先ず、事前に目的地を設定・登録しておくのであるが、その際に「一般道路」を優先利用するかあるい
は「有料道路」、目的地によっては「フェリーポート」を優先するかを確認してきて、その 後該当する3つの推奨ルートを探索し提案してくるのである。因み
に私は自動車メーカーの純正品を
装着したので、安全対策上から走行中の探索は基本的にはできない仕組みになっている。
いざ出発の際には、予め登録した目的地を呼び出し「案内」を示すキーをプッシュする。すると
滑らかな女性の音声で運転の注意を喚起するメッセージが流れ、否が応にもドライブに出たことを
実感することになるのだ。自宅を出て交差点に差し掛かる手前になると「〇〇メートル先、右(左)
方向です。」という例のメッセージが流れてきてプログラムが間違いなく作動していることを確認し、
安心する。なお、普段通り慣れているために敢えて異なる経路を選択した場合や、期せずして迷い道をした場合には「リルート」機能が働き直ちに当初設定した
ルートに復帰するコースを自動的に探索してくる。
さて、有料道路の利用を選択した場合には、入り口が近づくと「〇〇メートル先、高速入り口です」
というメッセージが流れ、また、出口料金所手前では通行料金まで報らせてくれる。さらに、高速道指定行中、「略図表示」を選択すれば、次のIC及び最寄り
のPAやSA迄の距離等の情報を表示してくれるので、料金所で慌てたり、自らの生理現象の限界を徒に過小評価することもなくなる。 そして、いよいよ目的
地が目前に迫ると、例の音声が「目的地が近づきましたので、案内を終了します。」と報じ、交通安全による無事到着の喜びを噛みしめるのである。 |
以上は、カーナビの諸機能の内、「ルート案内」といわれる基本的ではあるが、最も利用価値の高い
部分を実体験に基づいて大まかに紹介した。その他の面白い活用法として、自分の行きたいところを前述の要領でセットしておき「オンルート」キーをプッシュ
することにより、平均時速80kmで、画面上シミュレーション走行する機能があるこれだと交通事故に遭うこともないし、ガソリン代も要らないのでお薦めで
ある。ただ事情を知らないギャラリーによって、停止した車中で一人夢中で、しかも時々笑みなどを浮かべながら、何やら不可思議な機器を操作している現場を
目撃されたとしても平然と「何事も備えあれば憂いなしですよ!」とさりげなく説けるだけの余裕を忘れてはいけない。
とにかく、カーナビは文明の利器としてはその実用性においても特記すべきものである。ドライバーが
自動車を運転して、所定の目的地に無事に到着することをサポートするのがカーナビの本領だとすれば、敷衍してドライバー=経営者、自動車=会社(企業)、
運転=経営、目的地=企業の繁栄(節税を含む)と読み替えた場合にカーナビ=税理士となるのは論理の必然であって自分自身、ドライバーに対するカーナビの
ような存在でありたいものだと思った。寝付かれぬ旅先の床で一日の道中が走馬灯のように駆け巡り、そんなことを考えているうちに夜は更けいくのであった。
「近税みなみ」第34号(平成11年1月10日)18頁から
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