一般的な(普遍的な)音響測定を目的としたものではなく、部屋で聞いた時の特性バランスを確認するためと、チューニングの指標とするのが目的ですから、部屋の影響込みのマクロな特性を測定するための最も簡単な機器構成となっています。とはいえ、一般向けオーディオ雑誌に掲載されるようなスペクトラムアナライザー(スペアナ)と似たような構成で、スペアナ(1/3オクターブ刻み)に比べて高い解像度(約10Hz以下の刻み)での測定が可能です。
幸い部屋にも特に強い癖はないようですので、結果的にかなり参考になるプロットが得られています。
機器構成を機能別にまとめると下表のようになります。
(1) CD チェックCD サイン波スイープ信号やホワイトノイズの入ったチェックCDを再生して測定します。
efu氏作のWave Geneを使ってWaveファイルを作成し、これを音楽CDとしてCD-Rに焼きましたが、市販のチェックCDでも使えます。(2) マイク RadioShack Sound Level Meter
(33-2050) 特性がフラットになるようにマイクカプセルを交換しています。(3) マイクアンプ RadioShack Sound Level Meter内蔵 特性がフラットになるようにマイクアンプを改造しています。
単体のマイクを使う場合には、サウンドカードのマイク入力を使うことになります。(4) PC(サウンドカード) HARMONY 3DS724A/A-TREND 特性のことなど考えずに一番安いのを選んでますから、型番は参考にしないで下さい。
サウンドカードのライン入力を使って、PCへWAVEファイルとして取り込みます。
カードのアナログ入力にも周波数特性はありますので、CDプレーヤーのライン出力の信号を処理して、これを測定値と比較する際の基準とします。(5) FFT解析ソフト Wave Spectra /efu氏作 高速フーリエ変換(FFT)ソフトを使って、WAVEファイルの周波数特性を解析、プロットします。
基本的にはサイン波スイープをスピーカーで再生し、ハードディスクに録音した信号をFFTで解析しますが、スイープ信号をFFTで解析すると、図1の様な右下がりになります。
下の図はサイン波スイープを使った測定例ですが、元信号をFFT解析したものとの比較で解釈しなければなりません。
ところが、スピーカーで再生した波形はきれいなサイン波ではないために、傾きが一致するというものでもないようで、後で書くように、低域端と高域端の形を確認するのにだけ使います。
インパルス信号は全ての周波数成分を均等に含んだ信号で、スイープと異なり、FFTで解析すると完全にフラットな特性になりますので、全体のバランスを見るのに好適です。
本当なら、ノイズ解析等にかけて時間変化等をみればいまどきの測定ということになるのでしょうが、それなりのお金がかかります。さて、インパルスは各周波数成分のエネルギーが小さいですから、ボリューム最大でも図3程度のS/Nしか取れません。
それでも細かい凹凸や全体のバランスを補正すること無しに見られるメリットだけでも大きく、とりあえず信号だけでも記録(Wave型式)しておけば、後でツールがそろった時にちゃんとした解析も可能です。下の図の例に見られるように、この信号を使ってFFTで解析すると、低域が伸び切ってしまいます。
実際に20Hzまでフラットということはありえませんので、このあたりはサイン波スイープを参考にします。なんでこうなるのか、、、は、勉強中です。^/.^;;