京都、大阪、奈良の三府県にまたがる京阪奈丘陵に関西文化学術研究都市があります。敷地はその平城ニュータウン内の京都府精華町に位置し街として学研都市として、これから環境も徐々に整ってくるという可能性を秘めた新しい住宅地です。

 敷地周りの塀や棚などを一切意識させずに開放的にし、周辺をひとつの空間として捉えたものにしました。天体を始め、鳥、昆虫、植物などの生き物を観察したり育てたり、研究していく上で、これらライフワークの手助けとなれるような環境と住宅になるよう配慮しました。

 建物自体も、居間の開口を大きくとり、梁や柱などの構造を現し、町家の持つおおらかな構造美の中にも、繊細さを空間の中に表現することに努めました。また、高齢化に備えて、主要居室間の段差はすべてなくし、安全に暮らせるものとしました。