『みどりの手紙』第9号 2005年10月

●「口利き、働きかけ」抑止対策について

  正当な議員活動なら文書化して
               市民に公開するべき


●「口利き、働きかけ」とは

 公共工事の請負や物品納入契約に関して、特定の業者を推せん紹介する等
 顔を利かせたり、開発をめぐって縁者の土地を高値で買収するよう職員に
 依頼したり、職員の採用、昇格、異動等人事に介入することです。

 東京都立川市の職員に対するアンケートに依ると働きかけてきた立場の人は、
 市会議員が圧倒的に多く、その内容は多い順から入札、契約に関する事、
 入所入園に関する事です。職員は、市会議員の仕事の一つなのでやむを得ない、
 市会議員の頼みを全部無視するわけにはいかないと思った、
 という回答も複数ありました。


●最近の事例として

 近隣で発生した中和広域消防組合の消防士不正採用事件があります。
 特定の受験者を合格させる為に「口利き」をしたとして、
 橿原市、大和高田市、御所市の現職市議5名が摘発されました。

 市政への信頼を高める為に議員等、一定の公職者から非公式な場で、
 口頭による提言、要望、意見等が職員に対してなされた場合、
 それを全て記録保存、報告することを義務づけ、その内容を
 情報公開の対象とし情報の共有化、透明性を図ることが市政への
 信頼を高める一つの手段となりうるのではないでしょうか。


●市の回答

 ○文書化すべき内容か否か線引きが難しい
 ○正当な議員活動を阻害する恐れがある。
 ○政治倫理要綱、地方公務員法等があるので、
 公平公正さが保証されており、一応の対応は出来ている。
 従って、特に「口利き、働きかけ」抑止対策は考えていない。


●市の回答に対して思う事

 全てを文書化するので、線引きに悩む必要は無いのです。
 何故、文書化することが議員活動を阻害する事になるのでしょうか。
 正当な議員活動であれば、なおさら記録に残し情報公開の対象とした方が、
 議員活動のアピールになるのではないでしょうか。

 要綱や法律に定められているから公正さが保証されるならば、
 不祥事は起こらないはずですが、現実はそうなってはいないのです。
 公正を実現し易くする一手段として、文書化が必要ではないかと考えます。



(有村京子の市議会日誌 9月一般質問より)



●「せん定枝葉リサイクル事業」について

 環境面や高齢者の生き甲斐づくり
              のためにも継続を

 生駒市シルバー人材センターでは、環境保全推進モデル事業として、
 5ヶ年計画で取り組んできています。

 せん定してきた枝葉を砕いてチップ化し、米糖、発酵微生物等を配合して
 6ヶ月間温度管理をして、堆肥や土壌改良剤に変えていくものです。

 6名のスタッフがほとんど手作業で、土にまみれ汗だくになりながら、
 試行錯誤を繰り返し、研究、失敗を重ねながら完成品が出来上がりました。
 これは堆肥、土壌改良剤としても安全、有効なものであるという
 分析結果がでています。

 この事業は、○ゴミの減量化○資源の有効活用○自然な堆肥が土を肥やす
 ことによって豊かな緑を育む等、環境面で多くの効果を上げています。
 又、高齢者の生き甲斐と健康づくりにも一役かっています。
 計画期間が終了しても、市として継続的に取り組むべきではないでしょうか。


●市の回答

 現在、市は公園や緑地からのせん定枝葉はチップ化して
 遊歩道や緑地に敷きならし、かんばつ防止や草よけに活用している。
 それをさらに堆肥化することについては、一部の造園業者の実施状況や、
 費用対効果の面で今後十分な調査、研究が必要。


●市の回答に対して思う事

 プラスチックはリサイクルしても最終的にはゴミになりますが、
 枝葉はシンプルな工程でリサイクルが出来、土にかえって
 資源になるのでリサイクル価値の高いものです。

 このシルバーの事業を、広い作業場で機械を導入すればもっと
 大量に処理が出来ますし、滋賀県水口町のように堆肥を商品化すれば、
 経費の面でもかなりカバーできると思います。
 せん定枝葉のリサイクルをさらに拡大して頂きたいものです。


(有村京子の市議会日誌 9月一般質問より)



●「生駒ローカルマニフェスト」完成!!

