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【投稿の見本として……】 No.1
2008/04/30 (水) 00:50  

【投稿の見本として……】1992年9月初出

 「二〇XX年の一日」

(昔の富士通コンテスト用の作品に若干手を入れたもの)

 今日は衛星に住む友人から、誕生日のお祝いのメッセージを受けた。
 即席CGでぼくの似アニメを作って、生まれてから今までの出来事を面白おかしくまとめてくれていた。最後の「つづく」の文字がしゃれていた。
 まだ直接会ったことがないなんて信じられないくらい、まるで隣の遊び友達か兄弟のように、ぼくの家族のことから何までよく知っていた。姉きも驚いていた。
 でもそれも不思議なことじゃない。彼とは、電話代が無料になったころからの映通相手なんだから。
 メールもない昔は「文通」と言って、隣の国との間の文書のやりとりさえ片道何日もかかっていたらしい。
 出まわりだしたポケットカラーテレビ電話のフリーチャンネルを通してたまたま知り合ったのが彼だった。ぼくらははしりだった。ぼくのアイデアで、そのポケカラを2本使って、お互いの暮らしを見せ合うことにした。
 午前中は、ぼくがステレオカメラとマイク付きのメガネをしてすごした。夜には逆に、彼が同じようなメガネをしてすごし、送られてきた画像を左右の目に見て、イヤホンを両耳にして互いの生活を体験した。まるでぼくが彼になった気分だった。バーチャル・リアリティー(仮想現実感)じゃなくてリアル・バーチャルかな。地球の裏側にいる同士だから、お互いに寝る前の楽しみにちょうどよかった。おまけに、困った時にはその場でアドバイスしあえたし。
 でも去年、彼が家族で衛星に移り住んでしまってそれもできなくなってしまった。

 「やっぱり、地球はいいな。」とその友だちは言ってた。
 彼のいる衛星は、地球人が初めて地球外で暮らす試験的なものだから二十家族くらいしか住んでいない。それなのに、空気や水の浄化と気温の調整も大変らしい。エネルギーもずいぶん使うし満足な食糧も作れなくて、当分は地球からの助けが欠かせないらしい。
 そう考えると、地球って大切なんだなとぼくも思う。
 昔は大量に発行されていた新聞や雑誌も、今は数枚のシートになっていて、内容が必要なものに書き換えられるようになった。生活道具も寿命長く作られ、ムダや危険がないように考えられたものばかり。
 また、環境破壊の最たるものだった戦争を二度と起こさないように、最新の研究の成果も体験者の記憶も、必要な情報を細大漏らさず通信網にのせて学習に使うようになった。
 このような一歩一歩の積み重ねで地球はまだぼくらを守り続けてくれるだろうか。
 いま世界に住む子供たちと、未来の子供たちのために、できることは何でもしなければいけないと、ぼくは今日の十歳の誕生日に強く思った。

/ 2000年



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