こんな面白いネタを自分でもやらない手はないとばかりに悪乗りして、
疚しげさんの提供原稿の後にに私の分も付け加えてみました。
私は歴史は苦手なので、、、、言い訳終わり。
第1部/疚しげさん作(1) 「夢殿」
名機*1「八角堂」の別バージョン。「八角堂」と同じ八角形ヘッドを持ち、夢の様なサウンドで聴くものを瞑想の世界へと誘う。
とりわけ解像力が素晴らしく、100人の大編成のコーラスでも見事に分解しきって一人一人の声が聞き分けられる。10人の訴えを同時に聞き分けた聖徳太子なんか目じゃないと思わせるスピーカー。
*1 原稿のまんまであり、コエフが自画自賛しているわけではないのは言うまでもない。(2) 「淀殿」
キンキラキンのサウンドで天下統一を成し遂げたスピーカー「秀吉」とペアのリアスピーカー。
「秀吉」亡き後,”イエヤスコーン”で天下人(天下スピーカー?)の座に就いたスピーカー「徳川」の歪み感の少ないサウンドと相性が悪く、ついにはその2台目の「秀頼」とともに燃やされてしまう。ただ、直前にフロントと接続する「線」だけは救われた。(3) 「ナンダイ門」
マトリックス接続のTV置台兼用AVスピーカー。サンスイのアンプしか持ってないのに、マトリックス接続をしろと無理ナンダイをふっかける。
しようがないので、D社のアンプを買ってきて接続すると、さすがにスケール雄大な音と広大な音場で聴かせるが、今度はどんナンモンダイとふんぞり返る。威圧感に満ち満ちたスピーカー。(4) 「石みたい」
エンクロージャアが人造大理石でできているスピーカー。もう説明はいらんじゃろう。
中身は、やっぱり飛鳥の石舞台古墳と同様にカラッポになっている。ああ、苦しい。
(5) 「漏刻」
日本最古のカスケード・ホーン構造のスピーカー。
ただ、設計が悪くてホーンから位相(時間情報)がムチャクチャな音が漏れてくるので現代では使い物にならない。(6) 「2がつどう」
FW227をWで使い、トウィーターもWでシリーズ接続としたシステムを2組使用するマトリックス4ch用のスピーカー。
カンの良い人はそろそろ気付いた?3月(しまった。2月じゃなかった。)に行われる松明を持って走り回る音をキャビネットはダブルバスレフとして、fd2は28Hzとして1/(21/2)倍の20Hz迄再生する。生録したテープを聴くと臨場感抜群。
よい子はみんなわかったかな?そう。「2が集う」です。
第2部/コエフ作(7) 「天神祭り」
雑踏と花火を再生するためだけに作られたゲテモノ専用スピーカー。
雑踏と打ち上げ花火の超低音、花火の炸裂する高域の再現を強調するために、わざと中域を少なくし、人の耳をドンシャリにいざなう。
はまると抜けられない。(8) 「御堂筋」
現段階で究極とされる線音源スピーカー。
究極と称されるのは片チャンネルしかないためでもあり、ステレオ感不用のPAでは最高級とされる。
家庭用オーディオとして使うこともできるが、徹底的に固められたキャビネットに手を加えることは不可能で、鳴る音を受け入れるだけの一方通行となる割には、高さが出ないなどの不満も多い。(9) 「大阪ドーム」
高級大型ドームユニットが目を引くお金のかかったマニア向けスピーカー。
ユニットにお金がかかっており、コストパフォーマンスは高いがドライブ能力が弱いのがネックで、ユーザーは少ない。
固定ファンに支えられてはいるが、新興のUSJに押され気味。(10) 「USJ」
海外ユニットを使った人気スピーカー。
一聴すると、特定のユニットにクォリティを集中させたように聞こえるため、楽曲を聴く時に特定のパートに耳を奪われる傾向にある。
このため、バランス良く聴くことのできない初級者向きではなく、音の良くわかったマニア向けの作りにもかかわらず、むしろ初級者に人気がある。(11) 「金閣寺」
重厚長大がもてはやされたバブル期に、単なる重量付加のために純金が使われた前代未聞の超絶スピーカー。
姉妹機にすべての配線に電気伝導度が良好な銀を使用した銀閣寺があるが、どちらも1台しか売れなかったと報告されている。
このスピーカーを聴いて(見て?)から海外メーカーの日本進出が始まったという逸話は伝説的。(12) 「清水寺」
現段階で最高とされるフロア型スピーカー。部屋中の床を占有するのが特徴。
極めて高価なため、思い切った買い物を本機を買うつもり、と喩えられる。(13) 「東寺」
癒し系を代表するスピーカー。
ユニット構成もオーソドックスなインライン配置ながら、置き方によって様々なソースへの適応性を見せ、誰をも「ア、ショーカ」と納得させる表現力を持つ。(14) 「東大寺」
本格サラウンド仕様の名機。
大仏殿、南大門、中門、及び多くのサテライトスピーカーで独特のサラウンドを表現するが、一部は1本の共鳴管を共有しており、向かい合う仁王像の一方の口から低音が放射される。
