全日本選手権、移動記。

1.大阪→長野
普段はずぼらな上司が大掃除に目覚めてしまい、床のワックスを塗り替えると言いだした。おかげで普段なら一日で済ませるはずの年末の大掃除が、二日がかりのスペシャルバージョンになってしまう。
お昼過ぎから拭き掃除を始め、午後4時ごろからワックスの剥離剤を床にまいてスポンジでこすって水ぶきで剥離剤をふき取るという大作業。結局会社を出たのは午後7時過ぎ。今日は会社を早い時間に出て一度家へ戻って荷物を減らすつもりだったのに…実質3泊4日の旅行になってしまった。

今回の移動はJR大阪駅からの夜行列車。午後9時44分発の急行「ちくま」が発車するのは10番ホーム。長野方面として独立したホームではなく、「米原、京都方面」として9番ホームと一くくりにされている。9番ホームでは米原方面への新快速を待っている会社帰りの人達が並び、10番ホームでは大きなリュックサックを抱えたジャンパー姿の子供たちと引率者の大人が並んで待っている。ここで日常と非日常の両方の光景を見たのは予想外だった。
列車の中で友人Kと合流するが、周りの乗客はほとんどがジャンパーを着た客でコート姿の私達は少し浮いている。もう冬休みに入っているのに子供が多いのが意外な気がしたが、考えてみたら今日は仕事納め。家族旅行や引率者の大人が動けるのは今日からになる。いくら暖冬でもスキーシーズン。スキーの拠点になる長野行きの夜行を利用する人もそりゃ増えるか。二人並べる席を押さえていてくれたKに感謝。
携帯から全日本のショートの結果と点数を確認し(せいいちさん感謝!)、ああだこうだと展開を推測しているうちに京都、米原をあっさり通過してしまう。点数から展開が推測できるのが旧採点のいい所。「11時半に寝よう」と言っていたのだが、子供達のテンションが静まらないし車内の照明もまだ落ちない。
名古屋を出た午前0時にやっと照明が少し落ち、寝ることにする。


とは言ってもテンションが上がっているのでそうそう熟睡できない。睡眠不足気味なのだが、アルコール8%のチューハイでは寝酒には足りなかった。


目が覚めて時計を見る午前3時、電車が止まっている。どこの駅かはわからないが、乗客の乗り降りとは関係なく到着時間の調整のために止まっているのだろう。窓の外を見るとホームに雪が積もっていて、しかも吹雪いている。
雪の中で眠る。列車も人も。

…ときれいにまとめたいところだが、そううまくはいかない。
車内はそれほど寒くないのはありがたいが、照明が問題。眠る時間に本が読めるほどの明るさの照明というのはどうかと思う。これでは眠る態勢になりにくい。起きている人が結構いて、私もここから先は寝たり起きたりの繰り返し。寝たという感覚がほとんどなかった。


長野到着のアナウンスがある頃には窓から川中島の広い空間が見えるのだが、まだ夜は明けない。

急ぐ旅ではないので他の客が一通り降りてしまってから降りることにする。ほとんどの人が防水の利いたジャンパーを着て大きなリュックサックを背負っている。たまにコートを着ている人はいるが、持っている荷物が1泊や2泊の旅行の大きさではない。関西から全日本を見に行く「お仲間」がいるのではないかと期待していたのだが、そんな気軽な旅の人間はいなさそうだ。
夜も明けない午前5時30分だが、駅構内には結構人がいてある程度の賑わいがある。スキーを持った人が多い。長野は信州各方面への玄関口なのだろう。
改札口を出ると長野オリンピックのシンボルマークが出迎えてくれる。

このマークを見る度に長野に着いたんだ、という感慨を持たずにはいられない。
長野がNAGANOになっていた時のことは今でも覚えているが、そのことについて話すのはまた別の機会に。
関西から見ると長野というのは本当に不思議な場所だったりする。距離としてはそんなに遠くないのにいざ行くとなると夜行電車や夜行バスで一晩かけて行かなければいけない。夜行での移動はなかなかの体力勝負、着いたという達成感は北京や旭川に行く時のそれより大きい。
長野が聖地のように思えるのは、この達成感の大きさもあるのかもしれない―――


などという感傷は駅のビルを出て3分でぶち壊された。
寒い!!!!!


夜行明けの冬の長野は何度か体験しているが、雪が降っているのは初めて。これだけ寒いのも!
長野オリンピックの時はこんなに寒くなかった。寒いとは思ったが、善光寺参りをする余裕があった。でもこの状況でそんなことやったら絶対に風邪をひく、というかそんなことをする余力はない!そういえばオリンピックの頃は暖冬だったのだ。さすがウィンタースポーツができる地域、本当の長野はこんなに寒かったのね。
ビルの表示では0℃になっているが、風が吹いているので体感温度は確実に氷点下。下手したら3年前の旭川より寒い!!

幸い大通りに雪は積もっていないが、少し外れると道が凍りついている。慎重に歩いて宣伝文句徒歩6分のホテルになんとかたどり着いた。予約しているホテルの展望風呂に入ってほっと一息、風呂場でPさんとRさんに会ったので、昨日のショートの詳細を教えていただく。

お風呂に入れてよかった…善光寺参りしてミスドで時間つぶしなんていうスケジュールだったら確実に風邪ひくわ……。

(すみません続きます^^;)