さて、第1回目の答えあわせから始まる今回の韻乱ですが、
「予想外しまくってるやん!!」
とは周知の事実で、おもしろいくらいに当たってません。はい。
「当てる気あるんか?」
と罵倒を浴びせられれてもおかしくないくらい、当たってません。(元々参考にはならないと思われたのですが)、マジで俺の予想は当たらないですよー!これからも外しまくりますよー! ひぃ。
あぁ、次々回くらいには1枚くらい当てたい、、、。
では、肝心の答え合わせを。

Tommy february6  『MaGic in youR Eyes』
予想:11万枚
実際:56,239枚 = 5.6万枚
約2倍の予想をしてしまいました。
トミーってそんなに売れないの!?

一青窈  『ハナミズキ』
予想:3万枚
実際:10,4021枚 = 10.4万枚
1/3の予想。舐めてますよね、、、。ごめんさない。予想は1週目にして早くも達成されておりました。この曲、ベタだけど、よく聴くとよいね。ヒトトヨウって語感が日本人っぽくないなぁ。

くるり  『ロックンロール』
予想:6万枚
実際:48,506枚 = 4.9万枚
一番まともでしたね。それでも外れてるけど。努力賞くらいは貰えないでしょうか、、、。あー、けど、左の人の方がもっとジャストで当ててるんだよなぁ。精進します、、、。



RIP SLYME
『Dandelion』
2004. 03. 17 Release!!

気を取り直して、今回の予想です。リップスライムです。
久々のシングルは季節感を考慮したのか、ずんずんと散歩でもするように行進するビートと、そこに乗っかる軽〜いライムが絶妙な、めちゃくちゃ聴きやすい曲。
サビで一気に「ピースフル!」全快な風通しのよさになる開放感も見事。
って、そんなことが言いたいんぢゃないんだっての!
そう、尋常じゃないです、この曲に対する自分の感覚が。
もうね、今までリップスライムで笑ったことも、しんみりしたことも、他の大好きなアーティスト同様ありましたよ。
けど、これは泣いた。 試聴機の前で泣いた。
大体、「ピースフル!」だなんて、今のご時勢、何処の誰が言いましょう。 そんな幻想は、必然か偶然か、今世紀の初めにモロくも崩れ去ったと思うんですよ。
んで、新世紀になって、初めて世紀末のような、否が応でも、自己回帰していかないといけないような世の中になったと思うんですよ。 だけど、その”自己回帰”は巷に溢れる夢見がちな”自分探し”では決してない。
「無難を望んだって無理なんだから、革命を起こそうか?」
そんなこと言っても不可能なのは、みんな分かってる。
ならば、せめて見たくなかった部分に目を向け出そうとしなくちゃいけない、気がするのです。
大義名分がほとんど機能しなくなった昨今に、これまでの”かもなくふかもなく”な社会的道徳を当てはめても無理だっての!
音楽でもそうなの知れない。
「夢を失うよりももっと悲しいことは、自分を信じてあげられないこと。」 なんて、某ジュピターさんの曲が売れ売れですが、んなこと、みんな気付いてるの! 今更、なんでお前さんにそんなことを声高々に言われなくちゃいけんのか。
今、売れている曲をエンドレスで聴く度に、どこか憂鬱な気分になるのは、みんな作られた希望を願っているからなのかもしれない。
現状がどこか悲惨であるということを根本的に捉えようという姿勢がない。それなのに、由縁のない希望をいう希望を吐きちらす。
それじゃあ、余計不安になりませんか?
音楽(文化と置き換えても可)は、世の中を変えることはできないし、はっきり言って無力だと思う。
けど、”表すべきこと”が何かを考え、誰か1人の気持ちを軽くしてあげることはできると思うのだ。
あっ、何だかおやじのウンチクみたいになってきたぞ、、、。
と、リップのこの曲は、(それなりに)売れるであろうし、売るために作られたのであろうし、つまりは流通戦略の真っ只中にいるような、そんな感じなんですよ。
それなのに、同時にどうしてかこんなに人の横を歩いてくれるような安心感があるんだろう。
毎回のよーにトラックは巧妙に作られているし、4人のマイクリレーも的確なり。
あえて言うなら、より聴きやすいメロディが多くなったことで”今まで以上にヒップホップという既存のルールを無視しちゃってる”のだけれど、今までと、革命的に変わった部分は多分ない。
でも、全く違うんですなぁ。 それは何か?
この曲は、「夢は適うんだ!」(とか、まぁそんな系統の言葉)と現実の中に作られた仮想現実で願うのではなく、「あー、明日晴れないかなぁ?」と日常を生きている。
それって、売れているリップスライムが作ったのが、高性能なヒットチャートマシーンの形をした、”部屋で引き篭もってる自分には何もないけど、誰かと散歩するために外へと出た”ような瑞々しい空気だったということなんですなぁ。
だから、これは「ピースフル!」ではなく、「フレッシュ!」
「何にもないけど、やっぱ何かあるでしょ?」ということなのである。
中学生のウォークマンから、「Dandelion」がこぼれてきたら、はっと気付いて、もっとちゃんと周りの風景を見るだろう。大袈裟だけど、何だかホッとした気分にすらなるかもしれない。
ただでさえ当たらない予想ですが、これはもう完全に自分の希望で 22万枚 くらいは売れてほしいよ。


森山直太郎
『生きとし生けるものへ』
2004. 03. 17 Release!!

