『みどりの手紙』第3号 2004年4月 |
ごあいさつ |
風薫り、春爛漫の季節となりました。 丁度去年の今頃、春の訪れを感じる余裕も無く緊張の中、 選挙に向けて奔走していました。 あれから一年、まだ四苦八苦しています。 議員の仕事は難しく、経済・福祉・人権・教育等、 広範囲で予備知識の無い分野が続々登場します。 そして多額のお金(時には億単位)が移動する審議の場に臨み、 賛成・反対の意思表示を決断せねばなりません。明確な自分の考え、 意見があってこその意思表示ですが、それが不充分な自分の未熟さを恥じ、 早く議員活動に必要な知識を身につけなければと痛感しています。 あと三年の任期です。やっと慣れて理解できるようになった時には もう終わり、という事にはならないよう、心していきたいものです。 |
市議会日誌 |
* 教育現場における不審者対策について 警察庁のデータによると、学校で発生した刑事事件は 平成八年の二万九千件から平成三年の四万二千件へと増加しており、 池田小学校や宇治小学校で起きた事件は、 学校施設の安全管理の在り方を改めて問うものである。 生駒市の安全対策を問う。 保育園や幼稚園の裏門管理、フェンスガードが 不充分なカ所もあるが、緊急の補修が必要ではないか。 独自に防犯用具(さす又・たて)を備えたり、警察と連携して 教職員対象の不審者対応訓練を行うところもあるが、 市としての取組みは。 ↓答弁(要約) 市としても一定の取組みを行うものであるが、フェンスや裏門の補修は、 各現場が独自に行うものであり、効果的な防犯用具の備え付けも 各学校にすでに配分されている費用でまかなうべきものである。 教職員対象の訓練については検討したい。 * Q.生駒市の米飯給食はどの様に調理されていますか? A. ○米は県から一括して支給されたものを使用 ○テフロンでコーティングされたカマを使って炊く。 テフロンは劣化するとヒビやワレから有害物質が滲出する為、 点検して2年ごとに取りかえる。 ○炊き上がった米はポリプロピレン製の弁当箱に入れ、 保温容器に入れて各学校に運ぶ ○弁当箱は8年使用(メーカーは10年保証) 百度で熱風消毒(ポリプロピレンは130度耐) ○使い捨てタオル、手袋、エタノール消毒等 衛生面は二重三重のチェック。 (テフロン・ポリプロピレン・エタノールが気になるところである。) * 何故急ぐのか!?高山第二工区開発 去年の11月の臨時議会で、高山第二工区開発の是非を市民の意見で 決めてほしいという約一万五千人の生駒市民の願い(住民投票条例制定)が、 あえなく市長や多くの市会議員に否決されたことはまだ記憶に新しい。 その後の動きとしては、 ○開発推進協議会が地元の国会議員と共に、石原大臣に直訴して、 公団への早期着工指導を求める。 ○新政会(11議員)から開発推進の広報紙が出される。 ○オオタカ検討委員会の開催 ○市・県・公団の三者協議の開催 等々。 16年度の予算案で見ると、第二工区開発事業関連では、 基金(事業の為の貯金のようなもの)として六百六十万円が計上されて いるだけである。しかし推進協議会の動きに呼応してか、 公団の年内にも事業認可をとりたいという意向は伝わってくる。 本来ならば一年半の観察期間を要するオオタカの調査期間を半分に 切り上げて、中間答申の形で早めに報告を出そうという話も出てきている。 開発経費は25億円という試算も、肝心の下水道工事は除いたまま、 誰が(県・市・公団)負担するのか明らかではない。 何しろ下水道整備だけでも70億円以上もの費用負担になるのだから…。 おまけに一万人の町づくりをしようというのに、この25億円の中には 公民館・消防署・教育施設等の公共施設は一切含まれていない。 開発事業が始まれば、この25億円が一体何倍に膨らむことか、予測がつかない。 京阪奈新線の三つの新駅周辺から大量の住宅が供給される。 さっと見積もっただけでも、一万人以上の人口は軽くかかえこめる規模である。 利便性の高い隣接地域から、大量の住宅が供給されるので、 第二工区は市場原理から言えばきわめて不利な条件にある。 これらの不確定条件の中で、 何をそんなに急いで開発を進める理由があるのだろう。 ○オオタカの観察期間を環境省のマニュアル通り一年半しっかり行うこと。 ○学研都市の名にふさわしい、キメの細かい一万人の町づくりに 必要な生活道路や施設等を含めた試算計画をきっちり公開する。 ○新駅周辺の宅地需要動向を見極めた上での開発事業の必要性、 あるいは規模について判断する。 例え数年かかったとしても、慎重に検討することに損はないと思うのだが、 市民の皆様はどう考えるのであろうか。 |
有村京子の憂鬱 |
* もっと財政問題に明るくなりたい 三月は今後一年間の予算を決める大切な時期だった。 議会最終日、この予算全般を承認するか否かの採決があり、 一部議員の反対はあったものの、大部分の議員の賛成で可決された。 私も賛成した。しかし、本当にこれで良かったのであろうかと 今も自問自答を繰り返す、すっきりしない気持ちである。 全てにわたって満足できる予算案ではないが、 生駒市ならではの秀れた福祉・環境・教育施策もある。 予算全体を否定するには当たらないのではないかと、その時は判断した。 でも後から様々な不安が湧きあがってくる。 ○今年度18億円の減収を基金(貯金)の取り崩しや 借入れ等をしてまで補うのであるが、減った収入に見合う節約型の 財政内容へもっと大きく移行していくべきではないのか。 ○経常収支比率(※)が、今年度は90%を越えるであろう勢い。 もうこのあたりが限界でないか。 経常収支比率を上げる一つの要因である公債費(借金返済費)を抑える為に、 大型公共事業はもっと精査されるべきであろう。 高山第二工区開発、東と西地区でのコミュニティセンター建設が これからの計画であるが、16年度予算上は、北部開発基金と 東地区コミュニティセンター施設検討委託料が計上されている。 来年度になればこれらの事業関連予算が大きく幅をきかすことになるであろう。 その時私はもっと重く悩むに違いない。 つくづく思う、財政問題に明るい議員になりたい。 ※ 経常収支比率とは、人件費・扶助費・公債費等、削減しにくい 義務的性格の強い経常経費に一般財源がどの程度使われているかを見る 財政の弾力性を測る指標で、通常、市町村で75%程度が望ましいとされている。 |
あとがき |
* 先生と呼ばれること 議員になる前は平凡な主婦だったのに、当選するや、 その日から「先生」と呼ばれる身分になる。 さすがに市民の間では、今時新米の市会議員を「先生」と呼ぶ人は 滅多にいないが、市役所の中では、「先生」という言葉が連発される。 多分「先生」という言葉を使った方が無難だから、大して意味無く 使われているのだと思うが、今まで未体験の呼称に、内心恐縮してしまう。 以前読んだ川柳に、 「先生と 呼ばれる程の 馬鹿でなし」 という句があったのを思い出す。 実質の伴わない「先生」がどれ程多いことだろう。 行政のプロ(市職員)に「先生」と読んでもらうだけの 値打ちのある議員になるのは、並大抵の事ではない。 |
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