二人の間のAir

 

 

 

◆◇◆1

 会ったときから、彼の様子は少し変だった。
 皮肉気な笑顔もからかい口調もほとんど見せずに、探るようにアリスを注視したかと思うと、スイッチで切り替えるように沈黙の海に沈んでしまったりもする。
 奇妙なアンバランスさが言葉の端々から覗いているのに、アリスは気付いた。
 そして、火村は唐突に口火を切った。
「アリス、泣くの下手だろ」
「……に、言って…」
「苦手だよな、お前も」
 頬杖をついたまま補足されて、カクリと力が抜けてしまう。
 妙に断言したと思ったら、そこに掛かってくるらしい……要するに、彼も。
「そんなん、別に得意じゃなくてもええんとちゃうか? 女の子でもあるまいし」
「そりゃあな。でも下手よりは上手な方が人生円滑に廻る局面もあるだろう」
「そんな局面、人生にそうそうないって」
 というよりあったら困る。アリスは殊更軽い口調でそう応えた。
 しかし、火村はその言葉では納得出来ないのか、更に言葉を重ねる。
「じゃあ、損をしたとは? 男とか女とか、大人とか子供とかそういった枠を外しても、考えはしなかったってのか?」
 キャメルを口元に運び、直ぐにまた灰皿へと送る。単調な動作の中に、まだなにかが潜んでいるようで、アリスは目が離せない。
 中途半端に閉められたカーテンの隙間の暗い窓に映った彼の、いつもよりハイペースな、その仕種。
「思わない。君、酔うてんのか?」
 アルコールを取っている時の彼は、妙に発言が可愛くなったり、また気障になったり、かというとまるでそうと判らない酔い方をしたりする。
 今日はまだこの部屋に来てからコーヒーすら出されてはいないが、もしや、とアリスは火村の口元へと鼻を寄せた。
「飲んじゃいないさ」
 馬鹿アリス、という台詞は一瞬後、唇の中に直接注がれる。
 初めてでもないのに、それでも反射的に息をするのも忘れて仰け反った所を、狙いすました2回目が追い掛けて来た。
 口角から始まって、焦らすようなスローテンポの……じんわりと染み渡る、キス。
 ふ、と離れてから、二人の間に他人を見るような探り合う視線が行き交う。
 先に口を開いたのは、結局アリスの方だった。
「……なんで?」
「何がだ?」
 漠然とした疑問と、境界画定不可能な、切り返し。…判らないからこその問いと、判っていての問い。
 アリスは、ムキにならないよう心掛けると、言葉を選び直して問い直した。
「どうして。俺にキスするのに、君が緊張したんか、聞いてるんやけど?」
 食い下がって来る語調も、僅かにペースの早い動作も、そこへ辿り着くようで。
 火村の表情は困惑からもう少し微妙なものへと変化して、そのまますっとポーカーフェイスの後ろへと身を潜めてしまった。
「判らないか?」
「判ってほしいなら、言葉にするべきやろ」
「一理あるな。けどそう難しい話じゃない」
「なら、聞かせてもらおか」
「……アリス」
 呼びかけに続く言葉を待っていたら、それはそのまま立ち消えてしまった。
 表情を消し去ったままの火村は、掌を口許に当てたまま固まっている。どこを見ているのか、何を考えているのか、読めない瞳。
「……なんや?」
 促しにも、彼は反応を返さない。次第にアリスも苛立って来る。
 酔っていないのは判る……先刻のキスで、判らされた……が、この不安定さはどうしたものか…?
 妙に絡んで来るかと思えば、途端に周りを遮断してしまう。不意に顔を覗かせる、火村英生の中の、酷くナイーブな一面。
 こうなってしまうと、アリスはまるで自分が不必要な…否、もっとはっきり不要な存在であるようで、居たたまれなくなる。
 傍にいて、良いかなんて。
 そんな問い自体、自分の為の言葉でしかないから、アリスはそれは決して口に出せない。出す訳にはいかない。今みたいな時は、特に。
「……帰る」
 立ち上がって宣言しても、火村は動こうとはしなかった。その上視線すら上げない。
 その態度に惑わされないよう、心の中でゆっくり十を数えた。衝動だけで、行動しない為に。
 自分に彼が必要なだけでなく、彼に自分が必要だと信じる為にも。
「火村」
 手を伸ばし、彼の胸ぐらを掴むとアリスは噛みつくように、キスをぶつける……二人の視線は再び交わりを見せる。微かに表情に驚きを浮かべた火村を、アリスはきっと睨みつけた。
「お前が何考えてるか、判れへん。それと、今ちょっと怒ってるけど……でも。呼んだら、いつでも来るから、俺」
 だから呼べ、と。念を押して、しかし返事は待ちはせずにアリスはその場を離れた。
 火村の傍から、離れた。
 唇と指先に残った熱が、ほんの少し切ない。
 泣かないアリスと泣けない火村の、どちらにも必要なのは、恐らく…時間。
 人生のそんな局面については前言撤回、と心の中で呟くともう少し切なさは増したけれど、精一杯の虚勢で気付かないふりをする。
 足早に歩く姿を、ぼんやりとした月が追っていた。

