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JOLY'S(パン屋)

大学付近のパン屋さんでパンを作っていた。この店も、オープニングスタッフで入った。
ここは粉から作っていた。(サンマルクは冷凍生地)
しかも、フランスから顧問を呼んでの本格的な所だった。

パンを作って60年のフランス人ジョリーさんは、かなり陽気なおじさんだった。
陽気を通り過ごしてかなりセクハラ紛いのこともしていた。

店長も当時29歳で、若く、僕ともかなり気が合った。
一度、店長さんと、店長の嫁さんと僕とでカラオケに行ったこともあった。
店長の嫁さんは当時24歳で若く、「スマップ歌ってぇー!」と、だだをこねるような
女の子だった。

何度か、店長と、ジョリーさんと、社員さんと、僕とで、飲みに行ったこともあった。
と言っても、昼間なので、パンの研究も兼ねて、オープンカフェ風の店に入り、
本当は店内でしか飲み食いできないのに、ジョリーさんがわがまま言って
外のテーブルでパンを食べながらビールを飲んだ。

-お弁当ゴキブリ混入事件-

僕たちはお昼になると、近くのほかほか弁当か、ローソンでカップラーメンを買って食べていた。僕はいつも店長にぱしらされていた。
(といっても店長は窯をやってるから手を離せないから。)
いつもの弁当屋でノリ弁当を買ってきて、店長に渡す。ふたを開けた店長が叫んだ。
「なんやこれー!ゴキブリや!!」
ちくわの裏に小さなゴキブリが隠れていたのだ!

店長は「店に文句行ってくる!」と意気込んで店を出ていった。
帰ってきた店長はにこやかに僕に言った。
「お湯沸かしてくれる?」
どうやらお詫びにインスタント豚汁をもらったらしく、うれしそうにことのあらましを僕たちに語ってくれた。


ある日僕は店長に「ちょっと休んでくれるか?」と言われた。
僕も、この店の経営状態が悪いことを知っていたので、「いいですよ。」と即答した。
休んでいる間、僕はまた別のアルバイトを捜していた。僕はこの店を辞めようと思ったからだ。
実は、この店かなり売り上げが悪く、人件費を削らなければいけなくなっていた。パンの製造の方は僕以外みんな社員。
社員を削るわけにはいかない。となればアルバイトの僕が辞めるしか道は無くなる。
店長もとても仲良くしていたため、僕にそのことを言いづらそうだった。
1ヶ月後、僕は店長に会いに行った。
「僕辞めましょか。」店長は本当にすまなそうに、謝ってくれた。
「ほんまにごめんな。社員やったらよかってんけどな。」
店長にはしょっちゅう僕に大学を辞めて社員になれよ。と誘われていたのだが、
大学は出ておきたかったし・・・。

僕はこの店を辞めてからも、大学の行きしなとかに、寄っては、昼飯用のパンを
買っていた。

大学も卒業し、この店にもあまりよることがなくなった。
ある日、友達と僕がバイトしてたパン屋に行こう。ということになり、車を走らせて、
JOLY'Sに向かった。

あれ?僕は不思議に思った。店の名前が変わってる。
中にはいると、全然知らない店員ばかり・・・。店長もいない。
どうやらJOLY'Sはつぶれたようだった。
今、あの店長はどうしてるんやろう。ちょっと悲しくなった。

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