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横島ドタバタ恋物語

リポート4  人・神・魔全ての種族に愛されて


投稿者名:雅樹
投稿日時:05/ 3/27

「あ〜あ。二日連続で仕事キャンセル・・・・も〜!!
何で私がこんな事しなくちゃいけないのよ!!」
「ま〜ま〜。仕方ないじゃないですか。美智恵さんの頼みなんすから。」
「何でワザワザ小竜姫に会いに行かなくちゃいけないのよ!!」

美神は怒りブツブツ文句を言っている。
横島は美神を宥めながら歩いている。『妙神山』へ向かって・・・




事の起こりは数時間前。

「さ〜!!昨日の分も合わせて今日はジャンジャン稼ぐわよ!!」
「はりきってるなぁ〜・・・・まぁ、昨日一日女子校で無駄にしたからな。」
「横島君!!気合入れなさいよ。今日は結構手強いわよ。」
「うぃ〜っす。」
今日の除霊は久しぶりの高額ギャラで敵も中々の強さである。
美神は昨日の分も取り返すべくかなりテンションが上がっている。

「オーナー、玄関にお客様です。」
「こんな時に・・・追い返して頂戴。」
「しかし、相手はオーナーのお母様ですよ?」
「ママが!?・・・・・いいわ、通して頂戴。」
「分かりました。」
そろそろ出かけようかと思ったときに美神の母美智恵が事務所を訪れたのである。
腕には、まだ赤ん坊のひのめを抱いている。

「令子。ちょっとお願いがあるんだけど・・・・」
「いいけど・・・後にしてくれない?今から仕事なのよ。」
「実は、ちょっと急ぎの用なのよ。」
「・・・・・・・・・・何?」
「実は、妙神山へ行って欲しいのよ。前に小竜姫様から呼ばれてたんだけど、
仕事で忙しくてずっと忘れてたのよ。」
「それで今日私に行けって言いに来たわけ?」
「そうなのよ。私が行けたらいいんだけど、今日も仕事なのよ。」
「絶対に嫌!!私も仕事があるって言ったでしょ?」
「あなたと私では訳が違うのよ!?あなたは私の役職も知っているでしょう?」
「でも・・・・昨日も仕事できなかったのよ!?」
「あなたの仕事は明日でもできるでしょ?私はそう言う訳にはいかないの。
行ってくれたら、今度質のいい精霊石を提供してあげるわ。」
「ぐっ・・・・仕方ないわね。今回だけよ!?」
「はいはい。恩に着るわ令子♪」

美智恵は嬉しそうに、令子は少し納得いかないように、
しかし、しょうがないといった感じで今日の仕事をキャンセルする。
横島は二人が会話をしてる時、ひのめをあやしていた。
ひのめは嬉しそうに横島と遊んでいた。

事務所にシロとタマモを残して二人は妙神山へ向かった。
二匹は当然講義したが、「ステーキと油揚げ抜いてもいいのね?」
と、美神が言うと(それはダメだ!!)と行くのを諦めたのである。



「ふぅ〜、やっと着いたわね。」
「あいかわらず、こんな山の上に建ってるなぁ。」
二人は険しい山道を乗り越え妙神山にたどり着いた。しかし・・・
「えっ!?ちょっと!!どういうことよ!?」
「本日は・・・・都合により休業!?」
「何でよ!!ちょっと鬼門!!どういうことよ!?」
「おぉ、美神殿に横島殿か。久しぶりだな。」
「挨拶なんかどうでもいいのよ!!小竜姫を出しなさいよ!!」
「しかし、今日は大事な用事があってな・・・・」
「大事な用事?」
「実は、神界と魔界の者が・・・・・・・ブッ!?」
「ひ・・・・・左の〜!!」
いきなりドアが『バン!!』と開かれ何かが横島に突進した。

「ぐわっ!!・・・・・てててて、何だ?って、パピリオ?」
「ヨコチマ!!久しぶりでちゅ。会いたかったでちゅよ♪」

そう。横島に突進してきた子はパピリオ。
現在小竜姫が保護者となり面倒を見ている魔族の子だ。

「パピリオ。今日は何で妙神山閉まってるのよ!?」
「あぁ、今日は神界と魔界からそれぞれ来てるんでち。だから閉まってるんでち。」
「パピリオ!!もう、いきなり飛び出して・・・・あ、美神さんに横島さん。」

中から出てきたのは妙神山の管理人である小竜姫だ。
「今日はどうしたんですか?今日は実は取り込んでいて・・・」
「今日はママに頼まれてきたんだけど・・・・」
「美神美智恵さんに?・・・・あぁ、あの件ですか。あれなら実はもう片付いたんですよ。」
「何ですってぇぇぇ〜!!!じゃあ、今日は無駄足じゃないのよ!!」
「そういうことになりますね・・・・」
「ふざけるんじゃないわよ!!仕事キャンセルまでして来たって言うのに!!」
「それは・・・・うぅ〜ん、お茶でも飲んでいきますか?」
「当たり前よ!!全く・・・折角の依頼がぁ・・・・」
「まぁまぁ、美神さん落ち着いて。小竜姫様いいんですか?用事は?」
横島にしては珍しくまともな事を言った。
いつもなら「いざ!!禁断の愛へ!!」とか言って飛びつくのだが・・・・

