今 境内には およそ20羽のにわとりが自由に暮らしています。鶏は集団で行動し それぞれのグループに別れています。
この集団は ここで生まれたものがほとんどで 常に最強グループの地位を確保しています。
今現在 他のグループは ほとんど絶滅してしまいました。
これは「鵜こっけい」といわれる種類の鶏ですが
新参者で、数週間のうちに消えてしまいました。
新参者とは つまり ほとんどが 捨て鶏で、
消えるということは 狸 テンなどの 豪華ディナーに
なってしまったとうという意味なのです。
高い木の上で 眠ります。狸 野犬から身を守るためですが、
テンは木に登ることができます。
そこで、できるだけ 枝先まで行って場所
をとるのです。
すごい知恵ですね。
優雅にのんびり暮らしているようですが、自然の中で
生き延びるのは 結構大変なのです。
見るからに強そうでしょ さあ、コケッコッコー なかなかに美しい 天然記念物の「東天紅」は檻の中

やむを得ない事情で 鶏を捨てに来る人は 
ここにくれば 仲間もたくさんいるし 餌ももらえるから シアワセだろうと 
勝手なことを考えるようですが、長く生きて 数週間 短ければ 翌日には 
とても 怖い思いをした挙句 他の野生動物の犠牲になってしまうのです。
集団で行動するのは まとまっていれば襲われにくいからです。
けれど 鶏は あいにく それほど 心の広い生き物ではありませんから、
新しく来たものを 簡単に仲間には入れません。
それは それは 酷いいじめを繰り返します。
酷いいじめにあって 羽根もぬけおち血まみれになった上 ストレス性の下痢をして 
やせこけた鶏をどんなにたくさん見てきたことでしょう。
やがて 先住者追われ追われて 危険な場所へと追いやられ 
みじめな最期を迎えることになるのです。
 ― 常に危険と隣り合わせの中で 自由に 明るく暮らす 鶏たち ―