 

 

◆◇◆2

 深夜。
 アリスを追い掛けて来た月も、いつしか静かにその姿を隠し、天候は一時毎に変化して、陰鬱な空が残される。
 昨日のニュースでは、台風は大阪を避けて愛知を直撃と言っていたのに、現実はやはり予報を裏切ってしまった。
 まるで、アリスの心境を体現したかのように。
 針路を変更して、急遽大阪の上空を来襲しているこの台風は、今も我が物顔で街を引っ掻き回していた。
 灰色で、無力感が強調されるばかりの、夜。
 斜めに吹きつけて来る風に、窓がギシギシと悲鳴を上げる。いつの間に付いたのか、窓に黒い影で葉っぱが張りついていた。
 強風が、全てを巻き上げて何もかもを地面へと叩きつける。なぎ倒して行く……目に見えるもの、目に見えないもの。
 雨風はマンション自体を揺るがして、アリスの心にも揺さぶりを掛けて来た。
 チカ、チカと。電気は思い出したように時々瞬いて、停電の可能性を静かに示唆している。
 しかし、そんな事すら今のアリスには問題ではなかった。
 暗くなるならなればいい。
 いっそのこと、街中がそうなってしまっても構わない。電話さえ通じるのなら。
 今の自分に行きたい所なんてないのだから。
 いつでも、呼べ。
 そう大きく出た割に、マンションの自分の部屋に辿り着いた頃には、もうアリスはいても立ってもいられない心境になっていた。
 いつだって、彼の態度は余裕を感じさせて、落ち着いていて。
 旋風を巻き起こすのはアリスで、そしてそれを鎮めるのは火村だった。
 けして自分に語る事のない幾つかの事情で、時折アリスを不安に突き落とす事はあっても、フォローを忘れはしない律儀さが彼にはあった。
 今日みたいに、アリスの存在自体をまるでないものとして振る舞ったりはしなかったから。
 普段はなんてことのない顔の見えない距離に戻るだけで、途端に今まで積み上げて来た信頼とか、そこに存在していると思っていた友愛が泡のように手の中から擦り抜けてしまう。
 心が右へ左へと、ふらふら揺らめいて自分の行動の一つ一つに自信が持てない。
 不鮮明な自分。
 不透明な彼。
 こうなった今初めて、アリスは火村の影響力の強さにぞっとする思いだった。
 自分の中のそんなに沢山の物事が、彼の……自分以外の存在を基盤として成り立っているなんて知らなかった。
 有栖川有栖を培っていたものが、自分自身で積み上げたものばかりでなかったら、立ち止まっていいのか歩き出していいのか、どんな小さな判断にも自信が持てない。自信の持てない自分自身を持て余すばかりで。
 アリスはぼんやりと放っていた視線を、窓の外の一番遠くの明かりへと固定する。
 その一点に意識を集中させる余り、眉間に皺が寄ってしまう……かの助教授の時々見せる人相の悪さをからかえないような表情に、多分なっているのだろう。
 けれど、自分の中にある沢山の弱さを放置するよりはましだった。
 恋に溺れた思春期の少女じゃないんだから、とアリスは必死に心を立て直す。
 空元気でも、強がりでしかなくとも。
 こんな時こそ、しっかりと立っていないと二人が二人でいる意味なんてない。二人で作った関係が消えてしまったと思った時に、本当にそれは無くしてしまうものだ。
 無くさない為に、しっかりと。
 直ぐにでも顔が見れて、手を触れて、その体温を知れる距離に舞い戻って行きたい気持ちをねじ伏せて、アリスは窓の外を見つめ続ける。
 出会ってから、それはいつもそこにあった。当たり前のように、そこに彼がいる。
 隣に。直ぐ傍に。
 視線を合わせて、笑い合って。
 時々喧嘩もして口論なんかして。
 そして転機を経て、それでもポジションに変化はなかった。ただ、行き交う眼差しが少し変わった。……二人の間の、空気が。
 キスをしてキスされて。
 抱きしめて、抱きしめられる。
 言葉の出る幕もない、幾つもの夜。
 手離す気はない。
 けれど、鳴らない電話を直視できない自分の弱さが、まだそれを邪魔している。
 窓の向こうの明かりから、いつの間にか視線は暗い窓に映った、自分と彼とを繋ぐ文明の利器へと移ろっていた。
 鏡の代わりの、暗闇の硝子。
 彼との間に存在する、透明のそして不透明の、幾つもの硝子。二人を隔てる、見えない壁。
 窓の外は暗闇のまま、台風の勢力は依然弱まる気配もない。TVをつける気も、ましてやラジオをつける気にもなれなくて。
 結局独り、その場に佇んでいるだけで。
 これも一つの転機となるのだろうか? それとも、日常の一コマへと埋もれるのだろうか?
 街は嵐に包まれている。
 泣けない火村の元にも。泣かないアリスの元にも。
 台風到来。

