、何度かの経験を積んでいるなら1カ月程度で解体は可能で有ると言う 見通し立つだろうと言う事でした。そしてこの場合に業者にやって貰ったらかかった費用は百数十万 になったようです。
 実際に解体した家の引き取り手を募集した時の
ホームページを 多少修正した物です。



否定したい人は多い

 自分で解体をやろうとしたときほとんどすべての建築士は、不可能と笑い飛ばしました。親切心 からでしょうがずいぶんしつこく不可能であることを説明してくれた人も居ました。しかし実際にやったら あきれ顔程度でそれ以上何も言いません。逆に私と同じように自分で解体したという人も現れてきました。 家を自分で解体するような人は、ごく少数でしかないのでしょう。本当にやらないとそう言う人には なかなか巡り会わないのかも知れません。



手作業で解体すると

 解体にかかる費用は、今回全てを自分でやれば、100万近いの節約が出来ることになります。 そしてすべての部材は分別回収が出来ます。今回の場合でも解体そのものはともかく混ざらない方が よい物を徹底的に取り外し回収しました。業者が解体して持って行った産廃は、木材と土以外の物は、 ほとんど何も混ざっていなかったはずです。屋内配線は、電柱からの引き込み線と取り外しに間に合わなかった 屋根裏の配線3mのみですしほとんどすべての建具は取り外して回収しました。などなど・・・。
 手作業で解体する場合なら同じ産廃でも有害物質を出すことをほぼ完全に避けることが可能であり 社会全体としてのトータルコストで考えれば、従来の重機で解体するやり方が経済的な合理性も 可成り疑わしい物であることは、十分考えることが出来ると考えます。
 今日の社会が目先の利益のみしか見ていない浪費と略奪、破壊のみのシステムであることを 示しうることだと考えます。


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