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2  我が家の生き物


私はものごころついた時から、生き物の大好きな子供でした。といっても、犬や猫等の大きな動物は結構苦手で、虫や魚等の小生物が観察の対象でした。昭和40年代の当時は、大阪市内の近所でも、昆虫は数多く採れましたし、カエルやカブトエビなんかもたくさんいました。コオロギやエビガニの観察絵日記を書いて、小学生のコンクールで表彰されたこともありました。親父が作ってくれた超特大の虫かごに、何でもかんでも、手に入れた昆虫を放り込んで、無茶苦茶な飼育をしていたと、今、想います。私の旧き良き時代です。

 さて、話は変わって、平成になり、私も一家の主となりました。妻子のためにと、緑多い奈良の田舎に転居して、はや3年が経過しております。家族のためとは申していますが、実は私自身が、旧き良き時代に味わった、生き物との係わりに思いをはせていたのが、正直なところであります。いろいろな工夫をして、生き物をおびき寄せては、飽きもせず、ながめたりつついたり、遊んでいます。でも、決して捕獲はしないことに決めています。

 それでは、我が家を訪ねてきた、また、住みついている生き物たちのエピソードをご紹介しましょう。

<カマキリ>

 ある冬、家の壁にかまきりが卵を産みました。週末ごとに観察していましたが、5月のある晴れた日の朝、卵が割れていることに気づき、周辺を大捜索しました。あちこちに5mmほどのカマキリの赤ちゃんがいました。例外的に10匹ほど、捕獲して、家族で10日間ほど育ててみました。昔、机の引出しの中で卵が孵化して、部屋中、かまきりだらけになって母に叱られたことを思い出しました。

<スズメバチ>

 1匹のスズメバチが倉庫の天井に巣を作りました。まだ小さいものでしたが、怖かったので、市役所に電話すると、駆除してくれました。スズメバチの場合は無料とのことでした。

<カタツムリ>

 カタツムリは風流ですので大切にします。干からびそうな場合、安全な場所に避難させます。カタツムリの赤ちゃんはとても小さくてかわいいです。ナメクジは害虫ですので、化学の力を利用して、撃退します。

<トカゲ>

 キョロちゃんと呼んでます。時々、バッタやカマキリをねらっています。いつも同じところにいるので、すぐに見つかっていたのですが、寒くなると姿を消します。暖かくなって姿を見せるとなぜかほっとします。最近はキョロちゃんと瓜二つの2世があちこちで、きょろきょろしています。

<カエル>

 プランターを土に埋めた池にメダカを飼っているのですが、近くに池もないのに、いつのまにかカエルが住みついていました。結構大きくて、10cm以上あります。おかげでメダカの数が減ってしまいました。2回、100m以上はなれた空き地に離隔したのですが、いつのまにか戻ってきています。不思議です。

<スズムシ>

 ある夏、ペットショップで購入したスズムシを十数匹、放し飼いにしました。風流な音色が聞けるものと期待していたのですが、3日と経たずに、音色は消えてしまいました。促成飼育のスズムシだったので、環境になじめなかったのでしょうか。決して人工的に持ち込まず自然発生を待つ、というビオトープの鉄則を怠った一例でした。

<サギ>

 すぐ近くに、白サギの群生地があります。よく部屋から双眼鏡で観察しますが、100匹程度はいるようです。毎年、お盆の頃にいなくなりますが、年によっては9月中旬ぐらいまで、いついています。結構、声がうるさいです。

我が家の生き物一覧(まとめ)

○昆虫
カマキリ、バッタ、キリギリス、マツムシ、カミキリムシ、コガネムシ、カメムシ、テントウムシ、蝉、蝶、蛾、蚊、トンボ、糸トンボ、蜂、蟻、毛虫
※スズムシ(外からの持込)

○水辺の生き物
ヤゴ、カエル
※メダカ、ザリガニ、沼エビ、貝、ヤドカリ(外からの持込)

○鳥
すずめ、つばめ、小鳥、烏、さぎ

○その他
トカゲ、ヤモリ、カタツムリ、ナメクジ、ムカデ、ゲジゲジ、クモ、ミミズ、ダンゴ虫


                                
作者       林 健 二


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