『みどりの手紙』第5号 2005年2月

市議会のガラス張りを求める請願書に
6月議会で賛成意見を述べました


* 特別養護老人ホーム待機者をなくすために…


 先ごろ内閣府世論調査によると、社会資本整備で重視すべき事項の
 トップに「高齢化対応」が上げられ、特に整備してほしい施設に
 老人ホームがとり上げられています。 

  当市でも、高齢化は進んでおり、元気なお年寄りばかりではなく、
 要介護4・5(ほとんど寝たきり状態)も当然増加していくが、
 介護度が高く、到底自宅で介護しきれない場合の最終受け皿で
 ある特別養護老人ホーム(以下特養という)の状況は、定員二三八名が
 満杯状態です。特養は入居者が「終の棲家」となる場合が多く、
  申し込みをしても入居できるのが何年先になるか分かりません。

 また、介護度が高く、周囲に介護できる人もいない「緊急度の高い人」に
 ついては、各施設五%の特別優先枠があるが、この優先枠ですら
 満杯で一年待ちの待機者がいる有様です。ましてや、介護できる家族が
 いる場合は、どんなに家族が長期間の重度の介護で疲弊しきっても、
  優先名簿に名前を連ねることさえできません。

 介護保険制度はまだ歴史も浅く、これからも様々な制度の改善が
 重ねられていくと思いますが、当市としても早急に、
 この特養待機者を減らす取り組みが必要ではないかと思うが、
 以下の点について質問します。

質問要旨
 一、特養待機者の現状をどのように分析するか
 二、今後の特養待機者の増加見通し
 三、特養待機者を減らすため方策
  四、問三に関連して新たな特養を設置する考えがあるか

市の回答
  介護保険制度は、要介護者の在宅での生活ケアが主眼となっており、
 施設サービスはこれを補完する位置づけとなっている。
 在宅サービスのための施設整備や在宅サービスの充実に努めたり、
 在宅サービスの利用がしやすいように低所得者負担七割助成や
 配食サービス、転倒・予防強化など介護負担を軽減し、施設指向を
 在宅介護にシフトするよう努めてきた。

 *質問一・二について
 生駒市の特養三施設(フォレストホーム、梅寿荘、延寿荘)
 入所待機者は総数四五〇名。うち、生駒市民は二七八名(市外一七二名)。
 今後も施設申し込みは増加傾向である。ただし、明らかに現在入所を
 必要とされる人は二割程度ではないか(順番待ちを見込んでの
  早めの予約申し込みや重複申し込みで数が多めになっている)。

 *質問三について
 現在、市の三箇所の特養は満杯(二三八床)である。
 平成十九年までに三三八床(プラス一〇〇)を整備する目標である。
 特養建設を希望する民間事業者からの問い合わせ、
 計画書が多数提出されており、県にも報告している。

 県は例年、各市町村から提出されている特養整備計画の
 中から国庫補助の対象となるものを決定する。
 補助決定を受けるのは厳しい状況であるが、必要な特養の建設に
 ついては国庫補助事業として採択されるようできる限り要望していく。



常任委員会での質問

*  駅前スーパービジョンは本当に必要ですか?


 生駒市は年間三二〇〇万円の費用を投入して、スーパービジョンで
 市のCMを放映しているが、果たして投資額に見合うだけの
 費用対効果があるのか?また、七時から二一時までの一四時間放映は
 温暖化を抑制する社会の風潮、省エネルギーの観点から
 も問題があるし、光害により美しい夜景も損なっている。

 さらに、市長に支払われている年間一二〇万円(注1)の賃借料が、
 あたかも市民の間では不当利得のような印象を与えており、
 また、スーパービジョンの設置場所(注2)選定も恣意的なものでは
 ないかという疑念がもたれ、市長自身の評判を損なうものとなっている。
 これらのデメリットを補って余りあるだけ費用対効果が
 スーパー ビジョンにあるのか。