「えぇ。用事と言ってもワルキューレとヒャクメが休暇を利用してくつろいでいるんです。」
「何ですって!?ワルキューレとヒャクメが!?これはハーレムじゃ〜!!」
・・・・・前言撤回。やはり横島はどこまで行っても横島だ。

「待つでちゅヨコチマ〜!!パピリオとPS2勝負するでちゅよ〜!!!」
と、パピリオも横島を追って中に入って行った。

(横島さんたら変わらないんだから・・・・私にだったら・・・・)
(顔が赤い・・・何考えてるか直ぐに分かるわ・・・)
小竜姫は横島の事を考えて赤面し、美神は小竜姫の考えてることを当てる。

「うぉぉぉ〜!!ここかぁ〜!!!」
凄まじいほどの鋭さを見せる横島の目。
ワルキューレとヒャクメのいる場所が分かったらしく勢いよく扉を開ける。

「よ・・・・横島!?」「横島さん!?」
ヒャクメの目もビックリの性能を誇っている。

「何で横島がここにいるんだ?」
「まさか・・・私達が来るの知ってたのね〜?」
「いや、たまたま来たんだが・・・」
少し落ち着いたのか冷静に話をする横島。
と、そこに・・・
「ヨコチマ!!パピリオとゲームするでち!!」
パピリオが横島の首にヘッドロックをかける。
「ぐぉぉぉ・・・・ギブギブ・・・・」

普通の子供ではありえない(プロレスラーもびっくりの)力で横島にじゃれるパピリオ。
もっとも、横島にとっては殺される一歩手前なのだが・・・・
1つ付け足しておこう。
横島が殺される一歩手前とは、並の人間ならとっくに・・・・(合掌)

―――閑話休題―――

「さて、パピリオ。お前とは今度遊んでやるから今日は猿と遊んでこい。」
「え〜!!嫌でちゅよぉ。猿いつもハメ技ばっかりやるんでちゅ。」
「あの猿は・・・小さい子供相手になんちゅう奴じゃ・・・」

口々に猿・・・斉天大聖老子(猿神)の大人気なさを非難する。

「あいつら・・・仮にもハヌマンに向かって・・・」
「身の程知らずなのね〜・・・・」
と、ワルキューレとヒャクメが汗を垂らして言っている。
当の猿はと言うと・・・
「ぶぇっくし!!ズズ・・・誰かわしの噂しておるな・・・女の子かの?」
猿神の面影は微塵も見当たらない・・・・

「ぶぅ〜・・・今度来た時は1日中遊んでもらうでちゅよ!!」
「分かった分かった。」
パピリオはブツブツ言いながらも去って行った・・・

「横島も大変だな。」
「大変なのね〜。」
「まぁ、あいつは俺にとって妹みたいな奴だからな。遊べる時は一緒に遊んでやりたいんだ。」
「今日は遊ばないのか?」
「あぁ、今日は・・・やることがあるからな。」
「やること?一体何なのね〜?」
「それは・・・・・・・・・・お前たちといい思い出作りを〜!!!」

横島がワルキューレとヒャクメにル○ンダイブを決めこもうと思い、
凄まじいほどの跳躍を見せ二人に飛びかか・・・れるはずもなく

チャキッ・・・・
「し・・・・小竜姫様・・・・」
横島の咽元に突きつけられている小竜姫の神剣・・・・
「何をやろうと思ってたんですか?」
「いや・・・・アハハハ。二人とスキンシップを・・・」
「へぇ〜、トランクス1枚でですか?」
「あれぇ〜?何でトランクス脱げてるんでしょうね〜?アハハ・・・」

・・・・・サクッ。
「ギャアァァァァ〜!!刺さってる!!神剣刺さってますよぉぉぉ〜!!」
「あれぇ〜?何で神剣刺さってるんでしょうね〜?ウフフ・・・」
「ウフフ・・・じゃなくって!!マジでやめて下さいよぉぉ〜!!」

「小竜姫!!神剣を降ろせ!!」「そうなのねぇ〜!!」
「・・・・・・・ワルキューレ、ヒャクメ」
「な・・・・・何だ?」「な・・・・・何なのね〜?」
「あなた達・・・何故顔を赤くして立ち止まってるのです?横島さんを退けるくらいできるでしょう?」
「「そ・・・・・それは・・・・・」」

「と・・・とにかく神剣を降ろせ!!出血しているだろうが!!」
「・・・・・・・・・・・・・横島さん。」
「は・・・はひぃ!!」
「文殊で傷を癒せるでしょう?」
「はひぃ!!癒せるでありまっす!!でも・・・今週はかなり使ったんで、多分もう出ないっす・・・・」
「何とかして文殊で癒してください。でないと・・・私が悪者になりますから。」
「い・・・・いいんすか!?ではさっそくー!!!!」
・・・・・・・・モミモミ。
「あぁ・・・・柔らかい尻や〜・・・・お、文殊できた。」