 

 

◆◇◆3

「悪かった」
 彼の声。
 彼の、思いがけず真っ直ぐな謝罪の言葉を、それに相応しい局面でもないのに向けられたのは、随分久しぶりだと…ぼんやり思った。
 火村からの連絡は、僅か二日や三日では来なかった。秋もすっかり深まり、ブラウン管の中のニュースでは山の紅葉を語り尽くし、気の早いデパートではもうクリスマスバージョンの飾りつけが行われていると言う。
 台風の足跡はすっかり姿を消し、空には穏やかな青色が広がっている。それでいてどこか涼しくなった風がそっと街を通り過ぎて行く。
 アリスが火村と顔を会わさなくても。
 火村がアリスに電話をしなくても。
 何も変わらずに世の中は進んでいっている。
 周りがそれなりに動くと、自らも多少は変われるらしい。少なくともアリスは、あの夜から電話をガラス越しでなく見つめられるようになったし、呼び出し音に飛び上がりもしなくなった。
 いい加減付き合いも長いから、二、三ヶ月会わないのも珍しくはない。
 が、状況が状況だけにこの顔の会わさない期間で、すっかり些細な事に敏感になってしまったような気がする。
 FAX用紙の吐き出されて来る瞬間の緊張だとか、部屋を空ける時の後ろめたいようなどこか後ろ髪を引かれる思いだとか。
 そういった、小さな事柄に。
「すぐ出れるようにするから」
「ええけど…いかにも慌てて出ましたって感じやな」
 室内は雑然とした感じだ。しかし、戸口で足を止めてしまったのは、多分そのせいだけではない。会話が彼の望みかどうかはっきりしなかったのも理由だが、何よりアリス自身がまだ戸惑いの気持ちが強かった事も、ある。
 火村は微苦笑でその台詞を受け止める。
 久々の呼び出しは、まるで何事もなかったかの如くの『事件への同行のお誘い』。アリスは通常を装い彼に従い現場をうろついた……まるで変わらない日常に即して。
 それも、半日で事件が片づかなければ、何かぼろを出してしまっただろう。
 観察眼と言えば警察官、しかも周り中が、である。そそくさと署を辞しつつも、アリスはそっと胸を撫で下ろした。
 二人は黙したまま、英都大学へと帰る……火村がそこから現場へと直行した為、一度研究室へと戻らなければならなかったのだ。
 持ち帰りだな、と幾つかの書類のような物をかき集めながら、火村はそう呟く。現場にいた頃の如才ない社交術はその場で使い切ってしまったのか、アリスに対してそういった物を発揮する気がただ単にないのか、顔に笑顔はない。
 笑ってない時でも、ふとした拍子に見る事が出来た、目元の和みや肩から力の抜ける瞬間も今は身を隠している。緊張感とも違う何かが、まだ肩に乗っかっているかのようで。
「フィールドワークの方は忙しかったんか? 新聞では、それほど目を引く事件はなかったようやけど…?」
 手持ち無沙汰に佇んで、アリスは火村の動きをぼんやりと目で追う。
 嫌味を言う気分でもなければ、からかい口調の『いつもの調子』も出せず、結果、一本調子になった台詞にこっそりと顔を顰める。
