【愛知県】 常滑フレイムビール
◇ブルーポート(愛知県常滑市鯉江本町6-13-11)
(TEL 0569-36-0464 FAX 0569-36-0463 )
飲んでみました(99年11月) |
常滑フレイムビールのある常滑市は、朱泥の急須などで有名な常滑焼のふるさと。ただ、常滑焼は備前焼や有田焼などと比べる知名度はいまひとつかも。ところがどうして、常滑焼は日本六古窯の一つに数えられ、その中でも最も古く大規模で、千年も前から壺や瓶が作られてきたという伝統工芸なのです。
明治時代に入って、常滑では硫酸瓶や土管といった、産業の一翼を担う製品も次々と生産するようになりました。
そんな常滑の歴史が偲ばれるのが、常滑陶磁器会館をスタート地点とした「やきもの散策道」。丘陵地帯の山肌にうねうねと続く細い散策道で、その両側に建つ黒い板壁の建物とレンガの煙突が工房の証拠。時代がかって無人のように思える建物でも、窓にさり気なく商品が並べてあったりして、今でも 現役だということが分かります。中には朽ち果て、崩れた窯跡もありますが、それが、あたかも雰囲気を出すための演出かと思えるほどしっくりして見えるから不思議。
そして散策道の中でもっとも目を引き、しかも焼物の町を印象づける場所が「土管坂」。土管や焼酎瓶で埋め尽くされた坂道で、風情があるうえに意匠的にも美しく、昔の人のデザイン感覚に驚きを感じずにはいられません。またほんの二十数年前まで使用されていて、現在は国の文化財に指定されている登窯もあり、なんとも味わい深いコースです。
ゆっくり歩いても60分ほどで散策できるので、是非立ち寄ってみてください。
さて、常滑探訪でもう一ケ所おすすめなのが、INAX(トイレタリーで有名な)の世界のタイル博物館。
その名のとおり、古くはエジプトから出土したものから近代のものまで、広く世界の各地で収集されたタイルが展示してあります。タイルといえば壁や床など広い面積をうめるためのものだけに、普段は見過ごしてしまいがち。しかし、一個一個をよく見れば、芸術品といっても過言でないほど美しいものばかり。タイルの美しさに開眼してしまう場所となっています。
博物館の隣には資料館があり、昔、土管を焼いていたという窯に入ることができます。内部は蒲鉾型で、壁のレンガは表面が融けて固まった釉薬のためにあめ色に輝き、炎の威力が実感できます。
また、この資料館のユニークなところは、昔の便器も展示してあるところ。便器といっても、ばかにしてはいけません。昔お殿様が使用していた便器(これは複製でしたが)や、美しい絵付けがなされた便器など、そこらでお目にかかれるようなものではありません。こちらもぜひ立ち寄ってみてください。
博物館、資料館共通で入場料500円、駐車場も完備。
さてさて、いよいよビールにとりかかりましょう。このブルワリーレストラン・ブルーポートは、常滑駅北口を出てすぐの場所にあり、レンガの煙突と壁のテラコッタが常滑らしさを演出。内部も黄と緑が基調のインテリアのおしゃれな建物です。また、アメリカ生まれのビールタンクには常滑ビールのエンブレムが貼られているのですが、こちらも常滑の象徴、レンガの煙突が意匠になっていて、この煙突に対する常滑市民の愛着が感じられて嬉しくなってしまいます。
レストランのメニューは、フライドポテトやソーセージ、唐揚など400円〜690円、カレー、ピザ、パスタなど880円〜1000円、ランチ1000円など。ディナータイムにはシェフのおすすめメニューやディナーセットなどが加わって650円〜2000円。器もカラフルでおしゃれ。
ビールの方は軽くて甘くちのライトラガー、泡がとってもマイルドでホップがきいたペールエール、ローストの香りのモルティスタウト、フルーティーなイングリッシュマイルドエール、各グラス450円、ピッチャー1800円。3種のお試しセット480円。さらに、お試しセットと同じ大きさのミニグラス180円です。
レジカウンター横に、常滑焼のビアマグが展示販売されています。いかにもマイルドな泡が期待できそうなビアマグで、のんべえの常滑土産にはぴったりかも知れません。