設計時には、両方の仁王像の開口部から放射されることも検討されたが、結局、開口部は片方だけとなったと伝えられる。
第3部/フェイさん作(15) 「音吉モニター」
社長の木下藤吉氏が作るガレージスピーカで38センチウーハとコンプレッションドライバによる2ウエイというのが基本。
設計者の性格を反映して、大型で高価で音は明るい。部屋を音で埋め尽くすような派手なチューニングを好む。徹底したネアカサウンドである。
本当は、木下モニターと命名したかっのだが残念ながら先行者がいたので名前を変更した。
この会社の問題点は、主任設計者の千氏が地味な性格であり、広い広い空間に1本のフルレンジがポツンと鳴るビンボ臭い音こそが侘びであり錆びであるという。社長と全く意見が合わないが、なぜか千氏の賛同者の方が多く、遠からず内部分裂するのではないかと言われている。(16)「通テン閣」
簡単なキャビに安いフルレンジ一発をマウントして好調な富士通テンの暴走を黙視できない電機メーカ老舗の日立が久々に放つスピーカ。
東京タワー型のカーブを描くトールボーイキャビの上部を箱型に膨らませ、フルレンジユニットをやや下向きにつけている。
富士通テンも良いデザインではないが、メーカの個性が出て日立は角張った武骨なデザインであり昭和30年代を連想する。音は、このタイプはどうやってもフルレンジ1発の限界があり、本格派として使うのは無理である。
スピーカの音はキャビの方式だけで決まるものではない。
現在、スピーカ名が社名「富士通テン」と似すぎているというクレームが出ており、抗争中である。
さらに、東京芝浦にある大手電機メーカも似たような「東京タワー」シリーズスピーカを狙っているという情報もある。ノーチラスの徹底度から見れば所詮は簡易スピーカであり、マニアとしては中途半端なフルレンジ回帰は迷惑である。(17)「ツインタワー」
日立が出せば地元の超巨人松下も黙っていない。
「通テン閣」を上回る超トールボーイを2本並べて、デザインも現代風にしている。「大坂城」を見下せる高級感と高性能が狙い。が、どこか松下の設計である。
ユニットは、基本は松下の定番である14センチ2ウエイだが、内部にウーハを隠蔽しパッシブラジエータを駆動するいつもの方式だ。今回はキャビが2本になったのでパッシブラジエータの帯域が、100Hz、63Hz、40Hz、25Hz、16Hzと独立5バンドでチューニングしている。1本のキャビに2バンドの低域と中高域ユニットを載せ、もう一本が3バンドの低域用だ。総計ウーハ5本、パッシブラジエータ5本、コーンミッド1本、ツイタ1本、そして音はどうでもとにかく100kHzまで伸ばさないと売れないのでスーパーツイタを添付する。総計4ウエイ8ユニットである。
一体何が、松下をしてそこまでパッシブラジエータ方式のアコースティックウーハに走らせるのか?
第4部/げんきまじんさん作
(2001/6/4追加)(16) 「千成」
「秀吉」のキンキラキンサウンドにまろやかさを付加しようとして設計された千成瓢箪を模して作られた音場型スピーカー。
トゥイータ、8cmフルレンジ、10cmウーファのユニット構成をとる。全高は2.4m〜4m程度。使用する部屋の広さに合わせて高さ、及びユニット数を調整する。1セットでSPマトリックスによるサラウンドも再生でき、セッティングは部屋の中心に置き頭上から降り注ぐようにすると最高のパーフォーマンスが得られる。ホテルのパーティ会場などメッチャ広い部屋では2セット以上の設置も有効である。各ユニットは瓢箪型をしたTLS設計によるキャビネットに取り付けられており、各キャビは支柱を中心に360度方向やや下向きに取り付けられている。キャビは鳴きを押さえるためお約束通り金を主体として作られたがその分ユニットのトランジェントが良くなり、返って「秀吉」のキンキラキンサウンドに輪をかけたのは否めない
結局製作にお金がかかっただけでピュアオーディオの音は せんなり。
(17) 「あわおこし」
評論家の言う「アワ立ちの良い音」とはどう言う音かを実践する為に作られたスピーカー。
完全再生を目標とされたソフトは「鳥の楽園 セイシェル」ソニー 38DG28(廃盤、「観音力」P.144参照)で特に波の泡の音に焦点が絞られており、このスピーカーで聴けば泡の数が数えられるとのこと。しかし、余りにもその数が多過ぎて必要以上に泡を起こしているのではと言う評価も一方ではある。もう一つこのスピーカーには難点があり、他のどのソフトを聴いても泡が出来ては消える「ショワショワショワ」と言った感じが拭い切れない。その不味さが災いしオリジナルは一般受けしない。現在改良版が幾つか出ているが人気はどれもイマイチ。
【使用上の注意】 本スピーカーに石鹸水を入れても泡は出ませんので石鹸水等を入れないようにしてお使い下さい。