横島は小竜姫のお尻を大胆にも触った。
当然小竜姫が怒・・・・・・らない?
「・・・・・」
小竜姫は顔を赤くして立ち止まったままだ。
全く抵抗もせず、神剣まで鞘に収めている。
「しょ・・・小竜姫様!!それは誘ってるんですね!?不詳横島行っきま〜す!!」

ワルキューレたちにやった時と全く同じ動作で飛び込む横島。
小竜姫は立ち止まったまま動こうとしない。
横島が小竜姫に覆いかぶさる・・・・ことはできなかった。

「そこまでだぞ?横島。」
「わ・・・ワルキューレ・・・・」
「・・・・・・チッ。」
注)最後のは小竜姫です。

「さて、横島。選ばせてやろう。今すぐ死ぬか後で死ぬかどちらがいい?」
「何じゃそら!!理不尽にも程があるぞ!!」
「理不尽?貴様がやろうとした事は理不尽ではないのか?」
「そ・・・それは・・・堪忍や〜!!仕方なかったんや〜!!俺は欲望に忠実なんやぁ〜!!堪忍や〜!!」

「・・・では、1つ選択肢を増やしてやろう。今日はここに泊まってくというのはどうだ?」
「へ?何で?」
「そ・・・それは・・・久しぶりにこっちに来たからな。色々と情報を聞いておこうと思ってな・・・」
「それでいいの!?じゃあ、絶対それ!!もうそれにします!!」
(「それで上手くいけば・・・グフフフフフフ・・・・」)

横島が声に出しているとは知らず妄想に突っ走り、
ワルキューレは少し顔が赤く、少々笑顔なのは気のせいだろうか?
小竜姫とヒャクメは小さくワルキューレに親指を上に立てている。
言ってみれば(グッ!!)のポーズだ。

(フフ・・・横島と話をしつつベットへ・・・隠れる場所も抑えとかねば・・・クククク)
(私は横島さんをワルキューレとヒャクメの魔の手から守るために二人っきりに・・・ムフフ)
(いくら二人が横島さんを奪って隠れても私には全て『見える』のね〜。
私から横島さんを奪おうなんて一生無理なのね〜。
私が二人から横島さんを守りつつ・・・・・・・エヘヘヘヘヘ)

各自が今夜の予定を立てている・・・・
しかし、予定とは狂うためにできているものである・・・・
「何を勝手に決めとるか〜!!」
どげしっ!!

「ギャアァァ!!」
「勝手に決めてんじゃないわよ!!明日からまた仕事入ってんのよ!?あんたは仕事しない気なの!?」
「すんまへぇ〜ん。」
「あんた達も!!トリップしてないで戻ってきなさい!!」
「「「・・・・・・・・は!!」」」
・・・・・・・おかえり、3人。

「さ、横島君帰るわよ。」
「ちょ・・・ちょっと待つんだ美神!!」
「・・・・・・・・何?」
「い・・・いや、何も・・・・・」

美神の鋭い眼光にさすがの戦士も口を閉ざしてしまった・・・
ワルキューレが何も言えない=小竜姫とヒャクメに勝ち目はなし。

「横島君、帰るわよ?」
「へぇ〜い。」

横島は美神に連行されていった。
残った3人は連行される横島を時代劇風に「あんた〜!!」とか言って
神族も魔族も横島に汚染されているようである・・・・

そしてパピリオはというと・・・・
「またハメ技でちゅ!!猿!!いい加減にするでち!!」
「まだまだ甘いの〜。」
「そうでちゅか・・・」
「ん?どうした?もうやらんのか?」
「お前に同じことやってやるでちゅ!!」
「な!!ちょっと待つんじゃ!!」
「喰らうでちゅ!!20連コンボ〜!!」
「ウギャアァァァァァァ〜〜〜〜!!!!!!!!」

猿は雄たけびを上げて数日動かなくなったとさ。


――夜――

「はぁ〜・・・散々な一日やったぁ〜。
しかし、小竜姫さまの尻は良かった!!あの柔らかさ・・・ええなぁ。」
横島が小竜姫のお尻を思い出しニヤニヤしていると・・・

ジリリリリーンジリリリリーン・・・
横島の家の電話が鳴り出した。
「何だ?また鬼道か?・・・・・居留守だな。」
その内鳴り止むだろうと思っていた横島だが・・・

5分後・・・・
ジリリリリーン!!
「え〜〜〜い畜生!!長すぎじゃあぁぁ!!いつまでならしとんじゃぁ!!」
・・・・・何だ!?言っとくがもう絶対行かんぞ!!」
≪ほう・・・じゃあ貴様は留年を希望なんだな?≫
「な・・・・先生!?」

さてさて、横島は本当に留年してしまうのか?
その答えは・・・・・・・・また次回ということで。


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