佐々木俊尚『次世代ウェブ』光文社新書


 『グーグルGoogle−既存のビジネスを破壊する』が20064月であったから、一年も過ぎないうちに次世代ウェブの議論になっている。本書はまさにnextの議論なのだ。

 NHKの特集番組で、グーグルを紹介していたのを見た人は多いに違いない。そこでは検索エンジンが支配していく未来が示されている。また各企業もいかに検索結果の上位に位置するかで業績アップにつながるかで競っている模様が紹介された。そしてこれは危険だと思ったのが、検索結果が独自のグーグルルールで成り立っているということで、ある日突然上位の検索から下位に転落するかもしれないということだと悟った人も多いに違いない。販売実績を左右する検索順位をグーグルに握られているということで、これでは危なくってしかたがない。

 本書では、それはweb2.0ではGoogle様とAmazon様が支配している中での小作人になってしまうという表現を使っている。利益率が低いのにやらなきゃ乗りおくれると不毛なサービス競争にボロボロになってしまう。なのにGoogle様はちゃっかり儲かるシステムになっているというのはおもしろい。小作人を脱して、自ら地主を目指そうという。

 梅田望夫『ウェブ進化論』の書評でも書いておいたように、ウェブの進化の意味は、新しい経済圏をめざすということであって、けっしてインターネットが当初持っていたような、学問研究に供するというような発想ではない。それはそれでまた別様にあるということであって、あくまで利益を生み出す方向に議論がすすめられる。

 著者は収入のポイントは『マッチング広告』だと言っている。リアル経済の中に無料広告として取り込むこころみにおおきな鉱脈があると言っている。そのときのポイントはアテンション(注目)でるという。あらゆるコンテンツのあつまるweb2.0のなかで注目されることが、つなぎとめておく根拠なのだという。利益は副次的なものと考えることだという。

 「このアテンションエコノミーで巨額の利益を得られるのはアテンションというプラットフォームを提供している運営企業だけである」

 つまりは、小作人たち非プラットフォームネット企業は収益を上げることは難しいということである。

 ゆえに、皆がみな自前のプラットフォームを目指すのだが、それがSNSなのかグーグルアフェリエイトのようなものなのかはわからないという。キーポイントはリスペクト(信頼)だといっている。

 「宣伝広告のためだけに依存する個人ブログは拒否されやすい」と述べるように、あまりに宣伝広告が前面に出てくると安っぽくなって信頼を失いやすいということだ。

 広告くさくない広告なんてあるのだろうか?

 原理的なことばで述べるなら、それは自分しかこのホームページなりブログなりを評価する人はいないだろうと思わせることだと言える。