『みどりの手紙』第15号 2007年3月

●『政治倫理条例』を提案しました

 「政治倫理条例」の勉強会を二回開催

 議員有志で、一月と二月に「政治倫理条例」の講座を二回開催しました。
 二回目の開催時には山下市長も参加されて「法令順守条例」の構想を
 解説されるとともに、公正さを希求する「倫理条例」の取り組みに、
 エールを送ってくださいました。

 生駒市議会は奈良県ではいち早く「政治倫理要綱」の制定に取り組みましたが
 その後政治家に依る不祥事は後を絶たず、ますます複雑巧妙化している
 ことから「政治倫理条例」を制定する自治体が増えました。
 拘束力の緩やかな要綱では、政治家自らがエリを正すという政治倫理条例の
 理念とはかなり隔たりがあるので、なんとか自分たちの在任中に
 「政治倫理条例」の布石を打っておきたいと思い、三月議会と四月選挙が
 迫る多忙な中、突貫工事で検討を始めました。

 提案した条例案は最高レベルに匹敵する程、厳格なものです。
 この条例では次のことを「禁じて」います。
 
 〇公職者が公共工事の情報を職員から聞きだしたり、職員採用、
   人事に介入すること。
 〇公共工事・納入契約の「口利き」、特定業者の推薦、紹介すること。
 〇本人、家族が市の公共工事を請け負ったり、納入業者となること等々。
 
 倫理条例の実効性を高めるため、
 〇本人、配偶者の資産公開 
 〇政治倫理審査会、調査請求権、問責制度も設置しています。

 平成12年、下北山村では、親族が公共工事を請け負っていた2名の議員が
 政治倫理条例に抵触するとして、自ら辞職されました。

 いくつかの先進自治体の倫理条例を参考にしながら、悪戦苦闘の末、
 やっと提出した「政治倫理条例案」でしたが、所管の委員会では
 賛成少数で否決されてしまいました。
 
 残念ではありますが、時間を急ぐあまり、合意形成ができなかった
 反省は あります。これで、あきらめることなく、ぜひ、次回に
 つなげていきたいと思っています。



 「コンプライアンス条例」(法令順守)
  企画総務委員会で否決


 三月議会で一番残念だったのは、企画総務委員会で市長提案による
 条例が、賛成少数で否決されたことです。(この時点では本会議での
 採決結果は未定)

 公務員の職務の中立性や公正性を確保するための制度で、その中でも
 特に重要なものが、議員等公職にあるものから口利き、働きかけが
 あった場合に、原則として全てを記録し情報公開の対象とするところです。

 現在、記録制度を設けているのは、鳥取県、高知県、長野県、横浜市、
 神戸市などたくさんの自治体があり、今後も増える傾向です。
 以前、鳥取県に視察に行き、効果を聞いたところ、制度が始まってから
 文書化する件数は年々減っていき、かわりに一般質問や委員会での
 質問件数が増えた、圧力を感じなくなったと話されました。
 鳥取県では片山知事の強いリーダーシップで、なんとか制度化できましたが
 議会との調整にかなり苦労されたようです。

 山下市長には今後も議会の合意形成に力を尽くして、是非とも
 「コンプライアンス(法令順守)条例」を成立させていただきたいし、
 私も支援していきたいと思っています。





●1期4年の集大成として

 とまどいと驚き、そして多くの出会いと学びを

 やさしい春の光に、若葉が萌え立つ季節となりました。
 春は門出のときでもあります。
 卒業式と入学式、終わりと始まり。
 私にとっても、この4月は、市会議員1期目4年間の終了期でもあり、
 2期目への可能性が開けるときでもあります。

 1年生議員にとってこの4年間は、とまどいと驚き、そして多くの出会いと
 学びに満ちていました。
 私の人生の中でもこの4年間は異彩を放ち、このような機会を
 与えてくださった市民の皆様には、感謝の念に耐えません。
 楽しかったこともうれしかったことも 今は全てがあり難く、
 私を豊かにしてくれました。

 1期目の集大成として、最終の活動報告紙15号をお届けします。







●この4年間で、取り組んだこと



  一年に四回定例議会があり、公的な場での発言、
 質問の機会があります。
 特に一般質問をするに当たっては、資料の収集、調査、勉強、
 発言内容の構成などで大方一か月近くを要します。
 また日頃から問題意識をもって、情報収集や勉強を心がけています。
 市民からの相談は大きなヒントになりました。


