平成13年4月1日
奈良市医師会・奈良市衛生課
1.予防接種不適当者(予防接種法施行規則第2条)
(1)接種前の検温で、37.5℃以上の者
(2)重篤な急性疾患にかかっていることが明らか者
(3)当該疾病に係る予防接種の接種被の成分によって、アナフィラキシーを呈したことが明らかな者
(4)その他、予防接種を行うことが不適当な状態にある者

2.予防接種要注意者(予防接種実施要領及び市・医師会との申し合わせ事項〉
(1)心臓病・腎臓病・肝臓病や血液の病気などで治療を受けている者
(2)発育が悪く医者等の指導を経続して受けている者
(3)未熟児で生まれて発育の悪い者
(4)カゼなどのひきはじめと思われる者
(5)前回の予防接種で2日以内に発熱の見られた者、又は全身性発しん等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者
(6)薬の投与を受けて皮膚に発しんがでたり、体に異常をきたしたことのある者
(7)今までにけいれんを起こしたことのある者
  @けいれん発作後、1年以内は接種できない(通院中で症状が安定し,診断書があっても接種が認められません,各医師の裁量権は無いようです)
  A抗けいれん剤の投与を受けている者は、1年以内は接種できない(通院中で症状が安定し,診断書があっても接種が認められません,各医師の裁量権は無いようです)
  B単純性熱性けいれんと診断がついた者は、一般児と同様に接種できる。
(8)過去に中耳炎や肺炎などによくかかり、免疫状態を検査して異常を指摘されたことのある者
(9)接種しようとする接種液の成分に対して、アレルギーを呈するおそれのある者
(10)家族の誰かが感染症に罹患している場合は、発病当日から数えて以下の潜伏期間をあける。遊び友達・クラスメート等は、十分な問診により決定する。
  @麻しんは、10日間
  A伝染性紅斑・手足口病は、2週間
  G流行性耳下腺炎・風しん・水痘は、3週間
(11)予防按種を受けようとする者が、次の疾患にかかった場合は治癒後必要な間隔をあけて接種する。
@麻しん・流行性耳下腺炎・風しん・水痘・伝染性紅斑・手足口病は、治ってから4週間
A突発性発しんは、治ってから2週間
(12)輸血及ぴガンマグロプリンの投与を受けた者
  @麻しん・風しんは、輸血及ぴガンマグロプリン投与後3カ月以上あける。
  Aポリオ・BCG・不活化ワクチンは、輸血及ぴガンマグロブリン投与後接種してもよい。
3.予防接種の間隔
4.急性灰白髄炎(経口生ポリオワクチン)
(1)ポリオ生ワクチン投与後30分以内の嘔吐は、日を変えて再投与できる。
(2)投与後の下痢は、再投与の対象としない。
(3)垂直感染の場合のB型肝炎(HB)ワクチン接種者は、3回完了後1週間以上あける。
5.三種混合(百日せき・ジフテリア・破傷風)
(1)百日せきに権患したことが明確な者以外は、三種混合で援種する。
(2)第1期初回援種を確実に行い、基礎免疫を作っておくことが人切である。
スケジュールどおり受けていない場合でも、はじめからやり直すことはせず、規定の回数を越えないように接種する。
(3)第1期初回接種の1回回と2回目の間隔が8週問を越えた場合でも、2回目と3回目を3〜8週間隔で援種すれぱ、第1期初回接種を終了したものと考えてよい。
2回目と3回目との間隔が8週間を越えた場合には、その間隔が6カ月末満であれぱそのまま3同目を接種し、6カ月以上の問隔であれぱ3回目は行わず第1期追加接種を行う。第1期追加接種は、第1期初回接種後12〜18カ月の間に行うことが望ましいが、18カ月以上経過した場合には、速やかに追加接種を行うことが望ましい。
〈4)破傷風トキソイドを接種した場合は、三種混合の回数には数えない。
6.二種混合(ジフテリア・破傷風)
(1)百日せきに権息したことが明確な者は、二種混合で接種する。
(2)第2期接種は、11歳〜12歳(標準として小学6年生)全員が対象であり、幼兄期の接種歴は問わない。
7.風しん
中学生は標準として2年生で集団で実施する。
8.日本脳炎
(1)第1期初回(基礎免疫)接種の1〜2回目の間隔は、1〜4週間の間隔をあけて2回接種する。(やむを得ず4週間以上あいた場合は、同シーズン中なら接種可)
(2)第1期追加(基礎免疫)接種は、第1期初回接種終了後おおむね1年あけて1回接種する。
(3)第2期接種は、小学4年生で1回接種する。(ただし、小学4年生で接種できなかった者は小学5年生で1回接種する。)
(4)第3期援種は、中学3年生で1回接種する。
(5)第1期初回接種1回だけで1年経過した場合は、その年に2回接種する。もし1回しか、接種できなかった場合は、次年度1回接種する。
(6)第1期初回接種2回終了後2年以上経過した場合その年に1回接種する。
(7)第1期初回・追加接種は、90カ月未満の者に3回までで、年齢・回数とも越えたものは任意予防接種として取り扱う。
9.ツベルクリン反応検査・BCG接種(結核)
(生後3カ月〜48カ月未満)
(1)陰性であった者
判定当日にBCG接種ができなかった場合は、その日から2週間を越えない範囲であれぱ、BCG接種ができる。
BCG接種ができなかった場合は、ツベルクリン反応検査から行う。
(2)陽性であった者(強陽性または発赤の長径30mm以上の場合を除く。)
@再度ツベルクリン反応検査を行う。その場合は、2カ月以内に行うのが望ましい。
A陽性の判定は、合計2回で完了となる。
(3)ツベルクリン反応検査を再度行う場合は、注射部位の重複は避ける。
原則として
1回目 左前腕の中部 2回目 右前腕の中部
3回目 左前腕の下部 4回目 右前腕の下部
(4)
BCG按種について
ツベルクリン反応判定後、陰性者にはBCG接種を行いますが,BCG接種後反応の確認及ぴやり直しは現法律では行えません

ツベルクリン反応検査判定後の取り扱いについて

1.結核予防法第13条第4項(定期の予防接種)の規定により、実施したツベルクリン反応検査の判定が「陽牲」のものの内
(1)強陽性およぴ発赤の長径30mm以上
(2)再度ツベルクリン反応検査で陽性
結核予防法第5条(定期外検診)の対象者として奈良保健所に紹介する
予防接種実施上の申し合わせ事項
(個接種及び集団接種)
赤字はありまこどもクリニックによる注釈