『みどりの手紙』第12号 2006年7月

6月議会報告 ①

「自校調理」について

朝食抜きや、独りぼっちの食卓、インスタントやファーストフード
添加物の多い食品、高脂肪、高蛋白に偏った食事など、
子どもたちの食生活が乱れてきており、それが肥満や高血圧といった
成人病予備軍へとつながり、精神的には、すぐムカつく、キレる
といった不安定な状態を作り出しています。

このような状態に至ったのは親たちの食生活への意識の低さが招いた
ものであり、本来では家庭での食事が正されてしかるべきでありますが、
ライフスタイルや価値観が多様化するなか、親の意識を変えるのは、
なかなか難しいようです。乱れた食環境のなかで、子どもたちは
伸び盛りの成長期を過ごしています。給食は毎日の食事三食のうち一食ですが、
正しい食事の最後のセーフティネットであり、給食を通じて食育を
子どもたちに広げ、子どもたちから親に伝わり、食生活の改善につなげる、
あるいは食育で育まれた子どもたちが大人になり親になって、良好な食生活で、
その子どもたちを育てていってほしいと思います。

平成十七年に「食育基本法」。平成十八年に「食育推進基本計画」が
決定されました。いずれも我が国の食をめぐる状況は危機的であると
認識した上で、学校における食育の推進を強く求めています。
そして「食育推進基本計画」では、学校給食での地産地消の推進、
単独調理方式(自校式)への推奨が明記されています。
そして子どもへの食育指導時間の確保、農業などの体験活動の推進、
日本の気候風土に適した米と多様な副食から構成される
「日本型食生活」の実践促進が述べられています。


 ■生駒市の現状■

センター方式で、小中学校合わせて一万二五〇食を
三九名の調理士で一括調理しています。
全国的に見て、自校式もセンター方式も、ほぼ同数ではありますが、
センター方式とはいえ、一万食りの大量献立を実施している自治体は
少なく、現在の体制で、どれだけ「食育基本法」や「食育推進基本計画」に
沿っているのか、はなはだ疑問です。

■市の回答に対して思うこと■

残食率の高さ、これが全てを物語っているのではないでしょうか?

農水省が発表した「食品ロス統計調査」によると残食率は
平成一二年で一般家庭では七・七%。
学校給食では四八九校のモデル校調査によれば、小・中学校で四・八%です。
生駒市の残食率一八%はかなり高いと言わざるを得ないでしょう。

なぜ残食が多いのか?

志駒市の子どもたちが特に偏食傾向にあるわけではなく、
作ってくれた人の顔や苦労が見えないから、
つながりが切れているから感謝の気持ちが湧いてこない。
そして手作り献立が少なく(一~二品)献立ができあがってから喫食まで
一~二時間以上もかかる。(麺類ではかなり食べづらい)

※食品衛生上も二時間を越えると菌が増殖するので問題とされています。
個別のアレルギー対応献立も不可能です。
三人の栄養士では、食育指導も満足にできません。
要するに現在のセンターの体制では、どんなに工夫、努力しても「食育」
にかなった対応には限界があります。

せめてセンターで作るにしても今の半分、あるいは三分の一量になれば
無添加の手作り献立が増え、喫食までの時間も短縮されて、
安全においしく頂けるのではないでしょうか。
これは一つの考え方ですが、例えば中学校三〇〇〇食をセンターで作り、
小学校は自校式という、センター自校式併用の選択肢もあると思います。
(「食育」の観点から完全米飯給食をどう思うかと、
質問したのですが、適格な回答がなかったのが残念です。)


■山下市長の答弁■
私としては、学校給食は自校式が望ましいという考えです。
学校給食検討委員会の中でも、今、ご指摘された内容について充分議論を
尽くして、学校給食の望ましいあり方を検討していきたいと思います。


■質問と回答■

 1.給食の残食率は?
 →平成一七年月平均、小中学校 で一八%前後

 2.アレルギー児童・生徒への対応は?
 →給食の原材料配合表を必要な保護者に配布。
  アレルギー調査表を渡し、質問に対応。米油を使用。卵抜き献立もあり。

 3.主食・副食合わせて約四品のうち、手作り品は何品か? 
   冷凍、レトルト食品の依存状況は?
 →フライ、焼きもの、蒸しものは冷凍かレトルト。ごはんも外注。
  汁もの・カレー、肉じゃが、あえものはセンター作り。


