7月にnKoikeさんからメールが届きました。小手先プロジェクトのネタ提供とのことで。内容は、大型容器のヨーグルトを食べ残すと翌日には水がたまってしまうことの回避方法です。
しかも、すでにご自分の結論を得た上でのネタ提供ということで、、、緊張します。
まず、あの水の正体を調べてみます。検索エンジンでいろいろと探してみると、消費者のQ&Aに良くある質問らしく、なかなか詳しい説明があります。
せっかくなので、集めた情報をまとめてみると、
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ようするに、ヨーグルトの母材の組織中に水分が保持されていて、何らかの外乱により保持しきれなくなった水分が溢れてくる、というところのようです。
たとえるなら、地下水やコンクリートなんかにも見られる自由水の様なものでしょうか。
どうやら今回はおちゃらけている場合ではなさそうです。
ホエーが出てこないためにはどうするか? 大きく分けて2通りのアプローチが考えられます。最初からホエーを組織から染み出させない方法と、染み出してきたものを別の方法で閉じ込めて水溜まりにしない方法です。
(1) ホエーを組織から染み出させない。
これには、さらに、(1-1) 外乱を与えない。
(1-2) 水分の保持容量を増加させる。などがありますが、(1-1)はそっと取り扱うことで何とかなるか、というところ。
(1-2)は、温度、圧力などの保存状態の工夫により、母材(カード)のホエーの保持能力を上げることにより染み出さないようにする方法ですが、保存を一般家庭の冷蔵庫で行う以上、もし方法があったとしても実用的ではありません。
(2) 別の水分保持方法で閉じ込める。
これには、さらに、(2-1) 母材に他の方法で保持させる。
(2-2) 母材以外のもので保持させる。の2つが考えられます。
(2-1)の組織中から染み出してしまった水分を保持する方法は、もともとの状態のように文字どおり(2-1-1) 組織中に閉じ込める方法と、(2-2-2) 組織と組織の間に閉じ込める方法とがあります。
ここでは(2-1-1)ができなくなった場合の話をしていますから、(2-1-2)について話を進めます。
これは、固体で言うと結晶粒界に閉じ込める方法ですが、これは簡単に言うと毛管現象と同じです。
具体的な方法としては、母材の間にたくさん隙間を作るのですから、混ぜ混ぜする方法になるでしょう。(2-2)は添加物や水分を吸収するもので吸い取ってしまう方法で、確かに簡単に効果は出るでしょうが、栄養豊富なホエーを無駄にするのは良くありません。
私が注目したのは、最も簡単な混ぜ混ぜ法でした。
元々のヨーグルトの連続的で滑らかな母材を混ぜることにより細かい母材の集合に変えて、母材どおしのスキマにホエーを閉じ込める方法です。
実際、家内が実験してくれたところによると、確かに水溜まりになり難いとのことでした。
で、ネタ提供者のnKoikeさんに連絡を取ってみると、、、違った。
nKoikeさんは(1-1)の外乱を与えない方法で、さらに切断面を水平にしておく方法を取ったとのこと。
確かに、単に外乱を与えないだけでなく、水平にカットしておけば、ヨーグルト全体にかかる重量バランスが大きく崩れることがないので、静的にも安定してホエーを保持できそうです。
つまり、ヨーグルトが出来上がった状態をできるだけ保つことがポイントと言えそうです。
あらかじめ混ぜておく方法でもそこそこの結果なので、きれいに水平にカットして静置できる環境ならその方法で、子供がいたりして無理ならあらかじめ混ぜておくということでいかがでしょうか?
nKoikeさん、ご協力ありがとうございました。