 平成15年一般質問

●「学校での紫外線対策(オゾン層破壊による有害な紫外線対策)」
●「学研高山第二工区の大規模宅地開発に反対」
●「政治倫理条例の制定(政治家の綱紀粛正)」等

  【印象深かったこと】
 「高山住民投票の会」にて、住民投票条例の制定を求めて、
 署名活動に奔走しました。私は会の発起人の一人であり、
 議員になる以前からの活動です。 
 現・山下市長は当時の会の代表でした。
 生駒市始まっていらいの大きな市民運動になりました。
 (結果は議会で投票条例案否決)
 


 平成16年一般質問

●「学校での不審者対策」
●「男女共同参画条例の制定」
●「高齢者対策(特別養護老人ホーム)」等

  【印象深かったこと】
 「高山住民投票の会」解散後、さらに市政の問題点を考えるため
 「生駒市の未来を創る市民ネットワーク」を設立しました。
 代表はこの時も山下真氏。市議会民主化を求めて
 署名収集活動も行いました。しかし、「市議会の
 民主化を求める請願書」は否決されました。
 この後、私は意見の相違により退会しました。



 平成17年一般質問

●「不登校対策」
●「口利き、働きかけ抑止対策」
●「聴覚しょうがい者への福祉支援」
●「せん定枝葉リサイクル事業」

  【印象深かったこと】
 次期市長選を念頭において、議員有志と市民とで
 「マニュフェスト実行委員会」を組織しました。
 山下真氏も主要メンバーの一人。
 半年近くケンケンがくがくの議論を重ね 
 マニュフェスト案の発表に至りました。



 平成18年一般質問

●「給食自校方式との併用」
●「高山第二工区開発の大幅な縮小」
●「学童保育体制の充実」「校庭芝生化」
●「レセプトの適正運用」

  【印象深かったこと】
 なんと言っても、市長選挙で市長が交代したことです。
 議員になって三年間、どの提案も日の目を見ることがなかったのに、
 市長が変わったこの一年間に随分前進したものもあります。
 マニュフェスト実行委員会で作成した内容が全て
 市長マニュフェストに反映されている訳ではありませんが、
 取り入れられている部分も多くあるので、参加した議員有志の
 思いは、かなり遂げられているのではないでしょうか。
 また以前、「市議会の民主化を求める請願書」が否決されたとは
 いうものの、その後、先輩議員の尽力により改革改善が進み、
 議会運営については他から視察研究に来られる程のレベルに
 達しています。



 平成19年一般質問

●「開発協力金の見直し」
 住宅を建設する事業からの寄付金で、社会情勢の変化、
 国からの再三の通達により、見直しや廃止をする自治体が
 増えている。


  【印象深かったこと】
 四月選挙に当たって、立候補者の数の多さ
 (おそらく今までの最高数)と
 新人候補の目覚ましい選挙活動ぶりです。
 現職の方がひっそりとしていて、入ってる噂は新人の華々しい
 街宣活動ばかり、大きな新旧交代劇になるかもしれません。




●あとがき

福の神にきて頂けるようスッキリ整頓します

 まだ三月議会も終わっていないのに、
 この活動報告紙は会期途中で執筆しました。
 選挙が近づいてくると新聞に折り込む期間が限られてしまうので、
 早く仕上げねばならないからです。
 まだ選挙の準備(書類作成、事務所の設置など)も進んでおらず、
 目が回りそうなほど時間に追われています。
 家事との両立も難しく、料理は手抜き、掃除もいい加減、
 室内は乱雑で、まるで私の頭の中を反映しているようです。
 「汚い家には幸はこない。」という話もあります。
 スッキリ整頓して福の神にきて頂けるようにしなければ…。



 痛烈なバッシングもまた楽しみです

 ここのところ、地方紙やミニコミ誌で、
 比較的山下市長に対して好意的立場に立つ私や
 数名の議員が、よく批判やバッシングをされています。
 山下市長に対するほど激しく厳しいものではありませんが、
 けっこう痛烈な内容です。それで毎回その新聞や
 正直言ってこれがけっこう密やかな楽しみです。
 辛らつな内容なのに何が私はうれしいのだろうか。
 変な人です