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4  新世代に求められる建設コンサルタントの資質



建設業界の新世代は、あらゆるシステムの再構築から始まるものと確信している。
とりわけ、建設コンサルタント業界においては、個人の資質、技術、能力を最優先とする企業システムが構築されるものと思う。
また、新世紀における建設コンサルタントは、地域社会に密着した社会資本整備への貢献に重点が移るものと考える。
より良い仕事をするために、あらたな資質や素養が求められる所以である。

  ここでは、建設業界の21世紀像にも重なる、新世代に求められる建設コンサルタントの資質に関して提案する。
すなわち、新世代において輝かしい成果をあげるためには、以下の
3点を実践することにより自己を
ブラッシュアップし、資質の向上を図る必要がある。実践に際しては強烈な自己意識の変革が求められるであろう。

@地域社会への参加

住民の民意にかなった社会資本整備を達成するためには、自ら所属する地域社会に参加し、防災活動、
ボランティア等を通じて地域社会に溶け込むことが必要である。住民の立場のもと、ローカルな視点で
社会基盤施設との接点を眺める機会が生じる。

A異文化への接触

 国内外の異文化(言語、歴史、ライフスタイル等)への接触を通じて、他者を理解することにより、
グローバルな視点を身に付けることが可能となる。土木技術者に文化人的及び国際人的素養の求められる日はそう遠くない。

B積極的な休息

コンサルタントの価値は鋭気にあふれ、英知に富んだコンディションでの意思決定に見出される。
このためには、野外活動、スポーツ等の積極的な休息を効果的に取り込む必要がある。
フレックス制度の導入や長期休暇(バカンス)の取得が望まれる。

以上の内容は自己啓発的な行動とも受け止められるが、個人に求められる資質という側面から、
21世紀における建設コンサルタントの将来像について述べたものである。業界の再構築の方法として、
法律や発注制度、企業システムの見直し等も一方では必要であるが、地域社会と一体化するためには、
技術者個人の意識改革が最も肝要であると考えるためである。また、輝かしい建設コンサルタント業界の未来を夢見つつ、
日常の自己のライフスタイルへの自戒の意味も込めて、提案させて頂いた次第である。



                                
作者       林 健 二


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