UTiCdさんの自作ALL MOS-FETパワーアンプUT-F1をお借りすることができました。
後で知ったことですが、電流帰還方式だそうです。組み合わせて聴く8cmバックロードBH-888VS「八角堂」は、拡張作業を終えて、なかなかのバランスで聴かせる癖のない状態になった所でしたので、割と差を出してれるのではないかと期待は膨らみます。
平日、帰宅してからでは小音量でしか鳴らせませんでしたが、それでも自宅で使用中のサンスイAU-α607MRとは全く違う鳴り方をするのがわかりました。
簡単に言うと、
- 低域が半オクターブ伸びたような印象
- 中高音が明瞭で、解像度が高い
- 中低域は柔らかい印象
- 全体にもう少し芯が欲しい感じ
という、およそAU-α607MRとは正反対の鳴り方に思えました。AU-α607MRも試聴した上で好みであったから選んだわけですから、UT-F1が好みと違うかというと、そんなことはなくて、音だけでどちらを選ぶかというと結構迷います。
週末に音量を確保して聴くのが楽しみになりました。
ボーカル系は繊細、明瞭。
太鼓は量的には膨らみ気味でも、解像度は充分でした。
あえて向き/不向きで言えば、打撃系よりもポピュラー、クラシック系が気持ち良く聴けます。元のアンプと繋ぎ替えて試聴すれば正確なのかもしれませんが、うちのセッティングはスピーカーケーブルの付け替えが面倒なので、サンスイのアンプに繋がっている10cmバックロードと切り替えて比較という無茶をやってみます。
驚いたのは、その後です。
10cmバックロードは、中高域のレベルが7-8dB以上高いはずのFE108ESに更にFT-90Hを載せてあります。
特にツィーターを付けてからというもの、10cmバックロードの方が切れが出て、8cm(八角堂)の方がこもって聞こえるほどだったのに、UT-F1と八角堂の組み合わせと比べると、10cmバックロードの方がこもって聞えました。UTiCdさんが自分でおっしゃるドンシャリ気味という意味が分かりましたが、f特上そうなのか、音の出方に違いがあるのか、確かにバランス的にはそういう所があるのかもしれません。
いずれにしても、見える音作りであるのは確かなようです。
解像度も高いと感じるので、本質的に良くて見通しが良いのだと思いますが、多少の味付け(付いてしまった?)もあるのでしょうか、どちらがどの程度というのは私には判断できませんが、気持ち良く鳴ると感じるのは間違いないと思います。あと、第1印象で感じた芯が欲しいという印象は音量を上げても同じでした。良くある表現を使えば筋金入りの馬力というやつでしょうか。
これだけ好みの方向と逆の特徴でありながら好印象を持つというのは、驚きでした。
あと、望むこと(私の好みと対比して足りない所)は、今のように低域が半オクターブ伸びた感触はそのままに膨らませず、ゴツッとした感じ(中域か?)が出てくれば、少なくとも10万円クラスのプリメインは一蹴、文句なしに「作ってね」となると思います。
UTiCdさん、どうもありがとうございました。