 4.地産地消(生駒市・奈良県産)への取り組みは?
 →肉や冷凍、レトルト野菜は国産。玉ねぎ、大根は生駒。米は奈良県。

 5.できあがった給食が食されるまでの時間
 →喫食まで二時間以上かかる学校が約三カ所。
 
 6.無農薬、省農薬、有機栽培、無添加食材への取り組みは?
 →残留農薬検査を行う。極力無添加を心がけている。

 7.センターから各学校への食育指導は?
 →小一を対象に指導。給食だより発行。

 8.「食育」の基本は「和食」であり、
  給食パンの原料である外国産小麦粉は残留農薬の危険がある。
  完全米飯給食が望ましいのではないか?
 →現在週二回のパン給食を楽しみにしている生徒もいる。




6月議会報告 ②

「紫外線」について質問しました


一昔前までは紫外線は健康に良いと思われていましたが、
今はフロンによってオゾン層が破壊され、
有害な紫外線までも地上に降り注ぐようになりました。
この有害な紫外線は白内障や免疫力の低下をひきおこし、
細胞の遺伝子を傷つけ、皮膚癌を発生させます。
また皮膚癌には至らないまでも、加速度的にシミ、シワなどの老化を進めます。

小さな子どもほど細胞分裂が活発なため、
遺伝子に間違いがおきやすく危険です。
母子健康手帳からも「日光浴」という文字が削除され、
世界保健機関(WHO)からも日光浴自粛勧告が出されました。
テレビでも紫外線情報が報道されるようになりました。
奈良県内でもUVカット帽子を採用したり、プールサイドや
運動会の児童席にテントや日よけを設置する所が増えてきています。

 1・本市では保育園、幼稚園、小学校で
     どのような紫外線対策がとられていますか。
 2・.教職員、保育士への紫外線啓発はどのようにしていますか。


  ■市の回答■

1・校園長会を通じて、熱中症予防も含めて帽子の着用、屋外での長時間の活動で
は日陰での適切な休憩を指示。プールサイドではテント等で日陰を作るよう指示。
保育園では、屋外でのタレ付きUVカット帽子着用を義務づけている。
幼稚園は選択制。園、プールにはテント、パラソルを設置している。

2・健康だより、園だよりにて、紫外線について啓発。担当者が紫外線研修会に
参加したり、他の教職員、保育士に伝達研修を行うよう指示している。



■市の回答について思うこと■

思い返せば三年前、議員になって初めての一般質問がこの「紫外線対策」でした。
当時と比べて格段に紫外線への認識が広まり、様々な対策がとられるように
なりましたが、まだ今後も有害紫外線量は増加していくので、
さらに充実した対応策が必要です。








あとがき

■自分にとって必要なことは人生の道筋で用意されている 


なんとなく来年四月の市議選が、目の前にちらつき出しました。
まだ九カ月も先のことなのに…自分でも意外です。
生駒市は立候補者の数が多く、多分定数プラス10から15名が
立候補すると予想されます(つまり激戦区)。

私も二期目を強い意思で目指していますが、当落は本人の
努力と天命(運命)の二つの作用があるような気がします。
いずれにしても、ふさわしい道は開けるし、必要なことは
人生の道筋においてすべて用意されているのだと思います。


■人と人、人と自然が支え合う共生社会を目指していこう

 最近感動した映画は「三丁目の夕日」と「がばい ばあちゃん」。
どちらも昭和30年代が舞台となっていて、私の子ども時代でもあり、
なつかしい場面が随所にあって、郷愁を誘われた。
今よりは、はるかに物のない時代だったのに、人情があって、

地域のつながりが深かった。今は、物は豊かだけれど、人とのつながりが希薄になって、
個人主義的になり、淋しい人、不安な人がいっぱいだ。
人間は精神的に孤立すると誤作動を起こす。犯罪の背景をたどっていくと、
大抵このあたりに起因する。犯罪やいじめ、自殺のない社会が究極の理想、幸せな社会。
そこへ少しでも近づいていくために、一人一人ができることはあるはずだ。
周囲が疲弊して、社会不安が増大すれば、誰もが被害者になりうる可能性が高くなる。
そこからすれば自分だけの幸福、安心はあり得ない。
 
皆が一定レベルの充足感や幸福感に満たされる社会が、夢物語であるとは思いたくない。 
個人の心のあり方と、政治、社会の機構、体制のあり方によって、
これからの方向性が決まる。
 
競争社会がどのようなものであるか、もう私たちはさんざん学んできたのでは
ないか。これからは共生社会、つまり人と人、人と自然が支えあい、
助け合う社会を目指していかなければ、私たちに未来はないのではないかと思う。