腕時計

 

 

はじめは、ソファの上で室井さんと一緒にテレビを見ていた。

そのうち室井さんはその番組に飽きてしまって、雑誌を読み始めた。

せっかく一緒の時間を共有してたのになぁ。

ちょっと拗ねて。

むりやり、室井さんの腕の間にすべり込んだ。

彼の左足に頭をあずけるかたちで、ソファに寝転がる。

室井さんは一瞬ビックリしたようだったが、すぐに雑誌に注意を戻してしまった。

それがまた面白くなくて、下方からじっとその顔を見つめていたら、左手で目を覆われてしまった。

しょうがないので目を閉じてみる。

静かな空間が、心地よかった。

 

 

 

 

カチ、カチ、カチ。

何の音かと思った。

よく耳を澄ましてみる。

ああ、アレだ。室井さんの左腕についてる腕時計の秒針だ。

ちょうど耳のそばにあるんだ。

普段は、聞こえないのに。

 

 

 

 

腕時計の針の音が聞こえるぐらいの距離にいられる関係。

それが、ちょっと、嬉しかった。

 

 

 


青島くんの名前は出てきませんでしたが、ラブラブな青室です(笑)

 

本店の「KOALA×KOALA」に、「室井さん」を「あの人」にして載せてあるお話なのですが、

もともと青島くんと室井さんのつもりで書いた話だったので、こちらにも載せることにしました。

 

砂…吐くほどじゃないですよ…ね?(ドキドキ)