七休さんからCT帰還アンプなるものをお借りすることができました。
自宅でアンプを取り替えて聞くというチャンスは、なかなかあるものではなく、貴重な機会です。CT帰還アンプは、簡単に言うと、スピーカーに流れる電流をコイルで検出し、コイルに流れる電流を帰還抵抗に戻してやることで、定電流ドライブのような効果を得ようとする方式で、効果としては、スピーカーのインピーダンスが上昇して電流が流れにくくなる帯域にフィードバックがたくさんかかるので、特にインピーダンスの凸凹の多い低域での特性改善に有利です。(←合ってます?)
組み合わせて聴く予定の自作スピーカーBH-888VS「八角堂」は、音の出方には良い所はあるのですが、未対策では凸凹だらけの特性がわざわいして、非常にソースを選びます。
CT帰還アンプでどうなるか、今回の試聴のポイントです。
さっそく八角堂に繋いで鳴らしてみると、
といったところ。インピーダンスの暴れる中低域−低域に特徴が出そうだという先入観から、低域中心の聴き方になってしまいます。
- ゴツゴツきてる。
- そのくせ、ブルルンという低域の鳴り方が抑えられて素直になった。
- 6dB程のローブーストが入っているという割には、低域が持ち上がったという感じはない。
- 中低域の癖は相変わらずだ。
並べてみると、矛盾がいっぱいの表現ですが、どれも当てはまるのです。
ボーカルを聴くと、繊細感やさわやかさとは対極。でも癖はない。おとなしくなった感じで、好き嫌いはソース次第です。手持ちのソースでも、良い感じとそうでないのが半々という所です。
太鼓を鳴らしてみると、立ち上がりがちょっとなまる感じがしました。変な言い方ですが、中高域に馬力がないような印象です。これは相性はもう一つでした。
とにかく表現が難しいのですが、低域の癖が少なく感じる一方で、ゴツい感じが出たり、中高域は逆におとなしくなったりと、不思議な感じでした。
↑まずはリファレンス。サンスイのアンプとの組み合わせです。
↑そのまんまの八角堂との組み合わせです。
音はf特だけではないですが、敢えて聴感と結び付けるなら、おとなしくなったのは3kHz付近が凹んだせいでしょうか。低域は40Hzのピークがなくなり、最低域にかけて急降下して、30Hzがほとんど出なくなりました。
これも単純に聴感と結び付けることはできないかもしれませんが、ゴツゴツ感は最低域がすっぱりとなくなったことで、低域の柔らかさ成分が減ったからでしょうか。
ローブーストの効果は見られないようです。
↑次のリファレンス。サンスイのアンプとの組み合わせですが、八角堂の2つあるホーン出口のうち、片方を塞いだものです。
サンスイアンプの場合、元のケースに比べて、 中低域のピークが減少しローエンドが上昇します。
↑片方を塞いだ状態でのCTアンプとの組み合わせです。ローエンドの上昇は同じように見られます。中低域のピ−クは相変わらずですが、周波数の高い側へシフトした感じ。
問題は80-90Hzがなくなってしまったこと。ディップが深くなったというレベルではありません。なくなりました。^/.^;;
聴感でも、低音が寂しいです。この組み合わせは失敗でした。
七休さん、ずいぶん長くお借りしております。
アンプの動作等で良くわからない動作もありましたが、楽しませていただきました。どうもありがとうございました。