メソトプス・レギウス

私の所有している個体は、さほど注目されていない時期に、偶然にもWD個体を得ることが出来た所からのスタートになります。当時はまだブームになっていない頃で、タランドスの幼虫がやっとオークションに出始めた頃です。
 
多少の入荷のずれはありましたが、3♂2♀がアフリカから我がブリードルームにやってきました。その内1♂は死着でした。検品も兼ねてしげしげと眺めているときに、「おや?」と思い裏返して見ると、1ペアは非常に赤味が強い個体でもう1ペアは真っ黒な個体でした。しかし、不思議に思ったのはそこまでで、それからは特に気にしていませんと言うより、すっかりそのことも忘れていました。
 
この2メスは約1年近く、少数の産卵を繰り返してやっと20頭以上の個体が羽化してきました。WD個体と言うこともあり、タランドスが出てくるとまずいので、形を見るまでは一切の販売はせずに、全ての個体を抱え込んでいましたが、その心配も無用の事でした。全て非常に大歯が長く、真っ直ぐな個体ばかりで、♂♀共に全体のシルエットもタランドスと比較すると明らかにスリムで、綺麗なレギウスでした。
 
これだけでも十分な結果でしたが、その中に羽化後、何ヶ月経っても赤味が抜けない個体が数頭いました。ラベルを見るとあの赤いペアからの子供達でした。
 
   
これが通称「赤レギ」と呼んでいるF1個体です。特に前胸板から足にかけて、ワインレッドが非常に綺麗に出ている個体です。この時で既に羽化から3ヶ月以上経過しており、バイブも活発でもちろん後食済みの状態です。この個体は1年6ヶ月生存しており、たくさんの子孫も残してくれました。
もちろん、★になってからでも赤味はそのままでした。
お腹も真っ赤です。
レギウスの赤い個体の標本を雑誌で見たことはありますが、活き虫で見るのは初めてです。この色でエサをバリバリ食べて、バイブをするのを見ていると何となく、違和感も感じてしまいます。f(^ー^;
しかし、初めは非常に悩んでしまいました。当時はレギウス自体の個体数もさほど多くいない中で、他のブリーダーさんが持っているレギウスはどんな色なんだろう????  目の前の個体は誰が見ても赤い個体だし、標本でもあるくらいだから、結構、普通に出てくるかもしれない? ん〜〜〜?判らない・・・。ビッターズでも見たことも無いし・・・。
試しにビッターズに幼虫ペアを出品して、世に問うて見ようと、たくさん存在する個体なら続いて出品してくれる方もいるかも知れない。結果は、それ以降も見かける事は無くどうやら、少ない個体かも知れないと思われました
これは黒系の個体ですが、大歯の形は申し分なく、全体のフォルムもタランドスに比べて非常にスリムです。
この系統を使ったアウトブリードでも、ちゃんと赤の♂が羽化しています
新しい写真が多くて申し訳ないのですが、これが今年羽化してきた個体です。既にこの子達もバイブを始めており、そろそろ06年のブリードもスタートします。ちなみにこの系統の親もまだ健在で産卵中です。
ここまで読んで頂ければ判ると思いますが、私の血統には他の血統は一切入れていません。黒系と赤系の両方をインブリードとアウトブリードで累代しながら、出来るだけ障害がでない様にしています。この2系統はメスですらスリムですので今後も、基本的にはこの2系統以外の血を入れるつもりはありません。
最近、私の友人らのレギウスも続々羽化してきていますが、「タランドスよりは大歯はストレートなんだけど、太くて短い」所有者ですら「これってレギウス?」と言うような個体が見受けられます。入手経路を聞いてみますと決して、ややこしい虫を売る所でもないし・・・?個体差なのか?産地による差?かどうかは判りませんが、そんな個体の写真もアップしていく予定です。
さて、レギウスはタランドスは同物異名とされており要するに同じ虫と言うことになるようで、せいぜいタランドス型又はレギウス型程度に区別?されるようある。しかしコンゴ産のタランドスからレギウスが出てきたと言う事は聞いたことがないし、私の場合、今の所はレギウスからはレギウスしか出てきていない。 しかし、実際に2つの形が存在するのは事実だし、そうなるとその中間型が有ってもいいように思うのは私だけでしょうか?ただ、それをタランドス型と呼ぶかレギウス型と呼ぶか?どうしても2つに区別しなければならないとしたら、どの程度の湾曲がタランドス型で、どの程度真っ直ぐになればレギウス型なのか、非常に曖昧で、現在の混乱のもとにもなっているように思えてなりません。
そのうちに、「極太、短歯やや湾曲型のレギウス」なんてのも登場しそうですが、そうなると後は個人の好みの問題となってしまうのでしょうか? 
さて、この2頭の個体をどう思いますか?
答えはどちらもレギウスです。ちゃんとしたショップから友人が購入したペアからの子達です。多少のサイズの違いは有りますが、個人的には首を傾げてしまいます。この個体をみて兄弟と思う人は少ないでしょう。正直私もそうです。
これは右の個体の拡大です。これは問題なくレギウスだと思いますし、そう見えます。出来ればもう少し大歯が長いと言うことなしです。
左の個体です。歯は少し短く、湾曲も強めです。ただ、タランドスほどの湾曲はなく、判別に困ってしまう個体です。
短歯型とでも表現したら良いのでしょうか?
個人的な見解ですが、おそらくこの系統は大きなサイズを羽化させれば大歯は伸びてくるのだと思われます。これはこれでレギウスです。ただ、私ならこの系統を残すかどうか悩んでしまいます。残した場合は売りには出すことはないと思います。
私の場合は、自信のない個体は売らない主義なんで・・・。f(^ー^;
今年の羽化結果が出ましたので、お知らせします。
赤レギ インライン(♂♀共に赤)
  ♂56mm〜77mm 
  ♀42mm〜49mm
ほとんどの♂は、赤い個体ですが、ごく僅かに黒い個体も出ています。メスも赤味が強く個体によっては腹はもちろんのこと、羽も赤味が残る個体もあり、さすがはインラインと言えます。
赤レギ アウトライン(♂赤×♀黒)
  ♂55mm〜73mm
  ♀43mm〜47mm
♂♀共に50%程度はインラインと変わらない個体が羽化しています。確立は悪いものの今後のブリード次第では、更に確立はアップするでしょう。
この血統は、初めは偶発的な物でしたが、幸いにも毎回の累代で、赤い個体を羽化させることが出来ています。固定?と言いきるにはまだまだだと思いますし、確立はこの程度でしょうが、赤色は毎回濃くなっています。さて、どこまで赤くなるのやら・・・。(*^^)v
ps:赤系からでた黒の♂♀を使ってのブリードはまだデーターがありませんので、なんとも言えませんが、遺伝子的には、その素質はあると思いますので、赤系の個体もきたい出来ると思います。
左がタラドス、右がレギウスです。体のサイズは、ほとんど変わらない(むしろタランドスの状がやや小さい)のですが、明らかにレギウスの方が細いです。これも多分血統によるものも有ると思いますが、私の血統は全てこの様なバランスのレギウスです。
3月中頃からやっとコンスタントに産卵してくれるようになりました。以前に幼虫をお譲りした方からは、赤レギの羽化報告も届いてきました。友人からは80mm近い個体の羽化報告も入っております。そのどれもがこの血統を引き継いだ綺麗な個体ばかりです。
私の個人的な思い入れもありますが、
@:大歯がストレート
A:大歯が長い
B:体が細い(♂♀とも)
C:赤なら更にGOOD!!
この条件が整えば申し分は無いと思います。
この条件の中では、C番はおまけみたいな物で、基本的には@〜B番が非常に重要です。色が赤であろうが黒であろうが、基本的な形が整っていれば、綺麗な個体はやっぱり綺麗ですね。 (*^^)v
 
