ずいぶん前になりますが、とあるWeb上で自分と同じ誕生日の人が周りに多すぎて、ありふれた誕生日に嫌気がさしていると書いている人がいました。
なんでも、周りの100人の中に自分と同じ誕生日の人が自分以外に4人いらっしゃるとか。 そこで、その人の状況というのは見方を変えると決してありふれたのもではなく、めったにないすごい確率の経験をしているのだと励ましのメールを送ったのですが、どうやら理解できなかったご様子。 ひょっとして、このサイトに紹介しても「そんなわかりきったこと」と笑われない程度にはためになる(?)話なのかもしれないと思い立ち、まとめ直してみました。 念のため、数字が嫌いな人のために、下の方だけ読んでも結論だけわかるように書いときますので、誕生日ネタになったら(知らなさそうな人に)自慢してみましょう。 |
なお、以下の話は誕生日に偏りがなく、ランダムであることを前提としています。
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小学生のころ、クラスの中に同じ誕生日の人が一組もいない確率なるものを計算したことがあります。こんなやつです。40人のクラスとして、2人目の人が1人目の人と違う誕生日である確率は、365日のうちの364日、つまり、
364/365
です。その次の人の誕生日が先の二人のどちらとも違う確率は、365日のうち先の2人が使っていない残りの365-2日となり、
です。 363/365
ここまで理解できなかった人はこちらこのように、3人ともが違う誕生日である確率は、これらを掛けて、
364/365 × 363/365 × 100 = 99.2% となります。これを次から次へ残り39人分計算すると、全員が違う誕生日である確率となります。
364/365 × 363/365 × ...... × 326/365 × 100 = 10.9% この逆、つまり、89.1%は同じ誕生日であるペアが少なくとも一組はいることになります。
次に、自分の誕生日と同じ人が....というふうに問題を変えてみましょう。自分以外の中に同じ誕生日のペアが何組いてもかまわないですから、ある人が自分と違う誕生日である確率はどの人に対しても 、
364/365
で、自分以外の39人が全員自分と違う誕生日の確率は、
364/365の39乗 = 約90%
となります。
これは自分と違う誕生日の人が一人もいない確率ですので、反対に、1 - 364/365の39乗 = 約10%
は同じ誕生日の人がいる確率となります。
このように、ある程度の集団であれば、自分と同じ誕生日の人を見かけても、ちっとも珍しくないのです。このあたりまでが、小学校から中学校くらいに見かけた「確からしさ」の復習です。
さて、ここからが正念場です。問題の100人の中に自分と同じ誕生日の人が自分以外に4人いる確率です。
99人と比較して、自分とは違う誕生日の95人に対しては、一人一人が(364/365)の確率で違う誕生日ですので、
364/365の95乗 = 約77.1%
さらに、自分と同じ誕生日の4人は、一人一人が(1/365)の確率で同じ誕生日なわけですから、
1/365の4乗 = 0.0000000056 % (5.6×10-9 %) この4人は99人の中にどんな組み合わせでいても良いわけですので、99人から4人を選び出す組み合わせの数は、
(99×98×97×96) / (4×3×2×1) = 3764376 通り つまり、95人が自分と違う誕生日で、4人が自分と同じ誕生日の特定の一つの組み合わせの確率は、
0.771×5.6×10^-11
なので、これにどんな4人になるかは3764376通り考えられることから、これを掛けて、
0.771 × 5.6 × 10^-11 × 3764376 = 0.00016 = 0.016 % となります、多分。
ご苦労様でした