 私の見たところ、気にとめて見ている人はほとんどないように感じるが。
 アンケートや街頭調査などで、実際の効果を調べる必要があるのでは
 ないか。いづれは事業打ち切りを検討することが必要ではないか。

市の回答
 スーパービジョンは一定のPR効果を果たしているものと
 判断されるので、事業は継続する。

 注1・賃借料の一二〇万円は、受け取らない場合は寄付行為に当たり、
 公職選挙法違反となる。安価にした場合も同じ
 注2・市政三〇周年記念イベント実行委員会で設置場所選定。


視察研修報告

*  入札制度のあり方を考える


 7月20日~22日まで「民主みどりの会(有村・小笹・福中)」と
 先輩会派の「ビジョン21」と合同で視察研修に行きました。

 ○7月20日 神奈川県横須賀市
        テーマ「環境会計」「電子入札システム」
 ○7月21日 静岡県長泉町「次世代育成支援行動計画」
        静岡県磐田市「スポーツまちづくり基本計画」
 ○7月22日 静岡県浜松市「ユニバーサルデザイン条例と市の考え方」

 議員の視察については物見遊山ではないかと何かと
 取り沙汰される向きもありますが、朝から夕方まで移動と勉強で
 スケジュールががっちり組み込まれており、かなりハードです。

 今回は特に印象に残った横須賀市の電子入札システムを
 使った「入札改革」について報告します。
 横須賀市では99年以後、「指名競争入札」(注1)の全廃に踏み切りました。

 注1)指名競争入札…自治体の指名を受けた業者だけが入札に
   参加できるという方式。業者数が限られ、
   現場説明会で一堂に会する為、談合の温床となり易い。

 以前は、工事規模に応じて7~10社を市が選ぶ「指名競争入札が入札の
 約7割を占めていましたが、入札率の高止まりや談合情報に対応する為、
 一定の要件を満たせば何社でも入札に参加できる
 「条件付き一般競争入札」(注2)に一本化しました。

 注2)一定の条件、基準をクリアすれば誰でも参加できることから、
    不特定多数が参加して競争することで安価に調達できるという原則に
   則したもの。そしてインターネットを利用した入札システムを導入し、
   入札書は郵送する仕組みになっていて、
   業者同士が顔を合わせない環境となっています。


* 横須賀市がまとめた入札制度改革の効果


 予定価格と落札価格の比率を示す落札率は導入前の96%から85%前後に
 下がり、結果的に年間20億円から30億円のコストが削減されました。

 定性的効果としては、
 ○競争性が高まり定着した
 ○談合の懸念が小さくなった(年間10件前後あった談合情報も99年以後ゼロ)
 ○入札参加希望者にとって受注機会が拡大
 ○発注情報の透明化が向上
 ○入札事務の情報化・契約課の窓口事務が省力化
 ○落札価格の低下(96%→85%)

 入札改革当初は改革に反対する街宣車が市役所を回ったりして相当な騒ぎも
 あったそうですが、「とにかく指名競争入札を無くすという強い決意が
 必要です」と言われた担当者の言葉が印象に強く残っています。


* 生駒市の入札事情


 過去10年間、8件の談合情報がありました。
 つい最近のものは、H16年10月16日、壱分小学校増改築工事の
 指名競争入札に関するものです。生駒市の平均落札率は94~95%
 一般競争入札(注3)は10億円以上の工事が対象で現場説明会はなく、
 業者同士が会わないよう配慮しています。

 生駒市の事業は、その大半が10億円以下の指名競争入札です。
 注3)国の一般競争入札実施基準は22億円ではあるが、一般競争入札の
 範囲を拡大してコスト削減に大きな成果を上げている自治体もある。
  例:松阪市、津市、鎌倉市等は全てが一般競争入札

 入札改革にあたっては、地元業者の優先、育成あるいは事務の煩雑化等
 難しい問題はあるとは思いますが、絶えない談合疑惑や高止まりの落札率を
 減少していく為の努力、工夫の余地はまだまだあるのではないでしょうか。

