チョコレート
いつもいつも、彼から何かしてもらってばかりだ。
元から、こういう「恋愛ごと」で積極的に動く方じゃなかった。
女の子と付き合うことになったとしても、告白してくれるのも相手で、
デートに誘ってくれるのも相手。常に、受身なのは自分。
今現在、なぜか恋人という位置にいる青島との関係も同じく、彼が
積極的で私が受動的というもの。
たとえば一緒にいても、しゃべっているのは8割方青島だ。
これでいいのか。と、いつも、思う。
話し掛けたくないわけじゃない。
私が話し掛けて、青島が盛り上げてくれて、そして2人で笑えたら。
そういう幸せをいつも心に描く。
が、実際の私はそんなに話のネタが豊富でなく。
結局話し掛けることもできないまま時間はすぎてしまう。
これで、通じているのか?
青島は、私が青島と一緒にいて楽しいことをさとってくれているだろうか?
愛の言葉などを言うわけでもなく、大声で笑うわけでもなく、ただちょっと時たま
ほほえんでみせるだけの私が、楽しんでいるのだと気付いてくれるだろうか…。
そんなことは無理な話だ。無茶な注文だ。
表現しているつもりもないのに「読み取れ」なんて。
「好きだ」と言わないのに「気付け」なんて。
でも気付いてくれ。
私は、君が大好きなんだ、本当に。
ちょっと帰りにコンビニに寄って、ちょっと高価なチョコを買ってみる。
こんなもので気付くだろうかと思いながらも、これ以上は無理だと
悲鳴をあげる。
何気ないふりを装いながら、青島にひょいと手渡した。
「今日、2月14日だろう」
青島の顔が輝いて、一瞬本当に眩しく感じた。
それから激しく抱きしめられて、文句を言うと、もっと強く抱きしめられて。
「嬉しい!!!好きっ!!」
頭をぐりぐりと肩口のあたりにこすりつけられた。
言葉ではなかなか言えなさそうだから、物に代えて伝えるしかない。
君を愛してる。
…。ア、アマアマ…?(笑)
本当はバレンタインデーにUPしようと思ったんですが、それまで
このネタを覚えとく自信が無かったので、もうUPしてしまいました(笑)
つーかそれぐらいメモれ、私よ。