初物のはなし 日本には、初物は縁起がよいとかご祝儀という意味合いがあり、重宝されます。 また、初物を食べると75日寿命が延びるという迷信もあります。そのため、初 物には通常よりも高い相場が設定されます。 年中、農産物が採れるようになった現代において、早く旬のもの採れるように 品種改良や栽培が行われています。早く出荷できればその分、高い値で売れるた めです。 初物は、先取りなので、数も少なく重宝されるので値段が高いです。その割に 味がいまいち・・・。特に農産物・海産物は明確に味の差がわかります。 初物よりもおいしいのは旬の物です。 鰹は初物は3月下旬頃にあがってきますが、おいしい旬の時期は5月です。 秋刀魚は7月に初物があがってきますが、脂ののったおいしい秋刀魚は9月頃 のものです。値段も初物の5分の1程度です。 旬の時期も気候や地理条件が違うため、各地によって差があります。さくらん ぼなどは早く実の付く山梨の方が山形よりも早いです。 終わり初物という、季節の末になって採れる農産物は、初物と違ってよく熟れ ておいしものがありますが、時期が遅くて出荷ができない場合や賞味期限が短す ぎるため、採れた農家で食べられてしまう場合が多いです。 また、お酒のボージョレーヌーボーも、その年のワインのできを確認する程度 のものです。ですから、解禁日のものが必ずしもおいしいものであるとは限りま せん。 おいしいものを食べようと思うならば、初物ではなく旬のものを食べる方が良 いということでしょう。
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