はい、直太郎さんですねぇ。
「桜」の人っていう、”「ハム」の人”みたいな認識のされ方から、抜け出したいんでしょうか。
何とも重たいタイトルです。
「生きとし生ける物へ」
プロジェクトXのエンディングで流れそうな勢いですよねぇ、タイトルからだけしたら。 しかし、それに負けない濃厚な音の応酬ですよ。次から次に大きな波が押し寄せる。
「もうこうなりゃ、トコトン分かり易い感動的な音を目指しましょう!」
ってな、空気がビシビシと感じられます。
しかし、直太郎さん、”「生きとし生ける物へ」の人”だとは呼ばれたくないだろう、、、。
なんて、どーでもいい懸念をしてしまうのは自分だけでしょうか?
そして、どうにもこうにもドママチックな、コテコテなこの曲。
和田アキ子とかが歌ったら、きっと聴けたもんじゃありません。中島みゆきでもそれは同じだと思われます。
声の質感と感情が入り過ぎて、周りの音の濃さとともに、カオスになってしまう気がするんで。
その点、直太郎さんはいいですねぇ。
これだけ雄大なバックを用意しつつも、本人の声は何処か抜けている。息抜きを出切る余地がある、音とは若干外した感じの歌声が、よいと思います。
「いやいや、もっとこの濃いいバックトラックにねっとりと着いていかねばいかんねん!」
って、それじゃあ、もはや演歌ですよ。 この曲。
この段階でも、節々に演歌っぽい雰囲気を醸し出してるし、これ以上の濃厚さははっきり言ってマイナス要因ではないでしょうか。
といっても、「桜」で可もなく不可もなくな淡くてキレイな歌を披露してた印象よりは、大分と色合いがキツクなってきましたが、、、。
変化することはいいことで、もう「桜」も1年前なわけだし、音的に新しい要素を取り入れるのも重要だと思うんですよ。
「けど、これはちょっといただけない。」
ってのは、往々にしてありまして、何でも壮大にすればいいってもんじゃないし、変化とスピードが伴わない作為的な感動では、人の心は動かせませんぜ。
ってか、そもそも感動ってそういうもんじゃないでしょ?
「これじゃあ、映画のCMみたいやん!」
(↑観終わった後の観客に「すごいよかったです〜!」とか「泣きました!」とか言わせたもんを垂れ流すやつね。大嫌いなんです、あれ。)
さりげない清涼感を漂わした方が、きっと素敵なんじゃないかなぁ、と勝手に思うんですが、どうなんでしょう?
とりあえず、「”夕暮れの代弁者" から "起き抜けの革命家"へ進化した〜」云々といった売り文句は辞めた方がいいと思います。
俺は「夕暮れの代弁者」の方がまだよかったぞ! (と、これは個人的希望か。)
あと、この曲、サビでSmashing Pumpkinsの「TODAY」のリフがまたしても使われてます。 こないだの一青窈の「ハナミズキ」といい、最近さりげなくスマパンブームなんでしょうか?
と、全く予想の方向へとことが進まないので、この辺で適当に。 5万枚。


後藤真希
『サヨナラのLOVE SONG』
2004. 03. 17 Release!!

んで、今回の最後を飾るのはゴマキさんです。なれない略称を使ってみました。
個人的には、この人が歌っている曲への知識は皆無に等しく、『原色GAL派手に行くべ!』という凄まじいタイトルの歌があったなぁ、くらいの印象しかありません。
さて、そんなほぼ初めての状態で聴いてみたゴマキの歌ですが、これがなかなか聴ける!
「意外に歌いけるやん!」
というのが第一印象です。 決して上手いと言うわけではなく、どっちかと言うとカラオケ的な発声方法が確立されていないヘナヘナな歌唱力だとは思うんですが、声質には何か艶みたいなものがありますねぇ、いやらしくない程度に。
そこが、ただの下手くそアイドルの曲になっていない点なのかもしれません(ゴマキのパブリック的なアイドルの位置は相当微妙だと思われるんだけど。)
ともあれ、予想外に歌がよかったので、なかなかよく聴けました。
が、「この曲と特にバックトラックはないだろう、、、。」
というのも確かな感想です。
現在、ちょっとした80年代テクノポップブーム(トミーフェブラリーとかSPANK HAPPYとか)が来ているのかもしれませんが、このひょろひょろの何ともメリハリのない安っちい電子音を垂れ流すようなバックトラックは頂けない、、、。 そして、そこに乗る何ともありきたりで、何度も焼き増しされてきたかのようなメロディ。
今回は恐らくミディアムテンポの卒業シーズンに合わせたバラードちっくな路線を狙っていたんでしょうけど、こんなんじゃあ卒業できねーよ!!
ゴマキ自体の歌がそこそこ聴けたので、その部分が余計にもったいないなー、なんて思いました。
カラオケヴァージョンが入っているんだけど、これだけ聴くと、ホントに曲のクオリティの酷さが浮き彫りになります。 いくら売れてるからって、もうちょっと気合入れたほうがいいんじゃないでしょうか? つんくさん。
80年代ピコピコポップを目指すなら、もっと過激にベタにピコピコにファンシーに!
この90年代中頃のような何とも中途半端な音作りは、チープという武器も、また逆にオーガニックといったココ最近もてはやされている(もう終わってそうだけど)武器も持っておらす、完全に時代に付いていけてない印象を強烈に受けました。
それが、まぁ、露骨に売れよう売れようとしてなくて、アーティストの意向でこういう音なら、楽しめると思うんですよ。
けど、ハロプロだし。 明らかに売るためのプレゼンでしょう?コレは。  うーん、ぬるいなぁ。
折角今回のために意気込んでレンタルしてみたのに、笑えるわけでもなく、何とも煮え切らない夢見がちな音だけが鳴っていて、ちょっとガッカリです。
あっ、ちょっと辛口過ぎました? 予想は無難なトコで6万枚!



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