赤膚山元窯 古瀬堯三

赤膚山麓五条山
from Akahadayama , Gojyouyama.

奈良市の西郊の大半は、なだらかな丘陵地帯で占められいますが、赤膚山もその一つで、当時その不毛であった様子が和歌や古地誌などから想像することができます。

赤膚山より眺める夕日

衣だにふたつありせばあかはたの 山にひとつかさましものを  詠人しらず
 
世を憂しと思ひいれとも赤はたの 山は身をこそ隠さざりけれ  喜せん法師

紅葉するあかはた山を秋ゆけは 志たてるはかりににしきおりつつ 顕仲朝臣


日本名所事集 物集高量 明治四十三年刊より

大和国
あかはだやま 赤膚山。生駒郡都跡村大字五条の西に在り。禿山にして不毛の赤土なるが、今此の山の麓
にて陶器を製し、赤膚焼と云う。新続古今集の中に住吉明神の詠歌なりとて
      
 「衣たにふたつありせはあかはたの 山にひとつかさましものを」

( 着物さえ二つあったならば、何も着ていない赤膚の山に一つはかしたいのにかせないよ )

その他、日本地理志科 明治39年刊 、日本名所図絵(畿内の部)明治二十一年刊、帝国地名辞典 明治四十五年刊、大日本土産図誌 貞享元年刊また、続々群類従 明治39年刊では、狼谷とも記されています。

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