   市民が動く!
         生駒が変わる!


 生駒市民約15名が、おおよそ4ヶ月の期間をかけて研究と討論を重ね、  
 ついに33項目から成る「市民による、市民のためのマニフェスト」が
 完成しました。市民力による政策提案は、おそらく生駒市政始まって 
 以来の出来事ではないでしょうか。
 
 内容を一部紹介しておきますと、

 ○市民税1%の使途を市民が決定する
 ○大型公共事業(東・西コミセン。市民大ホール等)の中止
 ○入札制度を改革して談合・高値落札抑止
 ○駅前スーパービジョン事業の打ち切り
 ○小中学校30人学級
 ○市長の多選(3期以上)自粛
 ○モデル校給食の自校式
 ○高山第2工区開発に生駒市は協力しない 等々…
  中には実現が難しいと思われる内容もありますが、
 全てに渡って市民の願いがこめられています。

 ※このマニフェストに関する問い合わせ、御希望は
  マニフェスト実行委員会までご連絡下さい。
 
 一部300円。TEL・FAX 0743・75・1515
  〒630-0252 山崎町21-2-103
 ホームページ「生駒マニフェスト」  でも閲覧できます。  





●自治体学会で鳥取県庁を視察

 「口利き、働きかけ」抑止対策などを学んで・・・ 


 8月24・25日、鳥取県庁を訪ねて「口利き、働きかけ」抑止対策を学び、
 自治体学会では「ローカルエネルギーの活用」と「学校の安全」について
 勉強してきました。
   
 鳥取県では、14年に県議の「働きかけ」による不祥事が発覚しました。
 これらの不正を抑止する為に、知事の強いリーダーシップの元で、
 議員らの要請、提案を公文書化することになりましたが、
 当初は議会からの猛烈な抵抗があった事が議事録にも残っており、
 知事の奮闘ぶりがうかがえます。首長の並々ならぬ強い意志が無い限り、
 なかなか難しいようですが、全国的には高知県、長野市、福岡市、
 藤沢市等が同様の取り組みをしており、今後も増えていく傾向です。
 
 生駒市でも、可能ではないかと思い、一般質問しましたが…
 実現への道は遠く険しそうです。


 



●あとがき

  まわりに起こることは全てが必要・必然 
                  感謝の気持ちで・・・


 選挙の喧騒はすっかり遠のき、秋がゆっくり深まる気配を感じる今日このごろです。
 
 今回、生駒市の投票率は高く(73・6%・奈良県下10市中2位、全項平均は67・5%)
 市民の政治に対する関心の強さが表れた選挙でもありました。
 来年1月には市長選挙、さ来年の4月には県議選と市議選があります。
 皆様の中にも議員を目指す方がおられると思いますので議員を
 2年半勤めた私なりに、議員に必要だと思われる事を並べてみます。
 
 一、勉強家であること…政治の範囲は広く、社会情勢は変化が早い。広い知識が必要。
 二、作文力が必要…一般質問、活動報告等、意見を文章化する機会がやたら多い。
 三、度胸がある…ヤジ、暴言、大声での威嚇を気にしない。
 四、打たれ強い…議員であれば例え善意100%であれ批判、非難の矢は飛んできます。

 私もいろいろ言われます。「議員失格、スパイ、えらそう、情けない、理念がない、
 頼り無い、あいさつしない、こわそう、質問するのは売名行為」直接聞いたのが
 これですから、陰ではこの何倍もの話がとびかっているでしょう。
 繊細な神経の人はまずダメ。時には誹謗、中傷の怪文書がバラまかれるのも覚悟。

 五、声が大きい…演説、発言には有利。迫力が必要(私は大きい声がでないのです)
 六、社交家…理念、理想もさることながら、選挙では友人、知人の多さが
   モノをいいます。

 選挙も議員活動も困難さの中に味わい深いものがあります。
 私は、これらの体験によって一まわりほど成長できたのではないかと
 自分勝手に思いこんでいます。自分のまわりに起こる事は、
 全てが必要必然であり、学びと成長につながると思えば、
 「感謝」「ありがとうございます」の境地ですね。

      (まだ、そこまではなかなか達していないのですが…)