出口フィルター付きバックロードQS2080b


狙い

というわけで、「小口径+2発+前面開口」の四角い箱を作ることにしました。

8cmドライバ×2なので、どうせなら10cm1発でもマウントできるような空気室形状でサブバッフル化、ホーン開口部もいろんなフィルターを取り付け可能なような仕組みにします。


設計

失敗したくないので事前に実験しました。

デスクトップバックロード2個を並べて、後面の開口部をひとつにあわせて30cmほど延長。
音道形状は↓こんな感じ。


これだけで、たった30cmの延長とは思えないほど低域の量感が改善され、目立った癖も感じられなかったので、気を良くして同じ構成で設計することにしました。かつてないコンサバ。

別の箱を2つ並べたのと同じように、音道は2本並列として最後の音道で合流。10cmドライバ1発をマウントすることも想定して、空気室は共通とします。

音道は分けないほうが板も少なく済むし抵抗も小さくなると思うのですが、頑丈さを優先してみました。

前面開口とするために最後の延長音道を180度ターンさせて前面へ曲げる以外は、デスクトップバックロードと同じ。

結果として、245(W)×300(D)×635(H)という中途半端といえば中途半端なサイズ、20cm程度のスピーカー台を使えば使いやすいサイズ。

台を使うくらいなら、台の分の容積を音道に使えば、、、ってのはわかっているんですが、机の高さと同じくらいというのも、結構収まりは良かったりします。

前面のバッフルは3分割、全て取り外し可能な仕組みとしておきます。


製作

左右2分割の音道なのでパーツは多いですが、サイズは小さく、入り組んだ形状も斜めもなし、ということで、根気良く接着するだけ(のはず)。

サブバッフルと密着する部分だけ凸凹にならないように優先的に位置決めすれば、特に問題なく組み上がり(のはず)。

まだ先。


測定と試聴(開口部の調整)

もっと先。


実験

今回の構造は、サブバッフルを外すことにより、空気室と音道出口だけでなく音道途中にも手を加えられるようになっていますので、この特徴を利用して以下の実験をやってみようと考えています。

とにかくチューニング箇所が多いのが特徴のこの箱、うまくいけば8cm〜10cmまで使える汎用箱の完成、となるのですが、そんなうまい話があるのか、、、。

(1)スロートの片側を閉じた構成


(1-1)ドライバ2発のまま

スロートの片側を閉じると、空気室を出た音波は片方の音道を経由し元々の合流地点を分岐として、一方は出口へ、もう一方は逆ホーン形状の音道を通って行き止まりのスロートへと、それぞれ分岐。

塞がった音道を中心に見ると、細い側が閉、広い側が開の共鳴管の途中に音源がある状態となります。

振動版面積に比べて小さなスロート面積となりますが、全体の容積や開口部サイズは変わらないので、予想では、音道が実質的に片肺になっても低域の量は変わらないと思います。

(1-2)ドライバ1発

スロートを半分にしたのに対応し、ドライバも8cm1発に変更。スロートサイズは適切っぽいですが、空気室はこれまでの作例と比べて巨大、一方、全体の容積は元が小型なので過大とまでは行かず、このバランスがどう影響するか。

低域の量に関しては影響が小さいと思いますが、具合が悪ければ、空気室の容積と出口フィルターの調整することで使い物にはなると予想しています。


(2)バスレフ併用


FOSTEXの推奨箱にもある方式で、七休さんの実験でもそれなりの変化が確認されています。

これも、サブバッフルにポートをつけて簡単に実験できます。


(3)音道途中に出口形成


本来のホーン出口を閉じてしまって、音道途中に低音取出し用のポートを付けます。

予想は難しいですが、ホーンの動作範囲がシフトしそうで、ポートのチューニングでどこまで変わるかがポイントです。