お、向かいはミニスカートか、、、よくあんなので座ってられるもんだわ。
さて、降りるか。
じろじろ見ないように、っと。
「ふっ」これが大人の余裕ってものさ。
‥‥!。なっ、何だ、その視線は、、、俺は見てないってば。
まさか、さっきの「ふっ」を見えた喜びの表情とでも思ったのか?
ち、違う。違うぞ。そうじゃない。
わかってくれ、良く考えてみろ。
あの笑みはいやらしいにやけ顔とは違うだろう? さわやかでさえあったはずだ。
あぁ、言い訳したい、、、けど、降りなきゃ。
そうだ、きっと俺の見間違いだよな、、、(ちらっ)、、!、、だめだ。あの膝の綴じ方、警戒してる。
それにこっちを睨んでる、、、なんてことだ。
あぁ、言い訳したい。どうしよう、無実なのに。
誤解されるくらいなら、もっとしっかり見とけば良かった。
次から電車を変えようか、、、それとも、同じ電車を選んで見ようとなどしていないことをアピールした方が良いのか?
どうしてこんなことになってしまったんだ、、、もうおしまいだ。
うむ、良い焼け具合だ。きれいに焼けている。
‥‥?。どうしたんだみんな。誰も買わないのか?あんなに旨そうだぞ。
このままでは、せっかく中身がとろ〜ん&外がパリッの絶妙のコンディションが台無しになってしまう。
今が一番良い時なのに。
店員も店員だ。
いらっしゃいませとか、焼けてますとか言ったらどうなんだ。
うまく焼けたたこ焼きにこだわりを、愛情を感じないのか?
俺には帰ってから夕飯があるんだ。ここで買うわけにはいかないんだ。
早く誰か買ってやれよ!
‥‥‥‥(ほかほか)‥‥この温もり。た、、食べたい。
1個や2個なら、、、2個食べてもまだ8個残ってるし。
そう、誘惑に負けたんじゃない。
8個も残ってるんだから、誘惑との勝負は8勝2敗で勝ち越しじゃないか。
間が悪いし、このままコンビニに入ろう。
しかし、俺は無駄な行動は取らないのだ。
立ち読みをするフリをして窓に映った自分の姿をチェックする。
奥歯に鰹節がはさまっているが、これは見えないから大丈夫だ。「口の周りにソースはついていないか」
「歯に青海苔は付いていないか」
◇
「ただいま」
「おかえり〜、あれ?何付けてるん?」
(ギクッ)な!‥‥ソースがズボンに!
やはり歩きながら食べたのがまずかったのか。たこ焼きはうまかったが、、、そういう問題ではない。
「ああ〜、これ、給湯室でカップ焼きそば食べてるやつに撥ね飛ばされたんよ。(う、うまいっ♪自画自賛じゃ)」
「その時は気づかんかったんやけどねぇ」
「ふ〜ん、その時は気づかんかったのに、その時に撥ね飛ばされたんか、、、」
「‥‥!(し、しまったーーー、手強いぞっ!)」
「まぁええわ。今日、駅前でたこ焼き売ってたんで買って帰ったんやけど食べる?」