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SPACETIME 2004

Introduction to the Philosophy of Space and Time


第1回課題 (締め切り10月26日火曜日、字数2000字以内)

テキスト図46のように、互いに一様等加速運動をしている二つの系、K とK’(エレベーター)を考えよう。アインシュタインは、次の二つの記述は物理的に等価だと論じた。

  1. (Kから見れば)Kは慣性(ローレンツ)系であり、K’は一様加速運動をしており、中の支えのない物体は慣性運動をしている。
  2. (K’から見れば)K’は加速運動をしているのではないが、一様重力場があり、中の支えのない物体、および外の系Kはその重力場で自由落下している。

もし、Kがローレンツ系だという仮定を落として、KあるいはK’を単に「基準系」(参照体、または基準座標系)としてとるというのであれば、等価原理の内容はどのようになりうるだろうか。ありそうな候補を一つ考え、アインシュタインの等価原理とどういう違いが出てくるかを論じてみよ。


コメント

基本概念をきちんと理解したうえで問題を解釈し、回答を考える。この基本ができている人が少ないのノ。「ローレンツ系である」という仮定は、相対性理論ではどのように利いてくるのや?特殊相対性理論は、ローレンツ系でなければ使える保証がないじゃろ?では、この仮定をはずした問題の設定ではどうなるのじゃ。

「基準座標系」とはどういう意味やったかノ?慣性系のような、物理的な意味を持った系と、単なる座標系とはどう違うのか、さんざん説明したのではなかったかのノ?

ならば、課題の問いは何を聞いとるのや?あと知恵でもってアインシュタインの混同を批判するのは易しいが、アインシュタインが取り組んだ問題の難しさが少しは実感できたかナ?


Last modified Oct. 27, 2004. (c) S. Uchii