二酸化硫黄ガスと窒素酸化物が大気汚染の原因の主な要因であるといわれ、日 本では、これを減らすために脱硫、脱硝の技術が発達しました。しかし、工業地 帯を中心に大気汚染による公害患者が増加し、そしてさらに最近では、酸性雨が 原因となる森林破壊や土壌汚染も問題にあがっています。そのため、より一層の 強化が求められました。 石油や石炭を燃やすことが多くの二酸化硫黄や窒素酸化物を排出することとな り、その量は1965年頃は500万トンくらいでした。日本の公害対策により、 二酸化硫黄の原因である硫黄の量を減らした燃料や排煙処理の技術が急速に発達 しました。そしてその成果として二酸化硫黄の量は5分の1以下になりました。 窒素酸化物は、車の数が増えたために量は余り減少しませんでした。しかし、世 界の中では日本は最も高い公害対策の基準を設けており、技術も世界でトップを 保持しています。そして二酸化硫黄や窒素酸化物の濃度も最も低く観測されてい ます。これだけの厳しい基準を設けた日本ですが、その後も公害による被害は増 加しました。 そこで、これらの物質以外のものが原因であると考えられるようになり、その 一つとして光化学スモッグが挙げられています。 光化学スモッグの原因として、最近はオゾンが原因であると言われています。 オゾンは排気ガスなどに含まれる三酸化硫黄、黒煙微粒子等が紫外線に当たって 生じるといわれています。オゾンは、大気中の成層圏にあれば紫外線を防ぐため に役立ちますが、地上付近にあると、生物の呼吸器に影響を及ぼすということが いわれています。日本ではこれらの対策は欧米諸国と比べると遅れています。最 近は、日本の森林の被害は酸性雨ではなく、地上付近のオゾンによって生じるも のであると言われるようになっています。
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