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Manga-Life!

黄金のラフ
作者:なかいま強

連載:ビッグコミック(小学館)

単行本:1〜9(3/05/07現在)

 一言で云うなら『痛快ゴルフマンガ』
 既存のゴルフマンガの大半は、スタンダードに主人公が難コースを如何に攻略していくかだったり、スペシャルな技術(才能)を持った主人公が、これまたスペシャルなライバルと戦いを繰り広げるものだったりするわけだが、なかいま強の手にかかれば、ゴルフマンガもお笑いアリ、熱血アリのコメディと化す。

 まず主人公たちが他のゴルフマンガとは毛色が違う。
 全ホールバーディを狙う、ドのつくバカだが体力だけは一級品の藤本草太。
 農家出身で気が弱く、いつも強気で打ちにいけずにショート、ショートだが、地の利を読むことに関しては比類なき才能を発揮する太子治。
 小学生の頃からスイングの理論は完璧だが、体格に恵まれず自らの理論を実践できない谷田部光一。
 賞金も稼げず、ランキングからも落ちて試合にも出れないどん底の3人が、頂上へ駆け上がるためにチーム『きりたんぽ』を結成する。

 プロゴルフの世界の、泥臭い、汗臭い部分をコミカルに描けるのはひとえに作者の力量。
 そんな『底辺ゴルファー』の世界をしっかり描けているからこそ、3人がチームを組み、太子、谷田部の二人が己のプロゴルファーとしての道を捨ててまで草太に夢を託して頑張ろうとする様に緊張感がみなぎるのだ。

 肝心のゴルフの内容はと云えば、相次ぐトラブルからのミラクルショットでの脱出ってパターンが多いのですが、そのショットのひとつひとつがまた魅せてくれる内容ばかり。
 単に完璧なライン読みだとか風の読み、狂いのないショットってだけでなく、左打ちや倒れながらのショット、武器のひとつである強力なバックスピンを利用したバンカー脱出などなど、どれもが『うそくせ〜』と思わせながらも『よっしゃー』と受け入れてしまえるテンポのよさ。
 また、壮絶な嫌がらせ合戦や陰湿な妨害工作、精神戦といった面もコミカルに描かれており、終始笑いが絶えません。

<03/05/08>

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