このロックなんぞ屋も早いもんでもう10回目になってしまった。ということで、前回までで、おいらのロック遍歴を書き
尽くしたので、ネタが無くなってしまったというか思い付かない。しょうがないので、酒でも飲んで考えるかとバーボン
を飲んでいたらあるフレーズを思い出した。そう、「SEX, DRUG & ROCK’N’ROLL」
今回はこれをもとにかいてみよう。
この言葉は、ある意味ロッカーの合い言葉のようなおなじみのフレーズだ。セックス大好き、ドラッグ大好き、そして
当然ロックンロールも、こいつらがあれば、他に何もいらねえ。ってのが、このフレーズの直接的な意味だろう。
セックス、ドラッグなんて社会道徳上なかなか人前で言えないことで、それとロックンロールが同列に並んでいるとい
うことは、ロックンロールも同類で社会的にはヤバイ物なのだ。だけど、人はこういったヤバイ物にのめり込んでしま
う。やっぱり、おいらもロックはヤバサがないとロックとは呼べないと思う。
70年代には、これを地で行ってるロックスターは数多くいた。ドラッグやってテンパって狂気的なステージを見せてた
というジミ・ヘンドリクスとか、ラリってまともなステージが出来なかったというピストルズのシド・ビシャスとか。
その昔ZEPが日本に来た時ホテルのスイートルームを無茶苦茶にして永久的に出入りを禁止されたとかの武勇伝
もロックらしい話だ。またロックスターがドラッグの不法所持で逮捕される話は日常茶飯事だ。
ただ、これを一般人がやったらただのおばかさんになってしまうのがオチである。ロックスターは、こういったヤバイ
事を具現化しながら一般の人に手を出せないことを体を張って表現してきたのではないだろうか?そうして生まれた
作品というのはやはり人の心の琴線に触れるのではなかろうか?
そういった意味で、ロックスターは多少の無茶をしても大目に見てもらえるし、たとえ見せしめで警察に捕まっても社
会復帰は約束されている。
しかしである、最近のロックは非常に健全になってきているような気がする。特に90年代になってからは。(もうそろ
そろ90年代も終わるが)
特にキャリアの長いストーンズとか、エアロとかが完全にドラッグから縁を切って、健全な体でやっている。酒さえ止
めたという。ドラッグのやり過ぎは、死に至るということを70年代のロックスターが証明したためそれ以降目立ってや
る奴はいなくなったが、酒はやめんでもええやろって言いたいけど、ま、個人の自由やし、おいらが彼らに対してごち
ゃごちゃ言える問題もないが。
ただ、彼らの凄いところは、ドラッグを止めてから、以前よりもっとパワーアップしてるところである。それは、ミック・ジ
ャガーとかスティーブン・タイラーのインタビューの中で、「おれたちはドラッグと酒を止めて体と頭がクリアになって初
めていろんな事がドラッグをやってる時に感じたことも含めてはっきり見えるようになった。だから、今はもっと凄い曲
を作れるのさ」みたいなことを行ってるのを読んで、なるほどと思った。ポール・マッカートニーも似たようなことを言っ
ていたけど。
いずれにしてもヤバクなければロックじゃない。ヤバイ事に手を出さないで、愛だ恋だの歌ってるうちはロックじゃね
え。ヤバイ物にはみんな興味があるんだ。そいつを見せてくれ、ロックスターの皆さん。おいらも自称ロッカーとして
小市民として出来るだけのヤバイ事をやってるからさあ。
(つづく) 1・17・99
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