How to make a model?
述語論理のモデルを作るには、命題論理(真理関数の理論)の場合に比べてはるかに手間がかかる。しかし、基本は、式の構造分析と、真理条件の帰納的定義をさかのぼっていく分析につきる。以下のフローチャートを参考にせよ。
モデルは、必ずしも集合論の枠内で作らなければならないということはないが、これがもっとも一般的なのでそうしているということにすぎない。例えば、次の命題を真とするモデルを作りたいとしよう。
(1)すべての四角形は赤か黄色である。いかなる円形も三角形と五角形の間にはない。
これを記号式で表すなら、「xはyとzの間にある」をI(y,x,z)とし、四角形Q、赤R、黄色Y、円形C、三角形T、五角形Pとして、
(2)∀x(Q(x)⊃R(x)∨Y(x)) & ∀x(C(x) ⊃ 〜∃y∃z(I(y, x, z)&T(y)&P(z)))
となる。これを真とするモデルは、例えば次のような図形の世界でもよい。
し かし、このような図形の世界も、(1)や(2)の真理条件を与えるという役割に関するかぎり、集合論的構造で代理させることができるのである。右側に書い たように述語に対する付値をおこなえば、これは図に描かれた事実を成り立たせるようになっている。モデルの理解に不安がある人は、このような図示できるモ デルから集合論的構造に移るという作業をやってみるのも一案である。集合論やモデルがわかりにくいと思う人は必ずしも「アホ」ではないが、こういった努力 もせずに「わからん」とあきらめてしまう人は「アホ」や。それから、この時期になってまだ記号式がきちんと正確に書けん人はダメ。論理学に向いてない。論 理がわからんでも、世の中生きていくに不自由はせんデ。「好きこそものの上手なれ」