まだ、幼虫なので画像はありませんが、いい結果が出ましたらアップします。
 
赤レギの進化型・・・
ホワイトアイ♂×赤レギ♀
    ↓
 WB赤レギ♀
このWB個体は、♂♀は共に赤レギの血を色濃く受け継いでいて、赤味が強い!!
 
ホワイトアイ♂×WB赤レギ♀
    ↓
50%の確率でホワイトアイ個体が羽化
または、WB×WBで25%のホワイトアイとなるはず・・・。こちらの方が赤レギの血が濃くなるので、目標には近い気がします。
 
さてさて、この中から何頭のホワイトアイの赤レギが羽化してくれるか・・・。本当に羽化してくるのか・・・。この2年間の取り組みがここで成功となるか?はたまた、さらなる挑戦が続くのか?
 
結果は2009年12月頃かな?
 
・・・途中経過報告・・・2010年2月現在
 
ホワイトアイの赤レギかな?って個体がが何頭か羽化してきましたが、まだ羽化からさほど日にちが経っていませんので、黒くならないで欲しいと祈る毎日です・・・。(^_^)v
 
質問:赤レギって目も赤いのですか?
 
答え:ハイ、赤い個体が多いです。
 
最近、質問が多いので写真も貼っておきます。体も赤くて目も赤い・・・。個人的にこれってあんまりは面白くないんです。インパクトも全くありませんしね。ですから特に宣伝もしたことはありません。
 
だって、体が赤いと目が目立たないでしょ、この赤目が生きてくるのは、真っ黒なボディにこの赤目がともなった時だと思います。
もし、こんな個体が出たときは大いに宣伝させていただきます。(^_^)v
2010年度の赤レギの羽化が始まりました。私が初めて赤レギを紹介してから、もう4年以上になります。
当時はレギウスすら珍しい頃でしたので、誰も赤レギは販売していませんでしたが、その後のワイルドの入荷やお譲りした方がブリードして出品して頂いたおかげで、結構メジャーなものになりました。
 ビッターズにも赤レギが多く出品されており、私が見ても綺麗な個体を作出されているブリーダーさんもおられる中で、いまだに「赤レギはクルビ@奈良さんがパイオニアだから・・・」と言って頂けるお客様もおられる事には本当に感謝いたします。
 
写真は年末に羽化した個体です。サイズ(実は大きな個体を羽化させるのは苦手・・・。)は別にして、色はちゃんと出ています。幼虫の時は全く実感がないのですが、羽化してくると「また今年もこの子達に会えた」と嬉しくなってきます。
 
<お知らせ>
ご予約頂いているお客様は、今しばらくお待ち下さい。親種の確保と色の具合を見てからの発送となりますので、なにとぞご理解下さい。
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