行ってきました、アラニス・モリセット。 今回は17列目、ほぼ中央、と文句なしの席。

しかし、こうも女性客が中心だとは思ってもいませんでした。 男性客のほとんどがカップルで、彼女に連れて来られた風。 アラニスってデビュー当時ジャニス・ジョプリンがどうのって言われてた くらいだからもっと男性がいるかと思ったのに。 うー居心地悪くて、化粧くさくて、ちょっと後悔。

ステージセットはシンプルな印象。 背景に向き合ったカップルの横顔アップの絵。 ステージ上に吊られた照明の骨組みは変わっていて、ゆがんだW型だった。 ステージ上のピンスポは無し。

バックはドラム、ベース、ギター×2、キーボード。 キーボードはハモンドとロータリースピーカも使用。 (キーボードの兄ちゃんは最初ちょんまげヅラをかぶってて ちょっと引いてしまった)

20分遅れて始まり、一斉に立ち上がる、と、視界が広い! 女性ばっかりだとこういうメリットもあるのか。 いやぁステージ全体がよく見渡せて感動。

しかし客席が静かなこと。 特に私の周り、拍手・手拍子しかしないんだもの。 オーとかヒューとかイエーとか叫んだり、頭の上で手を振ったり 手拍子したりするのがはずかしくなるくらい。

そうそう、それとリズムに合わせて前方の頭が一斉に左右に揺れてる のが新鮮、というかビックリ。

アラニスの踊りというかアクションは呪術的な妖しさバリバリで、 頭回す回す、髪振り乱す振り乱す、そのまま回転する回転する、 「え?何?この人こんな人だったの?」と呆然としかけるくらい。

客席の反応はおおむね新作の方が良かったかなぁ。 あと、メロウな曲の方が拍手は大きかったかもしれない。 私はハードな曲の後はひときわ大きな声援を送ってたんだけど、 「え?何?この人こんな曲もやるの?」って呆然としてる人も いたんじゃなかろうか?

さすがにアラニスの場合、シングアロング度ゼロ。 客席の女性達が普段行ってるライブがそうなのか、 アラニスの歌声に聞き入ってるのかもしれないけど、 やっぱり歌えませんよねぇ、あのメロディーって。

ライブで聞いて歌のうまさにあらためて感動。 ここまでうまかったっけ? 成長著しいというかなんというか。 勢いとか激しさを声で直接的に表すんじゃなくて、 ちゃんと歌として表現できてるというか。 1stの曲の印象がまったく違ってました。 フレーズ終わりでふっと力を抜いて鼻にかかったウラ声 になる歌い方はもうやらないのね。

曲間に3回くらい短い曲をほとんどアカペラでやったんですが、 これが中近東風というかインド風というか民族音楽っぽいやつ。 ここでの歌声もかなり感動ものでした。

それとなんといっても曲。曲がええんですわ。 曲風は、オルタナあり、ダンスビートあり、レディオヘッドあり、 キャロル・キングあり、とバラエティーにとんでいて飽きさせないし。 そのどれにも独特で絶妙なメロディーがのっかってて、 しかもそれをあの圧倒的な歌声で歌っているんですから そりゃもう悪いわけがありません。

ま、最近はハードな曲の割合が下がってきてて不満ですけど。 もっと大騒ぎしたかったなぁ。

バックのお兄ちゃん達もなかなか良くて、スタジオ盤とは違って ハードでガレージっぽいアレンジになってたのはうれしかった。 本人達もやっぱりオルタナちっくな曲の方が得意じゃないのかなぁ。

アンコール前にはアラニス、ステージをぐーるぐる走る走る。 5周くらいしたっけ? そんなことしたら息がきれてアンコールで 歌えないだろが、と心配になったくらい。

結局、アンコール2回もやってくれて良かった、良かった。 それでも全部で90分くらいでしたか。

客電が点いたら即効席を後にしました。 まわりの女性の視線から逃げるように。

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