『みどりの手紙』第6号 2005年3月

財政負担を軽減し、市民のニーズに応えられる
病院再建を!


生駒市民の疑問質問 「生駒総合病院について」

総合病院の廃院について、質問される事が多くなりました。
この問題については総合病院、県国保連合会、生駒市と三者の言い分が
交錯しており、なかなか分かりにくい構図になっています。
私が三者から聞いた事を手持の資料で、無理に簡略化して
私なりの考えを入れてお伝えいたします。

もう既に御存知の方も多いと思いますが、
生駒駅南側にある総合病院が三月末で廃院されることになりました。
近畿大学医学部との経営移譲に向けた交渉は今も難行しており
まだ見通しがたっていません。そんな中、患者や職員らが医療継続を求めて、
二万五千等の署名収集や宣伝活動を展開しています。

市民にとっての一番の問題は、地域医療に大きな役割を果たしてきた
総合病院が廃院になって、医療の空白期間が出来る事です、
一体患者はこれからどこへ行けばいいのかということです。
生駒市内、病院なら他にもあるのではないかと思われる方も
あるのでしょうがこの総合病院には大きな特色があります。

○駅に近い利便性。
○「総合」の名が示すように11の診療科目があり、一施設で多種の診察が出来る。
○救急医療について顕著な役割を果たしている。
 (平成14年度の総合病院の医療体制状況)
・二次救急(主に入院治療を必要とするもの)の当番日数一六二日で市全体の37%
 外来患者二二二九人で47%、入院患者四二四人で66%
・小児救急医療については、当番日数26日で52%
 外来患者三〇一人で39%、入院患者は61人で65%
○近畿大学病院が開設された後も、外来を中心として患者数が減っていない。

これだけの高い貢献度がありながら何故廃院に至ったのか、理由としては
○病院は赤字経営であった
○施設の老朽化
○国保病院の役割は終えた。

赤字経営がどうか議論の分かれるところですが、医業損益(医業収入から
医業支出を差し引いたもの)から見る限り、私は赤字であったと思います。
又、生駒市もこれまで病院に一億五千五百万円補助金を出しています。

施設が老朽化して補修よりも立替が必要な事、国民健康保険連合会が、
病院を経営する時代ではないという事も理解できます。

重要な事は、引き継ぐ病院がこれまでの総合病院と同等かそれ以上の医療体制を
とれるかどうか、それに対して生駒市の費用負担をどうするのか、
新病院の診療開始までの間の医療をどの様な形で補うかです。

仮設診療所を設置するのか、総合病院施設で診療を続けながら、別の場所に
新設するのか、現在の患者を周辺病院にふり分けるのか、いづれにしても当分の間
従前の総合病院並の機能はとうてい期待できず、不便をしのぐ事になるでしょう。

移譲交渉を進めている相手が何故近畿大学病院だけなのかと、問題視されています。

近大が今、どういう条件を提示していのか情報が開示されていません、
従前のままなのか、さらに追加されているのか・・・・・

近大が移譲先として適当か否か、なかなか判断するのは難しいところですが、これ
までの資料によれば市の費用負担の面から考えると近大が一番少ないのです。
他の3候補は病院建設や財政支援等の費用負担を求めています。
近大は後に条件を変更(病院現存地を更地にして無償譲渡、5億円程度か)
しましたがそれでも一番安価なのです。

総合病院、生駒市、県国保連合の連携プレーがうまく行かず
いずれ廃院になることが予想されていたのに引継も決まらず
医療の空白期間を作ってしまった事は誠に残念な事です。
もうここまできてしまった以上、生駒市は現在の交渉相手である近大と、
出来るだけ早く市民にとって有利な条件で移譲の話し合いを
進めることではないでしょうか。多くの診療科目数や
救急医療・小児医療・二次医療(入院治療)は絶対条件です。

そして交渉が難行した場合は、近大にこだわらず引き継ぎ先を広範囲に
渡って探し、市民のニーズを満たし、なおかつ市の財政負担が最も少ない形で、
出来る限り早期に新たな病院を開院することが望ましいです。

(と、簡単に意見は書けるけど、実行していくのは、難行苦行、
 関係者の苦悩は察するのに余りあります。)

