この他、エアロとクラプトンの新譜を先月から継続しつつ、 メディア・ライブラリからつまみ食い。

V.A. "Power Of Soul: A Tribute To Jimi Hendrix"

このアルバムは、私が持ってるジミヘン・トリビュートとしては3枚目にあたります。

生誕50年にあたる1993年に出た "Stone Free: A Tribute To Jimi Hendrix" は音も面子もロック寄りでした。わりとオリジナルに近い アプローチが多くて入り込みやすかった。 中でもプリテンダーズのボールド・アズ・ラヴが新鮮で気に入ってました。 しかしなんといってもこのアルバムの目玉はジェフ・ベックのギターです。 ギタリストとして見ればジミヘンを超えてると思う。

没後25年の1995年に出た "In From The Storm" はジミの遺志を継いでオーケストラとロックとの融合を意図したものですが、 既存曲に後付けでアレンジしてることもあって、当時も今も、なんだかなぁ... という感想に変わりありません。
それはそれとして、このアルバムは既存のバンドが演奏するんじゃなくて、 ミュージシャンが曲に応じてユニットを組んでいてセッションっぽい雰囲気になってます。 で、一番の聞きどころはずばりギターでしょう。主な参加ギタリストは ルカサー、マクラフリン、サンタナ、スティーヴ・ヴァイ、ブライアン・メイ。 ちなみにスティング、スタンリー・クラーク、ブッツィ・コリンズとベース陣も豪華。

で、生誕60年記念の今作ですが、一番「黒い」です。それも今風に黒いです。 ヒップ・ホップっちゅうかR&Bっちゅうかこの今風の黒さっちゅうのは この10年で一気に市民権を得た音ですよね。

逆にいえばロック色がもうひとつ足りません。
プリンスはもろブルース(レッド・ハウスをパープル・ハウスと言い換える強引さ!)だし、 レニーはメロウサイドの選曲だし。 そんな中、チャカ・カーンが歌うリトル・ウィングで弾いてる キッド・ロックのギターの人(Kenny Olson)もがんばってますが、やはりなんといっても、 SRVの未発表ライヴ音源が最高。インストのリトル・ウィング(つまり全部ソロ)から サード・ストーン・フロム・ザ・サンになだれ込む必殺のギターにまいりました。

ちなみに、クラプトンはプロデュースド・バイ・ナイル・ロジャースになってることから、 "Stone Free" 当時に録音されたものでしょう。
スティングとサンタナのトラックは "In From The Storm" からの音源でした。 スティングのはまるっきりそのまま(元々オーケストラが入ってなかった)。 サンタナはバックのオーケストラが無くなってて、ボーカルが Sass Jordan というカナダの女性 ロックシンガーからリヴィング・カラーのコリー・グローヴァーに差し替えられていて、 ハードさアップで断然良くなってます。"In From..." ではコリーは数曲でボーカルをとってることから、 当時録音されてお蔵入りになっていたのでしょう。

オマケ:このアルバムの影の主役はEWFのギターの人(Sheldon Reynolds)。 17曲中5曲にからんでます。

PRINCE "Musicology"

前評判で期待しすぎたのが悪かった。 まだレインボウ・チルドレンの方が良かった、と思ってます。 ただレンボウは特殊な方向(JAZZ傾向)だという感じがしたので、 今作の流れは歓迎したいと思いますが...なんだろなぁ。 派手さに欠けるというかパッとしないというか。 惹きつけて没頭させてくれる魔力がもひとつ弱いというか。

LENNY KRAVITZ "Baptism"

この人の曲は大まかに言ってメロウ、ファンキー、ポップと大まかに3つに 分類できる(乱暴?)んですが、私はファンキーなのが大好き。 そういう点では大満足です。作風もなんとなく昔を思い起こさせるし。
あいかわらずひとりで全部やってたりします。ようやるなぁ、と感心する反面、 ドラムの練習時間を作曲やツアーに回してよ、とか、 予定調和の世界で閉じてしまっていてスタジオに 魔法や化学反応は起きないのではないか、とか、 余計なことを考えてしまってごめんなさい。

JOE JACKSON "Look Sharp!" [1979]

ベスト盤を聞いてやはり初期の雰囲気がええなぁと思ってたのですが、 とうとうAmazonのディスク・レビューに買わされてしまいました。 いや、買わされてよかった。
確かにパンクだパブ・ロックだニュー・ウェーヴだと言ってた時代の音がして、 当時コステロと比べられたという話に納得。 何度か聞いてるうちにブラーやパルプといったブリット・ポップ勢を 強く連想したりして。

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