大型自動二輪 〜免許の取り方〜 大型自動二輪は以前は教習所で取得する事はできず、実技試験のみで行われ ていました。おまけに試験日は平日のみでした。だから十分に練習する事もで きないので合格率は非常に低いものでした。もちろん、教習所で大型自動二輪 の練習をさせてくれる所もありましたが、あくまで練習で、試験を受けなけれ ばなりませんでした。 現在ではこの試験の方法以外に、普通自動二輪と同様の方法で教習所で段階 を踏んで教習を受けて免許を取得する事が可能です。どちらを選ぶかが個人の 自由ですが、試験を受ける場合は一度で合格すればいいのですが、この試験は 非常に難しくそううまくはいきません。金銭的面からも、試験の方が一回で受 かれば安いものですが、何回も落ちていると教習所の方が安くなる場合も出て きます。また、教習所は教官が教えてくれるので、試験で受けるよりかはテク ニックや知識がしっかりと身につくと思います。特に、自己流の乗り方をして いる人は、試験では不合格になります。どこがいけないのかしっかりと手ほど きを受ける方が近道ではないかと思います。既に普通2輪免許を持っている人 は学科がパスであったり、教習時間が少なくなったりするので卒業検定まで短 時間でたどり着けます。 試験か教習所か、どちらで免許を取得するのかよく考えましょう。 〜第一段階〜 まず最初にやる事。それは、バイクを起こす事。つぎに、センタースタンド でバイクを立てる事です。どちらも中型と同じ要領です。教習所のバイクは、 中型は重さにして170kg〜190kg、大型は190kg〜220kgで すから、そう変わりはないと思います。ただ、無理な力をかけるとこのわずか な差でも重く感じるものです。 次は、バイクを押して歩く事。これも、バイクが左右のどちらかに傾いてい ると非常に重く感じます。 第一段階は中型も大型もたいして差はありません。ただ、バランスと重心を しっかりととらないと重くて動かしにくいです。 〜第二段階〜 低速走行でのコーナリングや急制動など。具体的には、8の字やS字、クラ ンク、一本橋、波状路などです。 やっている事は中型の時とほぼ同じですが、中型ならば力任せでもなんとか なったかもしれませんが、大型ではバランスを崩すもとです。力ではなくバラ ンスでコーナリングをしましょう。また、中型と同じコースを走るので、当然 大型の方が幅があるのでクランクやS字では大回りすると即脱輪です。もちろ んアクセルも少し回しただけで勢いよく動くので、ブレーキとの連携を忘れな いように。低速でバランスを保つためには、半クラッチでアクセルを開けて常 に動力を伝えながら、リアブレーキでスピードをコントロールしましょう。ち ょっとした違いでバイクの動きが大きくなるので加減をしっかりと覚えましょ う。 さらに問題なのは、この時の姿勢や目先など細かい所を教官はチェックしま す。ブレーキやクラッチレバーを4本の指で持つ事や、ニーグリップ等を特に 意識的に行いましょう。普段公道でバイクに乗っている時ではほとんど気にか けていないでしょうから、これを機会に自分のライディングスタイルを見直し ましょう。中型の時のように少しくらい甘く見てもらえるという事はありませ ん。 それ以外に、立ち乗りや足をつかないで走行、停止を繰り返したりします。 これらは全てバイクでのバランスを取る練習です。S字やクランク、8の字走 行はアクセルと半クラッチとリアブレーキを使いこなさないと、エンストや大 回りの原因になりますし、しっかりとバイクを寝かせて回らないと曲がりきれ ないです。普段でも低速走行でバイクを寝かせて曲がるということは少ないで しょうから感覚をつかむのが難しいです。 ある程度スピードに乗って走行する事は楽ですが、こういった低速走行やコ ーナリングというのは大型ではかなり難しいものです。 おそらく、全体で一番難しいのはここではないでしょうか。 〜第三段階〜 まわりの状況を的確に判断して、なめらかで安全な運転を行います。 標識や法律に則った走行に心がけましょう。ほとんどの人がすでに中型等の 免許を持っていると思いますので、もう一度思い出しましょう。 交差点での安全確認やウインカーの出すタイミングなどです。教習所は狭い のでウインカーや確認の動作はしっかりとその場その場で行いましょう。もた もたしていると動作の遅れるもとです。また、教習所は狭いのでだらだらした 走りになりがちなので、スピードや動作にメリハリをつけましょう。 また、自分流で走りなれている人は、安全確認や姿勢などがついつい正しく なくなります。また、公道で走りなれているので、教習所内とのギャップが大 きい事に気がつくと思います。自分流に染まってしまっている人は、今一度初 心に戻って一から習うつもりでがんばりましょう。 そして、正しい法規に則った走行を身につけましょう。 大型に乗る人はやはり他のみなさんのお手本になるような走行や姿勢でのぞ む事が大切です。 〜第四段階〜 運転の最終的な仕上げともいうべき段階です。 今までの総合的な事をしますので今まででしっかりと身についているかを見 極めておきましょう。そして、今までで苦手であったところはしっかりとここ で克服しておきましょう。 〜卒業検定試験〜 試験場で受けるのと教習所の検定とではどちらもたいして変わりません。ど ちらもかなり難しい試験です。ちょっとしたミスも許されないのでしっかりと 挑みましょう。 検定では、クランクやスラロームでのパイロンとの接触や一本橋で脱輪する と即失格になるのでそこは要注意です。他が完璧でもここで失敗すると失格に なります。 後は時間内に課題をクリア、法規に則って走行、そしてスピードを出す所と 押さえる所のメリハリをしっかりとつけましょう。全て第一段階からずっとや ってきた事ばかりなのであせらず確実に一つ一つクリアしましょう。 教習所では大型を扱う技術が確実に身につくのでとても有意義であると思い ます。試験所では学べないいろいろな事が身につくので免許を取った後もずっ と価値のあるものになると思います。
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