情況は流動的ですので、この記事を書いた時(2月15日)と変わっているかも
しれません。その時は経過の説明文と解してお読み下さい。

※参考までに総合病院並の市民病院を建てるとすれば建設・設備費の
 初期費用が50億円はくだらないだろうといわれています。


有村京子の市議会日誌
12月議会一般質問より


  「三位一体改革」
緊急対策チームについて


国と地方の税財政制度を見直す「三位一体の改革」をめぐり市は9月、行財政の
在り方を抜本的に見直す為、課長らで構成する緊急対策チームを発足させました。
その目的は次の様なものです。

一、三位一体改革の動向と各事業への影響調査
二、庁内での問題意識の共有
三、国庫補助金が削減される既存事業については規模の縮小を含め継続するか
  否かの検討

今後も引き続き財源不足は継続してゆくと思われるが、次の質問をいたします。

一、上記以外の目的がありますか。
二、チームが発足して3ヶ月たちますが、各目的の進捗状況はどうか。
三、緊急対策チームの調査検討成果をどの様に17年度予算に反映されますか。


《市の回答》

国の三位一体改革は地方に大きな影響があり、生駒市も17年度予算編成につき
大幅な収入不足が生じる可能性があります。地方分権を推進する改革の主旨を
踏まえ、生駒市独自の施策の検討がチームに求められています。進捗状況に
ついては、三位一体改革の全体像が示されても、具体的な点で不明瞭な所が多く、
今後政府予算案の決定を待って詳細な検討について取り組んで行く予定です。

17年度予算については、財源不足が見込まれる予算編成に向けて、歳入確保、
歳出削減の両面から対応を検討します。そしてチームでは単なる財源不足の
対応にとどまらず、地方裁量権拡大の好機ととらえ、市民福祉、
行政サービス向上等に取り組んでいきます。



東コミュニティーセンターについて

東地区2丁目地内に、延べ面積四千平方メートル、地上四階、駐車場を
予定していますが、大まかな費用計画の内分けを教えて下さい。
9月に開催された「生駒の市民自治を考えるシンポジウム」において、
市長は挨拶の中で「市民参加というキーワードがこれまで以上に
欠かせないものと認識している。」と述べて、おられました。
又開催後のアンケートに依ると、まちづくりの進め方について
9割の市民が積極的な市民参加を求めています。

又生駒市民自治検討委員会設立準備会中間報告は
・企画段階からの市民との協働。
・まちづくりに関する市民からの提言を受け止め、検討・対応する仕組みが必要。
という内容でした。「自治条例策定」を待つまでもなく「市民参加」は
時代のすう勢であり、市としても積極的対応が望まれますが
東コミセン計画はどの様な形で市民参加を取り入れますか。


《市の回答》

コミュニティ施設の機能としては、高齢者や子育ての為の交流スペース・
交流ギャラリー・八田丘陵歩道の案内・歩道橋整備を基本的に考えています。
大ホールは作らない計画ですのでかなり建設費は低くなるのではないか
(十億から十五億)と思われます。
市民参加につきましては、自治連合会の地区単位である東自治連合会の
市民の方々の参画を得ながら進めていきたいと考えています。
具体的には市からは基本的な建物の規模、機能を提案するにとどめ、その他は
地元の東地区自治連合会と共にプランを作り上げていこうとするものです。




*市の回答に対して思うこと

建設費については私の予想を下回る額でしたが、それでも10~15億円、市税収入が
減少する中、市の借金は特別会計を含めて470億円このコミセンも市単独事業なの
で、多くが市債(借金)でまかなわれると思います。今、国、地方あげて行政のスリ
ム化が叫ばれています、必要欠くべからざる施設であれば財政状況にかかわらず建築
する必要があるでしょう、必要か否かの見きわめが重要です、その為にも幅広く市民
の意見を聞く手立てが必要ではないでしょうか。市は基本的建物の規模、機能を提案
するにとどめ、他は東地区自治連合会と共にプランを作り上げるのが市民参加と解し
ていますが、そもそもここにコミセン様式の建物が必要かどうかから検討を始めなけ
ればならないのではないでしょうか。又施設建設は地元の強い要望があっての事と市
は主張していますが、去年10・11月に地元12自治会(要望書を提出した1自治会は除
く)に聞きとり調査を行った資料を見せてもらったところ、その3分の2が、東コミ
セン建設は必要がない、建設に反対、あるいは無関心というものでした。