「それほどでも」
 どうとでもとれる、簡潔でファジィな返事。
 暫く会わなかったにも関わらず、彼の様子は一見変わらなく見えた。これは彼の得意なポーカーフェイスなのか…。
 果たして彼は泣けただろうか?
 何かを忘れるように、酔えただろうか?
 体の中で収まりのついていなかった何かを、宥めすかせたから自分を『呼んだ』のだと想像はついたとしても。
 どんな確信も持てないまま、来てしまった。
「待たせたな」
 火村の声で、彼が手元を既に整えた事を知る。
「出よう」
 促されるままに、歩き出す。学生の姿もあまり見られなくなった敷地内から、二人は火村のベンツで走り出した。
「帰る…んか。まっすぐ?」
 火村は手探りでキャメルを引っ張り出し、片手をハンドルに当てたままで火をつける……しばらく声は返らなかった。紫煙だけが車内を流れて行く。
 が、答えは間もなく行動で示された。下宿への道筋を外れ、そう遠くない公園の前に火村は愛車を滑り込ませた。
 街灯と街灯の間の、ぽっかりと取り残された暗闇の中、見えるのは、周りの高い塀と人影の消えた公園の風景ばかり。刑事の張り込みにはうってつけの場所だ。
 何をどう考えているのか、その場に待っていてくれと火村は手振りだけで意思表示して、するりと暗闇へと抜け出す。所々の街灯が、公園の中を歩いていく彼の背中を浮かび上がらせる。
 一瞬、止めたくなった。行くな、と。
 どこにも……自分の傍から、いなくならないでほしい、だなんて。自覚していたよりも重症かもしれない。
「ほら」
 戻って来た火村はシートに背を戻しながら、それを手渡す。
「これで我慢してくれ。店に入る気分じゃないんだ」
「ええよ。ありがとう。丁度これが飲みたい気分やった。俺も、ばぁちゃんに顔会わす前にちゃんと話はしたかったから」
 温かい、缶コーヒー。
 よりにもよって、火村が選んで来たのは『ボス7』ときた。『ジョージア』でも、『ワンダ』でもなく。
 CMの『ガツンと言ってくれたまえ』という無言のメッセージというのは出来過ぎだろうが、思いがけず気分が軽くなったのは確かだ。
 明かりをつけないままの車内では、顔を寄せないと表情までは判らない。見えても、判断に困るポーカーフェイスでしかないのかもしれない。
 それでも、表情が見えればいいのに、とアリスは思う。
 缶コーヒーを両手で握りしめたり、右手と左手の間を行き交ったり、二人の間には沈黙が居座っている。
 両手がほんわかと温まった頃、火村は顔を上げた。上げた、ようだった。
「悪かった」
 彼の声。
 降って来た、その声。それに、ようやくからかい調の言葉を返す事が出来る。
「へぇ? それは何に対しての謝罪や?」
「……多分、連絡が遅れた事と、自分だけで手一杯になっちまった事と、お前に何もかもを話してしまえない事、だな」
「横着な奴やな、纏めて一言で謝っとこうなんて…まぁ許したるけど。寛容やな、我ながら」
 最後の方はほとんど独り言に近い。
