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昭和60年、99歳でこの世を去るまで「海神丸」、「真知子」、「迷路」など数多くの文学作品を残した作家、野上弥生子は臼杵城下の造り酒屋の家に生まれました。平成元年、昭和23年から住んでいた東京成城の家を野上弥生子の故郷、臼杵に移築再生しました。
建物は昭和4年に造られたもので、その内部は狭さを感じさせずに、落ち着きの中で眺望が楽しめる工夫がなされ、魅力をたたえた部屋でした。ロトンダと呼ばれる四畳半程の丸みをもった小室は、鳥にたとえれば頭部のように美しく配置されていました。
風光明媚な眺望をもった臼杵湾をバックに建つ姿には凛々しさがあり、浜辺に立って羽根を休めている鳥の姿が想像されます。門扉はそのまま移し、移築再生した後も現役で住宅として快適に住まわれています。
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