 例えば
 ○参加業者を増やして談合をしづらくする。
  一般競争入札の対象金額の引き下げ
 ○業者が一堂に会する機会をなくし、談合相手の特定を防ぐ
  現場説明会の廃止、郵送による入札、電子入札
 ○専門家を加えた入札審査機関の設置
 ○総合評価型入札、政策入札の導入
 (価格以外の要素-環境・福祉・公正労働等-も総合的評価に加える)

 こういう方法を取り入れて成果を上げている自治体もあるのだから、
 生駒市も可能性はあると思います。


大阪地裁傍聴記

*  高山第2工区開発は本当に必要ですか?


 8月3日、高山第二工区の開発を行う都市再生機構を相手取り山下真弁護士が
 原告となって情報公開を求める裁判の証人尋問が行われました。

 都市再生機構の職員は、
 「10年以上先の宅地分譲は不確定要素が多く、採算が採れるかどうかわからない。」
 と証言しました。
 国土交通省は、宅地需要は人口減を受けて今後3分の2に減少すると試算しています。

 高山第二工区に隣接する2つのニュータウンでも50ヘクタール以上の
 土地が売れ残り、地価下落が止まりません。
 民間開発業者との競争も激しく、本当に第二工区開発が必要なのか、
 今でも疑念を持っています。


有村京子のおすすめ本

*  「たったひとつのたからもの」文藝春秋刊


 明治生命のCMで、小田和正さんの歌声に合わせて
 幸せそうな親子の写真が、次々に放映される。

  -あなたにあえて、ほんとうに 良かった
    うれしくて うれしくて 言葉にできない♪

 たった六年で天国に逝ってしまった秋雪君の生涯、
 涙と感動なくしては読めない愛の記録である。
 生きることのかけがえのない喜びと幸せが、じっくり伝わってくる。
 やさしい気持ちがいっぱいに広がる。


あとがき

* あとがき①


 九月議会報告が大変遅くなってしまい、
 今年も残すところ、あとわずかとなりました。
 歳をとるたびに時間が早くたつと感じるのは誰しも同じであろうかと
 思いますが、議員になってからは一層強く感じます。

 あせりに似たこの思い…

 難しい仕事に追いつかない、自分の勉強とふがいなさ、
 色々な出来事に判断のつかないもどかしさがあります。
 生駒市政はなんと奥深く、広いものでしょうか。
 この先、何年先経てば自分に自信がもてるのだろうかとも思います。
 多くの人の力添えで議員にならせていただいたのだから、
 せめて、もう少し信頼に足りうる議員になりたいものです。

 「おばさん老い易く、学成り難し」

 学生時代より、勉学意欲は高まりましたが、今は時間があまりとれず、
 その上頭のサビつきが進んで知識の修得を上回る早さで時が過ぎていきます。
 でも、気持ちだけはいつも前向きです。来年も恥かきながら、
 つまづきながら進んでいきます。

 
**あとがき②


 ニュースを見ていると、心が張り裂けそうな程つらい出来事がある。
 中でも、子どもが犠牲になる事件は、自分もその親の気持ちになって涙する。
 いつの世も絶えることのない悲劇、
 一体いつになったらこの悲しみがなくなるのだろうか。
 いつまで繰り返さなくてはならないのだろうか。
 心は暗くずしりと重くなる。

 その一方で「たった一つのたからもの」のように、六歳で逝った
 ダウン症の我が子を何よりも大切に慈しんだ輝く愛のお話に、感動の涙を流す、
 私の心は天国と地獄を行ったり来たり、この世界は光と闇が交錯する。

 光が闇をあまねく照らすその日が来ますようにと、
 自分に何ができるのか問いかけながら、ただ祈る。

 そうだ、これからの生駒市はこんなフレーズがいいな。
 「いやしと、安らぎと、やさしさと、笑いのまち、生駒」