又、市長は「東コミセンは地震の際の避難所も兼ねており、地震災害が問題となっ
ている今、避難所としての役割は重要」と述べられました。建設予定地の真下には
※ 推定活動層が走っています。
(※地形的な特徴により、活断層の存在が推定されるが、現時点では明確に
特定できないもの、今後も活動を繰り返すかどうか不明なもの。)

地震災害の可能性はかなり低いものと思われますが、今年3月から半年間開かれる
愛知万博では会場のパビリオン直下に「推定活断層」が存在しているのが分かり、
避難計画の再検討等の対応を取っています。「推定」とはいうものの、
やや気になる向きもあります。

私見ではありますが、この建設予定地を災害備品貯蔵を兼ねた災害避難広場にし、
建築物に費やす費用は、避難所に指定されていながら未だ半数以上も耐震診断も耐震
補強されていない各施設(小・中学校等)の調査・整備に当てればいいのではないで
しょうか。又広場にしておけば将来必要に応じて建築することも可能です。


 

あとがき

  「火の無い所に煙は立つ」

以前は噂話の中にも一分の真実があると思っていましたが、
今は全く根拠の無い噂話もけっこうあるものだと思います。

ある人が「もしかしたら、そうかもしれない。」と想像で言った言葉が
「確かにそうに違いない。」と変わり内容はより強烈でセンセーショナルなものに
なっていきます。あるいは発した言葉が一人歩きして、本来の意図と
かけ離れてしまっていたり歪曲されていたりすることもあります。
他人の噂話として聞く時もあれば、噂話の主役が実は自分であって驚いたり、
憤がいしたりもしましたが、今はもう慣れてしまいました。

議員は政策や理念よりも、それ以外の事が周囲の関心事になりがちで、
批判の的になりやすいものです。火の無い所に煙りを立たせる人には
なりたくありませんが、その時は気づかず無責任な言葉を言い放った事も、
考えてみれば随分あります、批判的な内容を口にする時は、よくよく
言葉を選び事実かどうか確かめてから慎重にしなくてはなりませんね。

「言霊(ことだま)」という語を知っておられるでしょうか。
言い放たれた言葉にはエネルギーがあり、現象化していくというものです。
冷たい、悪い言葉を言い放てば周囲を毒するだけでなく、回り回ってやがて自分に
返ってマイナスに作用し、暖かい楽しい言葉を放てば、周囲を幸せにし、
自分も幸せになるというもので、口ぐせも、謙そんの為の自分を卑下する言葉も
言葉通り現象化(現実となる)していくというものです。

たかが言葉、されど言葉、口から出て消えていくと思うなかれ、
言葉のエネルギーは創造にも破壊につながるものらしいです。



あとがきもう一つ
 「いつまでたっても」

議員になってもうすぐ二年、その間7回議会があって、6回一般質問に立った。
回数だけは、けっこうこなしているが、さて内容といえば…

回数を重ねるたびに質問内容も質問態度も向上していけばいいが、実際は
毎回反省の連続。つい先ごろの12月議会でも市長の答弁が正確に聞きとれず、
マヌケな質疑をしてしまった。質問はするのも難しいが、回答をしっかり
聞きとるのは、もっと難しい。やはり議場では緊張しているせいか、
それでなくても鈍い頭の回転がさらに固ってしまうようだ。かといって、
質問を避けていてはいつまでたっても止まったまま。
勇気をふるっていつかは雄弁になれることを夢見て又、一般質問に立つ。

考えてみれば政治にかかわって二年弱の私が、百戦錬磨、長年行政職に
携って酸いも甘いも知り尽くした有能な職員相手に、質問に挑むのは、
土台かなり無理があるのだ。<とはいえ、市民の声を届け、行政をチェック
するのが議員の仕事となれば、やはりこの無謀な挑戦にも取り組むしかない。
ああ、また三月議会(10日から)が来る。