 それでもまだ、聞けない。だったら、今も俺に指一本触れないその訳は?
 視線を合わせようとしない、その訳は…?
「お前の事は、本当はいつだって……」
 硬い声が一瞬途切れる。
「いつだって、怖いと思ってる」
「こわ…い?」
 アリスは目を見張ってしまう。この男が、よりにもよって自分を捕まえてそういう事を言うとは思いもしなかった。
「……俺が?」
「ああ。お前の前では無様に負けたくはなかったし、自信を持てる自分でいたかった。無くしたくない。必要とされていたかった」
 真っ向から語られるその言葉は、それだけに重みを持ってアリスへと降り注ぐ。
 いつだってはぐらかされた、言葉。
 不意に冷たい拒絶の壁へとぶち当たり、求めても得られなかった言葉。
 いつしか、求めてはいけないと自分に課していた、言葉。
「だから、特にお前に触れる時はいつだって怖かった……気がする。あの時…お前に、どうしてキスするのに緊張したのかって聞かれて、ようやく少し判って来たんだ」
「そんなん、お互い様やのに…同じ、やのに」
 互いに、少しずつ身を寄せた分だけ、近づいた互いの距離。暗闇でも、表情の判る、距離。
 彼は小さく口許だけで笑った。多少いつもの彼らしさが見えて来る。
「かもな。他の誰かなら、俺もそう思ったかもしれない」
 両の手を行き交っていた缶コーヒーをダッシュボードの上にコトンと置く音が響く。
「でもお前以外の誰かに、触れるのが怖いなんて思うのはないと思う。多分俺は、お前に何かあったら、一番堪える…」
 ちゃんと視線が合っているのが、判る。
 そっと唇が寄せられて、項を指が引き寄せた。互いに、まるでぎこちない動きで。
「怒ってたんだろ?」
 そっと唇を放した瞬間に、火村が囁く。笑いを含んだ、からかい口調。
 たった数十日間聞かなかっただけなのに、こんなにも懐かしい。ほっとする暖かさに、アリスも小さく笑って囁き返す。
「怒っとったよ。これからも、なんかあったら怒る」
 小さなキスを間に返して。
「でもやっぱり呼んだら来るから。いつでも。これからも、それは絶対」
「いつだって。言いたいこと言って、躓いてもすぐ歩き出すことばかり考えてる、お前らしい言葉だよ。そういう所に…」
 『救われてる』と、耳元に直接注ぎ込まれる。耳たぶに、キス。
 くすぐったくて、身を捩ろうとするのを、腕が邪魔する。逃げるなと、捕まえる。
「アリス」
「判ってる」
 抱きしめてるのは火村。抱きしめ返すのは、アリス。捕まえたのは、二人。
 変わらず名を呼ばれた事がどれだけ重要か、きっと判りはしないだろうけど。
 大丈夫。まだちゃんと通じてる。繋がってる。一緒に、いれる。
 二人の間には、まだ酸素がある。二人でいれば息が出来る。
 そんな思いがそっと心に灯を入れる。

 

 

『夜の破片』より◆1998.12.15初版◆


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